実施日: 2022/10/3
総走行距離:20,306km
- 油圧シザースジャッキオーバーホールキット【1,480円】
2006年3月に購入したKYB社製油圧シザースジャッキは、使用頻度こそ少ないものの、Oリング等のオイルシールの経年劣化によるものか、数年前から作動油が漏れ出していた。このジャッキはガレージジャッキより軽量で取り回しが良く、春と秋のタイヤ交換時には常に利用していたが、先月のタイヤ交換時にはこのオイル漏れによりジャッキを最上位まで上昇させることができなくなっていた。新しいものを買うことが脳裏をよぎったが、まだ使用感の少ないこのジャッキを廃棄するのはもったいない。調べてみると、このジャッキ用のオーバーホールキットなるものがヤフオク等に出品されており、これを使えばオイル漏れが修理できそうなことがわかった。そこで作動油付き送料込み1,480円のオーバーホールキットをPayPayフリマで購入して作業してみることにした。
注文後2日で届いたオーバーホールキットは、この油圧シザースジャッキに使われているOリング・バックアップリング、ピボットピン、ピン固定用パーツ、オイル注入口キャップや作動油(110cc)をセットしにしたものである。作業の概要は古い作動油を抜いてジャッキを分解し、マスタシリンダー、スレーブシリンダー、およびリリースバルブのシール(Oリングおよびバックアップリング)を新しいものに交換して新しい作動油を入れるというものである。最初にオイルタンクのキャップを外してオイルタンク内のオイルを排出し、ポンピングレバーのピボットピンを抜いてマスタシリンダーピストンをシリンダーから抜く。次にジャッキのアーム下部のピボットピン(2本)を抜いてスレーブピストンをシリンダーから抜く。
リリース・スクリューを緩めて外し、パーツクリーナーで清掃してシリコングリスを塗布しOリングを新しいものに交換する。マスターおよびスレーブシリンダーにセットされているOリングとバックアップリングを取り外す。筆者はシリンダーにセットされているOリングなどのシールを取り外す際には、縫い針を利用することにしている。シール類を取り外し、ジャッキ油圧ユニット本体に何も付いていない状態にしたところで、作動油が満たれさる経路をパーツクリーナーで清掃する。パーツクリーナーが乾いたら、キット付属の新しいOリング・バックアップリングにシリコングリスを塗布し所定の位置にセットする。ゴム製のOリングは作業者から見てシリンダー奥にセットし、樹脂製のバックアップリングは手前にセットする。バックアップリングは斜めの切り欠き部分が正しく合わさるようにする必要がある。
シール類が正しくセットできたら、マスタシリンダーピストンにシリコングリスを塗布しシリンダーに挿入する。キット付属のピボットピンにリチウムグリスを塗布しポンピングレバーピボットに差し込んでβピンで固定する。スレーブシリンダーピストンにシリコングリスを塗布しシリンダーに挿入する。ジャッキのアーム下部のピボットピン(2本)にリチウムグリスを塗布して支点に差し込み、キット付属のEリングで固定する。キット付属のOリングをセットしたリリース・スクリューを取り付ける。次にオイルタンクの作動油注入孔からキット付属の作動油を注入する。作動油はジャッキを水平に置いたときに注入孔から溢れ出る直前まで入れる。エア抜き作業は、ジャッキがそれ以上上昇しなくなる位置までポンピングを行い、ジャッキを天地逆さまにしてリリース・スクリューを緩めジャッキを一杯まで縮ませる。それを気の済むまで何度か行えばエア抜きは完了である。
オーバーホールを終えた油圧シザースジャッキでエクリプスクロスをジャッキアップしてみた。先日上がりきらなかったジャッキは、何事もなかったかのように最上位置まで上昇し、タイヤを地面から浮かせることができた。そのまま20分程度放置してみてもジャッキが下がってくることはなく、とりあえず新品当時の性能を回復したように思えた。購入当時8,000円 程だったこの油圧ジャッキも今や10,000円を超えていて、その差額以下で当初の性能を回復できたのはラッキーだったと言えなくもない。 |