HONDA CBR1100XX 2001 | ||
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アンテナとLEDインジケーター | カードリーダー | |
2006年10月末でオートバイ用ETCの一般モニターによる試行運用期間が終了した。翌11月1日より本番運用が始まることになり、市販のオートバイ用ETC車載器を搭載したオートバイが、普通にETCレーンを利用できることになった。ライダーの料金所での苦労が霧散する記念すべき日がヤットコサ訪れた。もちろん市販のETC車載器だけでなく、試行運用時にモニター車両に無償で取り付けたられたETC車載器もそのまま使うことができる。モニター時に使用していたETC車載器は、(財)道路新産業開発機構のホームページ上で簡単な手続きを行えば、ご褒美として進呈される。筆者も手続きを済ませてETC車載器を自分のものとすることができた。 試行運用期間が終わりETC車載器が自分のものとなれば、モニター時に課せられていたカードリーダーやアンテナの設置位置の制限は適用されない。つまり自己責任の下に好きな位置に移設すればよい。筆者のETC車載器のアンテナとLEDインジケーターは、専用のステーを使ってハンドルバー右側に装着してあったが、それらは比較的高い位置にあり少々目障りであった。これを目障りでなく、かつ目立たない位置に移設することにした。カードリーダー本体はシート下のバッテリーの上に設置してあったが、場所を確保するために、その周辺に装着されたいた4個のリレーをステーからはずして隅に押しやってあり、これでは走行時の振動によってリレーの配線が痛んでしまうおそれがあった。それらのリレーはどれも重要なもので、リレーの配線が断線すると、走行中でもエンジンが止まってしまうものもある。そのようなトラブルを未然に防ぐため、カードリーダーも同時に移設しリレーを元の位置に戻すことにした。 アンテナとLEDインジケーターはハンドルのステーからはずし、フロントスクリーン下に移設することにした。インターネット上の情報によれば、スクリーンの下にアンテナを置いても、料金所での通信に問題は発生しないらしい。また、スクリーン下にアンテナとLEDインジケーターを設置すれば、LED車載器を搭載していることが目立たずスマートであるし、雨天でも水がかかりにくくなる利点もある。問題はスクリーンの下にアンテナとLEDインジケーターを置けるスペースがなかったことで、思案した結果それらをスクリーンの下側に直に取り付けることにした。具体的にはスクリーンにドリルで穴を開け、自作したステーを介してアンテナとLEDインジケーターをスクリーンの下にぶら下げる。ただ、保安基準によるとオートバイのスクリーンには異物を取り付けてはいけないことになっているらしいので、この取り付け方は車検時に指摘されるおそれがある。 カードリーダーの方は、先日セキュリティーシステムを全面刷新したとき、テールカウル部分に鎮座していたスパイボールを取り外したので、その空いたスペースに移設することにした。テールカウルは車両の最後部なので、フロントスクリーンに設置したアンテナとLEDインジケーターにまで配線を伸ばす必要があるが、この巨大なカードリーダーには一番収まりのよい位置ではある。カードリーダー移設後、バッテリー周辺の隅に押しやられていたリレーを元の位置に戻すため、カットされたリレーのステーを塩ビ板で復元した。リレーがシート下に転がっているのではなく、きちんとステーに収まっているのを見るのは気持ちがよい。 ETC車載器を移設した後、数回ETCゲートを通ってみたが、通信エラーが発生することはなく、今のところ問題なく使えている。巷ではETCは国土交通省の陰謀だとか何とか言われているが、筆者としてはどうせ支払わなければならない料金ならば便利なほうがよく、新しいオートバイに乗り換えてもETC車載器をすぐに搭載するだろう。 |
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ハンドルモーションセンサー | センサー取付状態 | アラームの様子(動画) |
先日取り付けた新しいセキュリティーシステムの防犯性能をさらに高めるため、新たなセンサーを自作してシステムに追加した。「ハンドルモーションセンサー」と名付けたこのセンサーは、ハンドルを左に一杯切った位置から少しでも右に動かすとトリガーを生成する。バイクを駐輪するとき、ハンドルを左に一杯切りセキュリティーをアームしておけば、誰かがハンドルを少しでも右に動かすと、このセンサーが反応しサイレンが鳴る。どのようなタイプのバイク盗でも、その作業中にハンドルを動かす事は想像に難くない。例えば乗り逃げ型のバイク盗であれば、ハンドルロックを外す際にハンドルを動かす必要がある。ハンドルロックがかかったままのバイクを台車などに載せて運び去るバイク盗でも、ハンドルを持たないでバイクを支えるとは考えにくい。というよりも、これらのバイク盗はまず最初の作業として、ハンドルを動かしてみてハンドルロックがかかっているかどうかを確かめるのではないだろうか。そうだとすれば、その作業の初期段階でサイレンが鳴ることで、バイク盗としてもあきらめがつきやすいだろうし、バイク自体の被害も少なくて済む可能性もある。サイレンが鳴っているバイクを平然とワゴン車などに積み込む窃盗団もあるそうだが、そのような場合はセキュリティーシステム自体が無力ではある。 「ハンドルモーションセンサー」の仕組みは単純で、ハンドルステムのボトムブリッジにある、ハンドルロック用突起を利用してマイクロスイッチをON/OFFしているだけである。オムロン製のマイクロスイッチ(防水仕様)を、1.5mm厚のアルミ合金板から切り出したステーに固定し、そのステーをハンドルステムのアッパーカウルステー取り付けネジを利用して取り付けた。マイクロスイッチはハンドルを左に一杯切った位置で接点が開き(OFF)、それ以外のポジションでは接点が閉じる(ON)ようにする。通常バイクのハンドルロックは、ハンドルを左に一杯切ってロックをかけてもハンドルが多少動くが、その動きの範囲の中でマイクロスイッチがON/OFFするように取り付け位置を微調整した。こうしておけばハンドルロックをかけた状態でこのセンサーが機能する。マイクロスイッチから出る2本のケーブルは、片方を(-)アースに落とし、もう一方をMerlin 2000の(-)マルチプレックス入力に接続した。マルチプレックス入力は、0.8秒以下のトリガー入力で警告サイレンを鳴らし、それ以上の長さのトリガー入力ではフルサイレンを鳴らす。 実際の動作は動画のとおりである。セキュリティーシステムの振動センサーを動作させないよう、そっとハンドルを動かしても必ずサイレンが鳴リ出す。これは案外強いインパクトをバイク盗に与えることができるのではないかと思う。筆者のブラックバードは納車から5年以上が経過し、オールペイントも行っているので市場価値はかなり下がっているとは思うが、今年(2006年)後半から首都圏では大型バイクの盗難事件が急増しているらしく、まだまだ気は許せない。春先に秋葉原の中央通りにバイクを駐輪したときには、自車のサイレン(旧スパイボール)が鳴っている音が、道を挟んだ反対側の店先で聞こえたことがあった。サイレンの音に気付いてすぐにバイクを見ても、バイク盗らしきものは見当たらなかったのだが、スパイボールの振動センサーは誤報が起きにくいうえに調整は完全にしてあったので、やはり何者かがバイクを動かそうとしたものだろう。大型バイクは年式によらず狙われていると考え、常に対策しておくべきである。 |
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Merlin 2000 | ステータスLED・バレースイッチ | リモコン |
筆者のブラックバードには、セキュリティーデバイスとしてゴリラサイクルアラームとスパイボール(ホンダ純正品)の2台を装備していた。その内、ゴリラサイクルアラームは前車からのキャリーオーバー品であり、購入してから約6年以上も使用してきた。かなりの年数使用してきたせいか、半年前くらいからリモコンの調子が悪くなってきて、リモコンのボタンを押してもセキュリティーのアーム/ディスアームができなくなる不具合が発生していた。リモコンのボタンを何度か押せば、とりあえず動作はするものの、何度リトライしてもセキュリティーをディスアームできないことが一度だけあり、そのときはサイレンが鳴り響く中、セキュリティーシステム本体の配線を引きちぎってサイレンをとめたことがある。さらに本体側も経年劣化しているようで、リモコンを操作していないのにセキュリティーがアームされてしまうことが一度あった。そのときは走行中にいきなりアラームが鳴り出し、かなり恥ずかしい思いをした。 スパイボールの方は取り付けてから2年程で、今のまでところ不具合は出ていなかった。ただ気になっていたのは、イグニッションをオフにすると50秒後に自動的にセキュリティーがアームされる(パッシブアーム)ことである。汎用品として販売されているスパイボールは、このパッシブアームをオフにできるらしいのだが、筆者のホンダ純正スパイボールはそれができない。オフにできないと、エンジン始動のたびにリモコンでセキュリティーをディスアームしなくてはならいのだが、二輪車講習会では頻繁にエンジンの停止・始動を行うため、始動のたびにリモコンを操作しなければならず、かなり煩わしかった。さらにデバイス本体がそれなりに大きく、その指定取り付け位置であるテールカウル部をほぼ占領してしまう。ブラックバード唯一の小物入れであるテールカウル部が使えなくなるのはかなり厳しい。さらに、セキュリティーデバイス2台+バッテリー延命器が消費する電力はかなりのものらしく、バッテリーが満充電状態であっても、2週間程度放置しておくとセルモーターが廻らなくなるぐらいまで電力を消費してしまうことも気になっていた。 そこで上の不満点を一挙に解消するため、新しいセキュリティーデバイスを導入することにした。新しいセキュリティーデバイスとして選択したのはDEI社のMerlin 2000である。Merlin 2000には、振動センサー、傾斜センサー、イグニッション、クローズドループ、マルチプレックスのトリガーが備わっており、以前の2台のセキュリティーデバイスが備えていたトリガーを完全にカバーできる。さらにセキュリティーアーム中には純正キーを使ってもエンジンを始動できないイモビライザー機能、セキュリティーアーム/ディスアーム時とアラーム鳴動時にターンシグナルランプを点滅させるライトフラッシュ機能、バッテリー端子を外してもサイレンが鳴り止まないバッテリーバックアップサイレン機能が備わっており、これらもスパイボールに備わっていたものと同等の機能である。2台分のトリガーや機能を1台で済ませられるのであれば、設置スペースや消費電力の点で有利であろう。このバイク用セキュリティーデバイスとして必要にして十分な機能を持つMerlin 2000をある筋から格安にて入手し、いつものようにDYIにて取り付けた。 取り付けは、スパイボールの時と比べてずいぶん簡単であった。まず本体のサイズがスパイボール半分程度で設置場所を選ばない。ブラックバードは補機類がキチキチに配置されていてかなりスキマが少ないバイクだが、それでも小さなスキマに本体をきちんとビス留めで設置することができた。配線もスパイボールではテールカウルからフロントのメーターパネル裏側まで、長さ1.5mはある太いハーネスを通す必要があったが、Merlin 2000では基本的な配線はバッテリーとその周辺にあるヒューズボックスにアクセスするだけで済んだ。ステータスLEDとバレースイッチの配線はフロント部分へ延ばしたが、これは視認性と使いやすさと重視したためで、基本的にはどこに付けてもよい。バッテリーバックアップサイレンはカギによる操作が必要な関係で、その設置場所を決めるのに試行錯誤したが、これもサイズそのものはコンパクトなので小さいスキマにうまく収まった。今まで付けていたゴリラサイクルアラームとスパイボールは取り去った。スパイボールが設置されていたテールカウルが元のスペースを取り戻したので、ここにETC車載器を移設しようと思う。 とりあえずの使用感としては、リモコンの電波到達距離は見通しで実測20mはあり全く問題はない。2個付属されているリモコンは防水仕様でサイズも小さく、キーボルダーにつけておいても邪魔にならず違和感もない。このリモコンはディスポーザル(使い捨て)なので、内蔵電池の寿命(通常の使用で約3年とある)が来たら新しいものを入手しなければならない。水銀を使用しなくなった傾斜センサー(スイッチ)の動作も問題なく、サイドスタンドをかけた状態から車体を水平に起こせば反応する。Merlin 2000本体に内蔵されている振動センサーは、本体横に付いているボリュームで感度を調整できる。最高感度にするとタイヤを軽く蹴るだけで反応するが、爆音バイクなどで誤報が起きないよう、とりあえず中ぐらいの感度で様子をみることにした。以前ゴリラサイクルアラームにつないでいたシート開錠検出スイッチは、クローズドループ入力に接続しシートがこじ開けられた時のトリガーとした。最近の乗り逃げバイク盗は、ピッキングでシートを開けてECUにアクセスし純正イモビライザーを無効化するそうなので、このトリガーは必要かつ有効であろう。次はハンドルを動かしたときに反応するようなトリガーを、マイクロスイッチを使って製作してみようと考えている。 |
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マスターシリンダー部 | ブレーキホース取り回し | ブレーキキャリパー |
2004年8月に行ったD-CBS解除時に、自作のパーツを多用して油圧損失が最小になるようにフロントブレーキラインを構成した。これにより、フロントブレーキのタッチがしっかりした硬質のものに改善された。その結果、フロントブレーキのポテンシャルを一杯に使えるようになり、全制動時には以前より確実に短い距離で停止できるようになった。このブレーキのタッチに慣れるに従って、フロントのロックとアンロックがコントロール出来るようになり、全制動課題時には指導員に「ちょっと効かせすぎだね」と言われることも多くなった。ブラックバード純正の片押し3ポッドキャリパーのコントロール性についてあまり良い評判は聞かないが、筆者としては現在の仕様でまったく不都合はない。 ところが、この自作したフロントブレーキの油圧経路は、ホース接続パーツの多さがアダになり、実は当初より複数のホース接続部分からブレーキフルード漏れが発生していた。特にバンジョーアダプターフィッティング部分からの漏れがひどく、バンジョーボルト類の増し締めを何度か行ってみたものの、決定的な効果はなかった。真鍮パイプで自作した油圧バイパス金具とキャリパーの接続部分からも、量は少ないがブレーキフルードが少しずつ漏れており、フロントブレーキキャリパーには常にブレーキフルードがにじんでいた。まあこの程度なら大丈夫だろうと何の根拠もなく楽観していたが、久々にフロントブレーキマスターシリンダーのフタを開けたとき、タンクにブレーキフルードがほとんどなくなっているのを目の当たりにして、このまま放っておくとヤバイということに気付き、早速改修を行うことにした。 前回の改修テーマは「油圧損失の最小化」であったが、今回は「ブレーキフルード漏れをなくす」ということが最大の目的である。そのために、バンジョーアダプター等による油圧経路の接続部の数を減らすことにした。それによりブレーキホースの総延長が増えること(=油圧損失の増大)にはある程度妥協する。現在のブレーキライン構成を変えずに、ブレーキフルードが漏れる部分をひとつひとつ潰していくという手もあるが、それにはブレーキラインを開けるたびにエア抜きが必要だし、その際には新しいブレーキフルードも必要である。それに、改修を行っても結果的に漏れが止まらなければ再改修ということになり、その場合にはさらに時間と手間とブレーキフルードが無駄になる。 実際の改修は、新たに2本のステンメッシュホースを調達し、それをフロントブレーキマスターシリンダーから直接左右のフロントブレーキキャリパーに接続した。各キャリパー内の2系統の油圧経路は、真鍮製金具を使った外部からの接続をやめて、キャリパー内部をドリル加工することで内部的に接続した。使わないセンタピストン用のブレーキホース接続口(下側)はM10(ピッチ1.25mm)のボルトを短くカットしたものでフタをした。この改修でブレーキホースの接続部分に使われるワッシャーの数は以前の17枚から11枚に減り、それだけブレーキフルード漏れが発生する可能性のある部分が減った。(ただし、ステンメッシュホースを入手した後に、ブレーキホースの総延長をさらに短くする方法に気付いた。つまり以前行っていたように、フロントブレーキマスターシリンダーから1本のホースを出し、それを片方のフロントブレーキキャリパーに接続する。次にそのキャリパーから短いホースを他方のフロントブレーキキャリパーへ接続する) この改修の後はホース接続部分からのブレーキフルード漏れは無くなった。ただ、改修後しばらくしてブレーキキャリパーのブリーダースクリュー周辺にブレーキフルードがにじんでいるのを発見した。一応エア抜き後はブリーダースクリューの穴にこよりを挿して余計なブレーキフルードを吸い取ったのだが、もしかしたらネジ部分に残ったブレーキフルードが走行中の振動や熱により外に出てきたのかもしれない。これはしばらく様子を見ることにする。幸運にもブレーキのタッチに顕著な変化は見られなかったので、改修前と同様に短い距離で全制動課題をこなせそうである。 |
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ETC車載器本体 | アンテナ・LEDインジケータ | LEDインジケータ |
オートバイ用ETCの一般モニターによる試行運用が始まることになった。これは2003年から2004年にかけて行われた、ICタッチカード一旦停止方式で行われた試行運用と同じく、(財)道路新産業開発機構が行うもので、今回はETC車載器をオートバイに搭載してノンストップで料金所を通過する方式である。筆者は前回の試行運用の一般モニターになっていたが、料金所の一般レーンで一旦停止しなければならないICタッチカード式のETCにメリットを見出すことができなかった。ICタッチカード式ではETC車載器は必要なく現金の収受も発生しないが、一般レーンに並ぶ必要があるので、結局クレジットカードやETCカードを料金所のオジサンに手渡しして清算するのと大差はない。要するに空いているETCレーンをノンストップで通ることができないシステムには何の価値もないというのが筆者の結論であった。 2005年11月1日よりWebサイト上で試行運用の一般モニターの募集が開始されたが、応募が殺到しわずか2日で定員の5000名に達したという。筆者は11月1日中に応募したところ、運良くモニターになることができた。その後12月に同じWebサイト上で行われた「理解度確認試験」に合格し、2006年1月になってETC車載器取り付けの案内がEメールで送付された。Eメールに記載されている指示に従って、都内のオートバイ店でETC車載器を取り付けてもらった。筆者としては自分で取り付けたかったのだが、それは規定により禁止されているので仕方がない。取り付けてもらった日本無線製ETC車載器本体はサイズが巨大で、シート下スペースの少ないブラックバードには装着が困難だったらしく、シート下バッテリーケース後方の4個のリレー(ヘッドライト・キル・クーリングファン・フェールカット)をステーからはずして移動し、さらにそのステーを切断(!)してスペースを広げた上で装着してあった。他人のオートバイだからできることで、自分でやったらここまで大胆にできないと思った。ETC車載器本体の筐体は、二輪車の振動に耐えるためかとてもしっかりしており、ETCカード挿入口には防水のためのカバーが付いている。オートバイ用ETC車載器を試行運用に提供した日本無線には拍手を送りたいが、市販品はもう少しコンパクトにならないと、装着できる車種が限られてしまい、普及の妨げになるのではないかと思う。アンテナとLEDインジケーターは専用のステーを使ってハンドルバー右側に装着してあった。これは高い位置にあるので、既存のメーター類の視認性は妨げられていないが、チョット目ざわりではある。試行運用期間が終了すればこのETC車載器はいただけるらしいので、フロントスクリーンの上か下にでも移設しようと思う。 ETC車載器取り付け後の帰り道、早速ETCを使って首都高速にのってみることにした。試行運用中は「二輪車ETCモニター」と書かれた黄色い腕章をつけなくてはならない。右腕にその腕章を付け、普段クルマで使っているETCカードをETC車載器本体に挿入し、グリーンのランプを確認してETC走行準備OKである。うまくETCが動いてくれることを祈りつつ、料金所のETCレーンに進入したところ、料金所のオジサンが「イケ、イケ」と手で合図している。やった!うまく動いた!これはとってもイイ感じ!考えてみれば、オートバイでの料金所通過は苦痛以外のなにものでもなかった。グローブをはめた手でポケットに突っ込んだハイカは折れ曲がり、千円札は風に飛ばされ小銭は転がり、果ては立ちゴケの憂き目に遭う。それらがの苦痛がETCを使うことにより霧散する。オートバイにこそ必要なシステムではないかと思った。 しかし、オートバイ用ETC車載器が実際に市販されても、メーカーや販売店にとってはウマミのない商売に違いない。2005年12月の四輪車の新車販売台数は約27万台、ETC車載器セットアップ台数は約52万台である。それに比べ、ETC車載器を搭載する意味のある、高速道路を走行できる126cc以上のオートバイ(軽二輪・小型二輪)の同じ月の新車販売台数は1万台強でしかない。四輪車のETC車載器セットアップ台数は新車販売台数の約2倍なので、この比率を二輪車に当てはめると、オートバイ用ETC車載器は月に2万台程度売れる計算になる。しかし、実際に高速道路を走っている四輪車と二輪車の比率が27対1程度であるはずはなく、二輪車の数は四輪車のそれと比べ極端に少ないのは明らかである。他人事ながらオートバイ専用ETC車載器の製造・販売は採算が取れるのかどうか心配になる。オートバイ用のETC車載器として耐震性や防水性に配慮しなければならないのはわかるが、メーカーは四輪用の枯れた技術を転用するなどして、できるだけ安くコンパクトな製品を供給してもらいたいものである。 |
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