KAWASAKI 1400GTR 2008 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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曇った一般ピープル向けランプ | PIAA 1100X ドライビングランプ | 取り付け状態 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ケロちゃんケロケロ | 4300K HIDキット・遅延ON回路 | 点灯状態 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
今年4月に装着したCATZ XSLドライビングランプだが、使用し始めてからすぐに前面ガラス内側(左右共)に曇りが生じた。その後曇りは半年ほど使用した時点(走行距離にして8000km程度)でランプ内部のフィラメント部が見えにくくなるほどにまでに進んだ。この状態では光量の低下もさることながらルックスがかなりいただけない。ガラスの曇ったランプは貧乏クサイ雰囲気を醸し出すには最適だが、筆者のイカしたバイクには似合わない。やはり一般ピープル向けドライビングランプというだけのことはある。イカしたバイクにはイカしたパーツしか取り付けたくない筆者としては、この状態を看過するわけにはいかず、ドライビングランプを他のものに取り替えることにした。 このような製品を欧米で販売するとリコールになるのはほぼ間違いない。消費者がメーカーにモノ申すことが普通の欧米では、前面ガラスが半年で曇るなどというドライビングランプが流通できるわけがない。そこで今回は欧米で販売されているドライビングランプを輸入することにした。とはいうものの、セレブなS氏が取り付けているMotolight社製のものには手も足も出ない。もう少し安価な製品を調査した結果、PIAA社製1100X PLATINUMという製品が価格的にもサイズ的にも収まりがよさそうなことがわかった。この製品は日本国内のPIAA社製品のラインナップには存在しない。そこでまずは米国Amazonサイトで購入することを試みたが、発送先を日本に指定すると製品保証の関係で発送不可と言われてしまう。さすがはネット販売最大手、消費者に対する責任というものを理解している。 米国Amazonサイトからの購入はあきらめ別のサイトを探したところ、CruiserCustomizingというサイトがMSRP(メーカー希望小売価格)の10%OFFでこのランプを販売しているのを見つけた。サイトも派手ながらしっかりと作られおり、それほどヤバそうな感じはしなかったので、このランプを単体(リレーやステー等なし)で2個、ここに発注した。支払った代金はランプ1個あたり89.09米ドル、送料が39.16米ドル(普通郵便・トレースなし)、合計217.34米ドルで、1米ドル88円換算で19,126円程であった。製品は在庫がなく入荷待ちだったようで、注文から商品が届くまでに20日程かかったが、11月中旬、注文したPIAA社製ドライビングランプが無事自宅にデリバリーされた。なお、デリバリー時に通関費用と国内消費税は請求されなかった。 筆者にはPIAA社製のハイワッテージバルブ(国内流通品)が購入後短期間でキレてしまった経験が都合4回もある、というか買った4個すべてがすぐにキレたのだが、今回あえてPIAA製品を選んだのにはワケがある。それは、欧米でもポピュラーなPIAA社の製品がこれほどまでに耐久性がないのは理解しにくく、ゆえに同社の欧米向け製品と日本向けのそれとには品質の差があるのではないかと考えていた。今回米国から輸入した日本でラインナップされていない製品が、それなりの期間フィラメントがキレることなく使用できるとすれば、筆者の考えがある程度裏付られる。ただし、もしコレも短期間でキレたら、もう一生PIAA社の製品にカネを払うことはないだろう。 取り付けは以前と同様にフロントフェンダーマウントボルトを利用する。ホームセンターでスチール製L字型ステー、M6大径ワッシャー等を調達し、それらを15mm厚のアルミ製カラー(M6用・外径18mm)と組み合わせ、それにドライビングランプ側ステーをM10細目ボルトで結合する。ドライビングランプは以前より高い位置に固定するとともに左右への張り出しを最小限に抑え、転倒時にドライビングランプが地面と接触しないよう配慮した。配線は以前のものを流用できるよう、ドライビングランプ側の配線を短く加工した。点灯試験も問題なくクリアし運用を開始してみた。 このドライビングランプは55Wの消費電力で85W相当の明るさを持つ。実際、運転席から見た道路上の照射対象物の明るさ感は圧倒的で、夜間ヘッドライトを消してこのドライビングランプだけでも走行は十分に可能である。このドライビングランプの照射角は、以前のCATZ XSLが75°とフォグランプ並みの広がりを持つのに対し、35°と狭くスポットライト的である。ただしリフレクターは単純な円錐形であり全面ガラスにもカットは施されていないので、照射光は単に円錐状に広がるだけである。バイクの前方約10mの距離から人の目の高さで発光点を見ると、眩しさ感はCATZ XSLより増しているような感じがする。しかしながら、照射角が狭くなったことで、前方の高い所にあるの道路案内標識が明るく照らし出される程度は低くなったように思われる。 このドライビングランプの装着後しばらくして、約2年間使用したあやしい中国製6000K HIDの右ヘッドライト側バーナーがキレた。6000KのHIDとドライビングランプの色温度は全く違うので、これを機会にHID側の色温度を下げてドライビングランプに近付けてみることにした。そこでヤフオクに出ていた35W 4300K H4スライド式HIDコンバージョンキット(バラスト・イグナイター別体式)を落札したが、価格はなんと5,890円でしかも送料込み、さらにバーナーも含めて3年保証とある。3年後に出品者と連絡がつく可能性は低いだろうが、HIDがこの価格で買えれば一昔前のハイワッテージバルブと変わらない。HIDとドライビングランプの両方を点灯して色温度を比べてみると、肉眼ではドライビングランプの方がやや白い(高い)感じがするもほぼ同じになった。ルックス、視認性、被視認性とも申し分ない。 今回購入したHIDコンバージョンキットはバーナーだけを使用し、バラストやリレー、配線は既存のものを使った。ところがこのバーナーが、一旦点灯した後走行中にしばしば消え、安定した動作が得られなかった。この問題はHIDの電源をバッテリーから直接取ることで解決したが、このことは同じ35Wのバーナーでも個体によって必要な電圧が異なることを示す結果となった。さらに保険として、ドライビングランプのリレー電源に遅延ON回路を入れてみた。この遅延ON回路により、エンジン始動直後にHIDが点灯開始した後、7~8秒遅れてドライビングランプが点灯開始するようになる。HIDは点灯開始時に大きな電力を必要とするので、その間ドライビングランプを消しておき、HIDの点灯が安定するのを助けるとともにバッテリーへの負荷を軽減するのである。 |
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実施日: 2009/11/27 走行距離: 23,159km 請求費用: \37,191 項目: - タイヤ空気圧点検・調整 - タイヤ残量/異物刺さり点検 - ホイールベアリング点検・アクスルシャフト給油 - ブレーキバッド残量点検 - ブレーキキャリパー清掃 - ステアリングステムベアリング点検 - フロントフォーク作動/オイル漏れ点検 - リアサスペンション作動/オイル漏れ点検 - 灯火/メーター類作動点検 - バッテリー充電/充電電圧点検 - ファイナルギア/ダンパ点検 - エアーエレメント点検・清掃 - スロットルボディ清掃 - エンジン始動性/アイドル/吹け上り点検 - エンジンガソリン/オイル/クーラント漏れ点検 - エンジンオイル交換(WAKO'S TRIPLE-R 4.4L) - オイルエレメント交換 - クーラント量/ラジエターキャップ/ファン作動点検 - 各ワイヤー/レバー清掃・給油 - 各部締付/給油状態点検 - 試運転 - Exガスケット交換(エキパイ排気漏れ修理) - エンジンオイルドーピング(GRP 200cc) ステムベアリングの調整・給脂を行ってくれたようで、ハンドルの切れが非常に軽くなった。他にはアイドル回転が非常に安定したことが体感された。エキパイ排気漏れ修理は当初工賃を請求されたが、このディーラーで半年ごとに有償の点検を受けてきたので、ゴネたところクレーム処理された。工賃を払うハメになればこのバイク屋と縁を切るつもりでいた。 |
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実施日: 2009/11/23 走行距離: 23,000km 銘柄: RKエキセル MGEA ALLOY X 868MA-X 旧パッド残厚(最薄部): 0.4mm 今回は残厚がかなりヤバかった。23000kmで4セットなので、1セット平均5750kmとリアブレーキを酷使していることがわかる。リアブレーキディスクも削れてきているが、既に新しいディスクは入手してある。フロントブレーキパッドはまだ数千キロは大丈夫なぐらい残厚がある。 |
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8000kmで交換したフロントタイヤ(リプレース版ブリジストンBT-021)は23000kmの時点でスリップサインが出た。ということは実に15000kmも走ったことになる。摩耗状態はOEM版BT-021と同じようにサイドが平らに偏摩しているが、タイヤ表面の荒れはOEM版BT-021ほどひどくない。リアタイヤ(リプレースBT-021)は13500kmで交換したので、ここまで9500kmを走ったことになる。溝は5分山以上残っている。摩耗状態は少しセンターが平らになっている程度で、まだまだ使える状態である。 今回交換するNewタイヤはメッツラー Z6 Interactにした。最新のツーリングタイヤであり、各所での評価も中々良い。トレッドパターンが強そうなイメージなのも気に入った。今回は前後の銘柄を合わせるため、もったいないがリアタイヤも交換することにした。タイヤの交換は前回と同じバイクタイヤ専門店speedstarで行った。今回は自宅ガレージでホイールを外す時間がなかったので、電話で在庫を確かめた上で車両を持ち込んだ。傍らで交換作業を見ていたが、ボルト類にはきちんとスレッドコンパウンドを塗っていたし、作業自体とても丁寧だった。費用は交換工賃・廃タイヤ処分代を含んで44,900円だった。こういう店には気持ちよくカネが払える。 交換直後のインプレとしては、低速コーナリング時にフロントに舵角が付きにくく、摩耗したBT-021に慣れたことを差し引いても、同じコーナーでBT-021よりバンク角が深くなる傾向があるように感じた。また、ロール方向のヒラヒラ感がBT-021に比べて少ない。良く言えばおおらかな特性ということだろう。BT-021がツーリング向けといいつつも、かなりヒラヒラ感が高かったという見方もできる。いずれにせよ、BT-021に比べとっさの危険回避機動が苦手なタイヤのように思うので、そのような状態に陥らないよう気を付ける必要がある。 |
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クラウザーK5パニアケース単体 | サイドパニア取り付け | K5ラック・アンテナ基台 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
納車直後にイタリアGIVI社製E370パニアケース(以下E370)を取り付け約2年ほど使ってきたが、37リットルでは少し容量が足りない場面に何度か遭遇することとなった。普段の通勤にはこの容量でまったく問題はないのだが、このバイクにしてから荷物満載のツーリングに出かける機会が増え、もう少し大きいトップケースにした方が使い勝手が良くなるように思えた。例えば、筆者はツーリングの休憩時にはヘルメットをトップケースに仕舞うが、その際もう少し容量が大きければ、トップケースの中の荷物でパズルをしなくとも済む。しかしながらE370が破損したわけでもないし、昨今のECO全盛なご時勢も手伝って、積極的に新しいトップケースを物色するのは躊躇された。 そうこうしている時、1400GTR Owner’s ClubのS氏が手持ちのドイツクラウザー社製K5パニアケース(以下K5ケース)を手放すとの情報を得た。Dynojet社のQuick Shifterを購入する資金を調達するためだという。人助けの為ならやむを得ない。ここに大義名分が立ち、S氏から新品同様のK5ケースを市価の半額程度で譲ってもらうことになった。実際K5ケースは購入候補のひとつと考えていたので、果報は寝て待てということであろう。他の購入候補としてはGIVI社製E460パニアケースがあった。これならE370と取り付けベースが共通なので、TPOに合わせてそれら2個のケースを取り換えながら使える。しかし考えてもみると、物ぐさな筆者は大きいほうのE470をつけっぱなしにしておくのは火を見るより明らかだし、E470は1400GTR Owner’s Club内ではポピュラーなケースでもある。ここはあえてマイノリティーに属してみることにした。 取り付け作業は”K4/K5用ラック”(以下K5ラック)と呼ばれるK5ケースの取り付けベースとなるブーメラン状のパーツをリアキャリアに取り付ける。K5ラックは新しいものをクラウザー輸入代理店のモトコ社から取り寄せた(4,935円・税込/送料別)。GIVIの取り付けベースを自作のアルミキャリアから取り外し、K5ラック用の穴を開けM6のタップを立てておく。GIVIのときもそうしていたが、キャリア自体にネジを切るのは盗難対策である。こうしておけばケースをラックから外さない限りラックはキャリアから外れない。キャリアはネジ穴加工後、ブラックの缶スプレーで再塗装しておいた。塗料が乾いてから低頭ボルトを使ってキャリアを車体に取り付ける。K5ケースとキャリアのクリアランスを最小にするため、K5ラックはスペーサーを入れずにキャリアに直付けする。キャリア下側に突き出したボルトの先には、念のためフランジナットを取り付けておく。K5ケースはE370より幅が広いので、今まで使っていたアンテナ基台は使えなくなる。これは5mm厚のアルミ合金版を使って以前のものより長いアンテナ基台を製作した。 車体側の作業を終えてK5ケースを取り付けてみる。K5ケースはK5ラックに後方から差し込むように取り付ける。K5ケースをロック位置にセットするには少し勢いをつけてケースを前に押す必要があるが、その勢いで車体が前に動いてしまう可能性がある。センタースタンド使用中には前輪に輪留めをするか、サイドスタンドの場合はローギアに入れておいた方がよいだろう。さすがドイツ製と感心したのは、何かの拍子にK5ケースがロック位置から外れても、もうひとつのストッパーによってK5ケースはラックから外れないようになっていることである。使い慣れたE370に比べて鍵穴に鍵が入りにくい。鍵を鍵穴に差し込むには、鍵の先端を鍵穴の中心付近のかなり狭い範囲に合わせる必要がある。さらに鍵を回す方向がE370とは逆なのにも少し戸惑った。しかしこれらは慣れれば問題でなくなるであろう。 造形はイタリア製E370の丸く柔らかい感じに比べて、ドイツ製K5ケースは比較的エッジが立った無骨な感じがする。K5ケース後面のパネルは明るいシルバーに塗装されているが、これが夜間後方からは思いのほか明るく見え被視認性を高めている。筆者は当初このパネルをボディーと同じ色に塗装することを考えていたが、しばらくこのままで使ってみることにした。1400GTR標準装備のサイドパニアケースを装着して車両を後ろから見ると、E370ではトップケースだけが少し小さく感じられたのだが、K5ケースでは全体としてバランスがとれているように感じる。しかしサイドパニアケースを外すと、K5ケース単体ではいささか幅が広いようにも思える。トップケース単体ではむしろE370の方が軽快感があり、バランスが良かったように筆者には思える。 荷物をE370からK5ケースに移し試乗してみる。まず最初に気がついたのは、K5ケース内部にある荷物が転がる音がE370に比べて大きいことである。K5ケースはE370より10リットルほど容量が大きいにも関わらず、その重さは手で持った感じではE370と同じかむしろ軽い。つまりケースの壁が薄く作られているので音も大きく聞こえるということなのか、あるいはケース内部の広い空間が音を増幅しているのだろうか。これについてはウレタンスポンジをK5ケース内部に敷いて緩衝材とし、荷物へのダメージと音の低減を図ったところ、ほぼ音はしなくなった。ケースの幅は広くなったがミラーには映り込まないので後方視界に変化はない。高速道路の制限速度程度では、風圧の変化で後ろから押されるといったような現象もなかった。ケースの揺れについてもバックミラーでみる限りE370ケース との違いはないような感じである。 |
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ホンダアクセス グリップヒーター | コントローラー | 隙間埋めスポンジ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
寄る年波には勝てずついにグリップヒーターをつけることにした。今回チョイスしたのは、ホンダアクセス社製のグリップ長120mmのもの(08T50EWA001H)で、速熱性に優れるというステンレスヒーターが全周に内蔵されている。コントローラー部は防滴仕様で、グローブをはめていても押しやすそうな大型の押しボタンスイッチがついており、これを押すことで5段階(100%,
80%, 60%, 40%, 20%)の出力とOFFが選択でき、その状態は3個のLEDインジケーターにより示される。選択された出力は、イグニッションを切ってコントローラーへの通電を止めると自動的にOFFに戻る。つまりエンジンを再始動する度に押しボタンスイッチを押して出力を選択する必要がある。これを面倒と感じる向きもあろうが、筆者にとってはバッテリー保護の観点からむしろこの方が好ましい。さらにこのコントローラーは、バッテリー電圧が低いときにはヒーターへの通電を中断してバッテリーを保護する。電力が失われるとエンジンが回らないFIバイクに相応しいハイテク仕様である。 グリップヒーターの取り付けは、まずハンドルに付いている既存のグリップを外す必要がある。バーエンドウェイトを外してグリップ端をめくり、そこにコンプレッサーの圧縮空気を吹き込んでやるとグリップとハンドル(またはスロットルチューブ)との接着がはがれる。そのまま圧縮空気を吹き込みながらグリップを手前に引いて外す。その際、巨大な屁のような音がする場合があるので、普段の近所付き合いは大切にしておく必要がある。ハンドルやスロットルチューブに残った接着剤をパーツクリーナーで落とした上で、セメダイン社製スーパーX接着材を使ってヒーター内蔵のグリップを取り付ける。ちなみに高価なグリップヒーター専用接着剤の代わりにスーパーXを使う方法はかなりポピュラーなようである。グリップから出ているケーブルの方向決めは取り付け説明書に従うが、右ハンドルのスロットルの方は回転するのでケーブルの向きは重要である。1400GTR標準のグリップ長は125mmであり、このグリップヒーターは5mm短いので取り付けると隙間ができる。その隙間は1400GTR Owner’s ClubのMさんを真似て、ホームセンターで売っているスポンジカバーを輪切り(パイプを通すと切り易い)にしてはめた。 コントローラー部はFTM-10Sの取り付けステーにアルミL字アングルをボルト止めで追加してステーとし、コントローラーをブチルゴム両面テープで貼り付けた。コントローラーから出ているハーネスは横方向に出ているが、取り回しの関係上これを下方向にしたかったので、コントローラーは90°横に寝かして貼り付けることにした。配線についてはホンダ社製バイク向け車種別ハーネス(別売り)は入手せず、コントローラーにつながっているハーネスのビニールテープを全部はがして一旦バラし、電線をはんだ付けして延長した上で再度ハーネスを組み上げ、それを左フェアリング内まで取りまわしてアクセサリー電源に接続した。このときヒューズも雨のかからない左フェアリング内に移設した。ひととおり取り付けが終了した時点でエンジンをかけ、スイッチを押してヒーターを入れてみる。100%の出力にするとすぐに素手では握っていられない程グリップが熱くなる。この時点ではグリップの接着剤がまだ乾燥していないので、そのまま走りだすとグリップが空回りしたり、すっぽ抜けたりして危険である。そこでグリップが固定されるまで一晩寝かせることにした。 翌日走り出してみると、グリップがノーマルに比べて太いのにかなりの違和感を覚えた。ただし太い分、微妙なアクセル操作にはプラスにはたらくような気もしないではない。この日は比較的暖かかったので、3シーズン用の革グローブを着用したが、100%出力では熱すぎて使用に堪えず、逆に20%出力ではほとんど熱を感じなかった。60%出力で少し熱めの良い感じであった。筆者は運転時、常にレバーに指をかけていないと落ち着かない性質なのだが、このようにすると当然のことながら掌が暖かいのに指が冷たい状態になる。1400GTRのグリップ回りの防風性はイマイチであるので、余計にそう感じるのかもしれず、その対策としてハンドガードを取り付けるとよいかもしれない。太いグリップによる違和感は取り付け後ひと月もすれば感じなくなった。年の瀬も近づき朝の気温が少しずつ下がるにつれ、通勤時のグリップヒーターのありがたみを感じるようになってきた。やはりやせ我慢していないでもっと早く付けるべきであった。 |
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Stebel Nautilus 模造品 | 取り付け位置 | 取り付け位置アップ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
前回取り付けたHKTのホーンだが、ホーンボタンを押しても片方のホーンが鳴らない事態にしばしば直面した。面倒なことに、一度鳴らなくなったホーンは自然に復旧することがなく、それを車両から外した上で後面のダイアフラム調整ネジを回し再び鳴るようにする必要があった。この現象が両方のホーンにかわるがわる発生し、しかも一向に落ち着く様子が見られないことから、このHKTのホーンを見限ることにした。このホーンはサイズ的に収まりがよく、音量・音質に関しても気に入っていただけに残念であるが、危険を回避するためのデバイスが危険時にその機能を発揮しないというのは、年金記録の管理を本業とする役所がそれを行わず、保険料を納めたにも関わらず年金が支払われないのと同じで、要するに使えない。 三度目に選んだホーンは伊Stebel社のNautilusというエアーホーンである。この製品は独BOSCH社にもOEM供給されていて、同社からはAir Majesticという製品名で販売されている。某オークションに長期在庫品として格安で出ていた、Stebel社製という触れ込みのものを落札したが、届いたモノをみると、オークションの写真に載っていた"Stebel Nautilus"というロゴが付いていない上、作りもなんとなく粗雑であり、どうやら模造品かサンプル品、あるいはパーツとしてStebel社が自動車メーカーに納めるためのモノらしい。大きさや造形に関しては、カタログに載っているものと同じであるが、筆者の経験では、オークションに載っていた写真とは違うものが送られてくることはかなりめずらしく、これはやはり取り外された純正ホーンがかけた呪いであると言わざるを得ない。教会に行くかシャナクを唱えてその呪いを解いてもよいが、しかし模造品ではあっても必要な時に鳴りさえすればよいので、気落ちせずに取り付けてみることにした。 エアーホーンはエアーコンプレッサーで発生させた圧縮空気をトランペット部に送り込んで音を鳴らす。電磁石でダイアフラムを振動させて音を出す電磁ホーンとは構造が異なる。その構造上、エアーホーンは電磁ホーンと比較するとサイズが大きくなりがちであるが、このエアーホーンはエアーコンプレッサーとトランペットが一体化されていて比較的コンパクトであるという。取付説明書には、このホーンのエアーコンプレッサーは垂直に立てて動作させないと寿命が著しく短くなると記載されている。だが1400GTRの標準的なホーン取り付け位置である、ステアリングブラケット下部にこのホーンを立てて取り付けることなど不可能である。このエアホーンのバリエーションに、サイズがもう一回り小さいNautilus Compactという製品があり、それを1400GTRの左側サイドカウリング内部に収めた事例がZG/GTR fanatics forumに紹介されていた。それを参考に左側サイドカウリング内でこのホーンが収まる位置を探すが、やはりNautilus Compactより一回り大きいことが災いして、どの方向に向けても微妙に収まりきらない。 そこで奥の手として、エアーコンプレッサーとトランペット部を分離して別々に取り付け、その間をホースで結ぶことにした。そうすればエアーコンプレッサー取り付け位置の選択肢が増えるので、それを立てて固定することができる場所が見つかるかもしれない。試行錯誤の結果、エアーコンプレッサーを左側センターカウリング内部に、トランペットは左側サイドカウリング内部に取り付けることができた。エアーコンプレッサーとトランペットはホース・ジョイント・ホースクランプ等を使って接続した。このような接続方法では、ホーンボタンを押してからホーンが鳴り始めるまでにタイムラグが生じる可能性があるが、両者が一体で収まる位置が見つからない以上仕方がない。電気的配線はHKTホーンを取り付けたときに行った配線を流用した。このエアーコンプレッサーには作動時に18Aもの電流が流れるので、リレーを介したバッテリー直の電源供給が必須である。 12V/18Aを供給できる電源を持ち合わせていないので、取り付け前に室内でホーンの動作テストを行うことができなかった。この模造品と思しきあやしいホーンが本当に鳴るかどうかは、車体に取り付けてから確認することになったが、仮取り付け後、ホーンボタンを押すとあっけなく鳴ってくれた。音量は少なくとも以前取り付けていたHKTの電磁ホーンよりかなり大きい。音質も陽気なイタリアンという感じで、バイクのホーンらしくなく押し出しが強くてとても良い。ホーンボタンを押してからホーンが鳴り始めるまでのタイムラグはないに等しく問題はなかった。ただし消費電力が非常に大きい(200W超)ので、みだりにならすとバッテリーに高い負荷をかけてしまうと思われる。実際、コンプレッサーが動作している間はフォグランプが暗くなるのがわかる。もしこのエアーホーンも近い将来壊れるとすれば、これはもう呪いというよりホーンは換えるなとのカミのお告げに違いなく、その場合は素直に純正ホーンに戻すことにしたい。 |
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オーストリアからご到着 | ノーマルマフラー体重測定 | Leo Vinceマフラー | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1400GTRの異様に長いノーマルマフラーを車外品に換えることにした。交換の最大の理由は、筆者の自宅ガレージの駐車場所では、その長いノーマルマフラーの後端部がガレージの柱に干渉しがちで、毎日の駐車時にかなりに気を使うことになっていたからである。納車後丸二年を目前にして、マフラーが柱にぶつかった傷跡も増えてきており、このままではリセール時の査定にも影響を及ぼしかねない。そこでアフターマーケットに出まわっているマフラーの中で、長さが一番が短かそうな、イタリアはLeo Vince社製のスリップオンマフラーを取り付けてみることにした。長さが一番短いだけあって値段も一番安いのも購入する大きな動機になった。 ヨーロッパからの個人輸入をサポートするユーロネットダイレクト社(正確にはオーストリアにあるユーロイーコムトレーディング社)に注文を出して、約1ヵ月強かかってモノが届いた。届いたのは「SBK Standard-mount Factory E-approved Evo II slip-on Titanium (8113)」という長ったらしい名前の、要するにエキパイはノーマルをそのまま使うチタン製スリップオンサイレンサーである。購入金額は送料込みの邦貨で73,200円をクレジットカードで決済し、通関費用と国内消費税としてさらに2,500円を配達員に支払った。それでも国内のLeo Vince輸入代理店サインハウス経由で購入するより、少なくとも30k円は安くに入手できたことになる。Leo Vinceのマフラーは1400GTR Owner’s Club内では、最初のマフラーになるはずだったのだが、納期が遅れるうちにクラブの若者BF氏に先を越されてしまった。 <2009年12月追記> 1400GTR Owner’s Club最初のLeo Vince取り付けは、栃木県在住の若者NH氏である旨ご本人から指摘と抗議を受けたので、ここにお詫びして訂正させていただく。ごめんなちゃいね〜。 取り付けは、まずサクサクとノーマルマフラーを外し、足かけ2年の汚れをぬぐった上、カミサンに気付かれないうちに屋根裏収納に収まっていただくことにした。仕舞う前に体脂肪計付き体重計でその重さを量ってみたところ、実測約9.2kgであった。なぜか体脂肪率は計測不能であった。蛇足だが近い将来カミサンが屋根裏でマフラーを見つけた際に上げる雄叫びは、短く鋭い「なにこれっ!」であると予想される。次に購入したLeo Vince製マフラーを取り付ける。この重さを計るのは忘れたが、カタログスペックによれば3kg強であるので、差し引き6kg程度の軽量化を果たしたことになる。フィッティングはさすがにイタリア製品だけあって、かなりの力技で定位置に収める必要があった。特に、サイレンサーを留めるカーボン製のバンドは、右タンデムステップブラケットに留めるが、ノーマルのスペーサー(11065, CAP)を取り付けたままではサイレンサーが外側に傾いてしまうので、それを取り外して取り付ることになった。 このマフラーから出る音は、バッフルを入れていても低音が強調されてかなりウルサい。前述のBF氏はノーマルと変わらないというが、どう贔屓目にみても、あるいは年寄りのデリケートな感受性からみると、ノーマルよりウルサいのはたぶん間違いない。マフラー交換による6kg程度の軽量化は、300kgを超える装備重量のバイクに対してあまり影響を与えない。少なくも筆者には、ガソリンが満タンと空のときの違いの方が大きい。エンジンの出力特性については、街中を走る分にはあまり変化は感じられない。バッフルは入れたままであるが、低速トルクにも特に変化はなく、発進しにくく(あるいはし易く)なったなどの変化は感じられなかった。ただしこのマフラーを付けてドイツのアウトバーンを走ってみたところ、そのような場所で常用するような回転域でのレスポンスは確実に上がっていることが感じられた。要するに筆者にとって恩恵があったのは、駐車時にマフラーの後端部がガレージの柱に干渉しづらくなったことだけである。 ルックスは個人の好みによるところが大きいが、筆者にとってはノーマルマフラーの重そうなイメージから、かなり短いサイレンサーによる軽快なイメージへの変化は悪くないと思っている。チタンサイレンサーの鈍い輝きもなかなか渋くて年寄り好みである。パニアケースとのクリアランスも十分で、パニアケースに断熱材を貼り付ける必要はなさそうである。ただし1400GTR全体の重厚な感じからするとマフラーだけがかなり小さく、ノーマルマフラーを見慣れた目には少々アンバランスな感じがしなくもない。マフラーを換装すること自体が目的であった若い頃と比べて、特に性能やメーカーにこだわることもなく、単に短いサイレンサーの必要に迫られてマフラーを換えてみたのだが、当初の目的を達成できて満足である。F隊長に「コレ安物?」と言われても気にする必要などないのである。 |
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Rostraクルコン本体 | スロットルプーリー部分 | コントロールスイッチ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ヘッドライト/フォグランプ | クルコンメイン/クルーズモード | 全消灯/全点灯 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ヘッドライト/フォグランプ SW | スロットルプーリー部分(変更後) | アウターワイヤー固定部分 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
米国Rostra Precision Controls社の電気式クルーズコントロール(250-1223)を導入することにした。これはアフターマーケット向けの四輪車用クルーズコントロールで、ZG/GTR fanatics forum内でConcours14に取り付けたことが紹介されている。クルーズコントロールを装備すれば、高速道路を利用した長距離ツーリングの疲労度を軽減するのに有効である。また、マスツーリングの先頭で集団を引っ張るときに、一定速度を維持するのにも有用であろう。そこで、このクルーズコントロールを米国Murphs' Kit社から購入して自車に取り付けてみることにした。同社で販売しているキットには、クルーズコントロール本体の他にコントロールスイッチやリレー等、取り付けに必要な部材一式がセットされている。Murphs'
Kit社のPatty Murphy氏はZG/GTR fanatics forumの常連であり、このクルーズコントロールの記事を見て、必要な部材一式をセットにしたキットを売り出したらしい。キットの価格は205米ドルで、他の米国サイトと比較してもリーズナブルである。ただし米国(ケンタッキー州)からの輸入になるので、送料として別に60米ドルかかる。それでも国内のディストリビューターから購入するよりも一万円程度は安く入手することができた。注文から品物の到着までは約10日ほどかかった。蛇足だが前述のPatty Murphy氏は、幼少の頃軍医だった父と一緒に横浜で暮らしたことがあるらしい。 このクルーズコントロールのしくみは、弁当箱(ドカベン)大のクルーズコントロール本体から伸びているワイヤーをインジェクションボディーのスロットルプーリー(以下プーリー)に結び付け、クルーズコントロール本体に内蔵されたアクチュエータがそのワイヤーを引っ張ったり緩めたりすることでプーリーを回しストッロルを操作して速度を調整するというものである。クルーズコントロールは車速パルスで車速をモニターしており、設定した速度より遅くなればアクチュエーターがワイヤーを引っ張り加速、速くなれば緩めて減速し設定速度を維持する。クルーズモード中にクラッチを握るかブレーキをかければ即座にクルーズモードは解除され、アクチュエーターはワイヤーを緩めエンジンはアイドル回転に戻る。もちろんコントロールスイッチでもクルーズモードを解除できる。 1400GTRへの取り付けは、クルーズコントロール本体を左フロントミドルフェアリング内に収め、ワイヤーをインジェクションボディー左側まで取りまわし、プーリーにワイヤーの先端を取り付ける。プーリー付近のワイヤーの取り回しは、まわりの構造物に引っかからないように考慮しておかないと、最悪スロットルが戻らないという事態を招くので注意が必要である。アウターワイヤー先端の固定位置は、開側スロットルアウターワイヤーの固定位置の横にした。この位置にすれば元々そこにあるスロットルアウターワイヤーの固定金具を利用できる。このワイヤーの取り回し方法ではワイヤーはプーリーの溝に収まることになる。だが、このクルーズコントロールは四輪車向けであるので、バイクより直径の大きな四輪車用のプーリーを想定して作られており、それがバイクの小さなプーリーを回すとスロットルの動きが速くなり、結果的にクルーズコントロールによる速度の維持がうまくいかない可能性がある。 電気的配線としては、まずメイン電源を左フェアリング配線ブーツ内のアクセサリー電源から取る。さらに同じ配線ブーツ内にあるクラッチスイッチの2次側を分岐してクルーズコントロール本体に入力する。これはクラッチを握った時にクルーズモードを解除するトリガーとなる。右側フェアリング内配線ブーツからは、ブレーキスイッチの1次側と2次側(前後ブレーキ共通)をそれぞれ分岐して入力する。1次側はコントロールスイッチの電源となり、2次側はブレーキをかけたときにクルーズモードを解除するトリガーとなる。ここで注意が必要なのは、この2次側はブレーキをかけていない時にはアースに落ちている必要があり、さもないとシステムは安全の為クルーズモードに入らないようになっている。1400GTRのブレーキランプはLEDであり、通常のバルブのように2次側はアースに落ちない。これを解決するにはMurphs' Kit社のキットに含まれているリレーを使う。具体的にはリレーのB接点を利用して、ブレーキをかけていない時にクルーズコントロールに強制的にアースを供給してやる。車速パルスはドライブシャフトの付け根付近にある車速センサーから分岐して入力する。すべてのアースはノイズによるクルーズコントロールの誤動作を防ぐ目的でバッテリーから直接引いた。 右手でアクセルを保持したままコントロールスイッチを操作してクルーズモードに入るためには、それを左ハンドルに取り付けた方が都合がよい。そこで、地価の高い左ハンドルに鎮座するヘッドライトスイッチをメーターパネル左下に移設することにした。走行中にヘッドライトをON/OFFすることは稀なので移設は問題ない。ヘッドライトスイッチは元々移設先にあったフォグランプスイッチと同じスイッチを使い、それと併設することで統一感が出て見栄えが良くなった。そしてヘッドライトスイッチの跡地に、アルミL字アングルでステーを作りコントロールスイッチを取り付けた。コントロールスイッチは四輪車の車内に取り付けることを想定しているので、液状ゴム塗料やエポキシ系接着剤、ホットボンド等を使ってスイッチ内部の基板に水が浸入しないようにしておいた。このコントロールスイッチには、クルーズコントロールメインパワーのON/OFFを示すLEDインジケータは内蔵されているが、肝心のクルーズモードを示すインジケータは内蔵されていない。そこでLEDを使ったパイロットランプボックスを自作してメーター左側に取り付ることにした。このパイロットランプボックスには、クルーズモードを示すインジケータの他にも、クルーズコントロールメインパワーのON/OFF(コントロールスイッチと重複)とヘッドライト・フォグランプの点灯/消灯を示すインジケータを取り付けた。さらにヘッドライトスイッチを移設することで押し出されたセキュリティーLEDインジケーターも収容した。 取り付けを完了した後、シルバーウィーク最終日の中央高速下り線でテストを行った。100km/h程度で走行してメインスイッチをONにし、自車のまわりにクルマがいなくなったところを見計らってSETボタンを押してみる。するとアクセルグリップが勝手に回ってクルーズコントロールが作動を開始した。ところがSETボタンを押したときの設定速度から上下約5km/h程度を行ったり来たり(オーバーシュート・アンダーシュート)してスムーズに一定の速度が維持されない。さらにその加減速もかなり激しく、しっかりニーグリップしていないとバイクから振り落とされそうになることもある。この挙動で体は前後に揺すられ、不快かつ危険であり、これでは全く実用にならないことがわかった。クルーズコントロール本体のディップスイッチは、あらかじめ挙動が一番穏やかになるセッティングにしてあるので、この挙動の原因は上で述べたようにプーリーが小さいことであろう。 クルーズコントロールのアクチュエーターが一定の速度でワイヤーを動かすとき、プーリー中心からワイヤーが取り付けられている位置までの距離(プーリーの回転半径)の違いでプーリーの回転速度は変化する。回転半径が小さければ、回転半径が大いときよりプーリーは速く回転するし、逆に回転半径が大きければプーリーは遅く回転する。プーリーが遅く回転すればプーリーと同軸に取り付けられているスロットルも遅く開閉し、結果的に速度の調整は穏やかに行われることになる。現在のセッティングでは、プーリーの回転半径は約13mmで、ワイヤーが約20mm動くとスロットルは全閉から全開(角度にして90°)になる。このクルーズコントロールのワイヤー可動範囲は41mmなので、スロットルを全閉から全開まで動かすのに、その可動範囲の半分しか使っていないことになる。実際にワイヤーの約半分(約21mm)は遊びとして緩ませてある。これをプーリーの回転半径を大きくして、全閉から全開まで動かすのに41mmのワイヤー可動範囲全部を使うようにすれば、スロットルの開閉速度は遅くなる。もしスロットルを全開にする(≒最高速付近でクルーズコントロールを使う)必要がなければ、さらにプーリーの回転半径を大きくして、さらにスロットルの開閉速度を遅くすれば、さらに穏やかな挙動で速度調整が行われることになるだろう。 プーリーの回転半径は大きくしたいが、プーリーは取り換えることを前提に作られていない。そこでプーリーに付いている突き出た腕の部分(ファーストアイドル機構のストッパー)を利用することにした。この腕の部分にワイヤーの先端を取り付ければプーリーの回転半径を大きくできる。実はこの部分を利用する方法は、既にZG/GTR fanatics forum内で一般的に行われていたのだが、筆者はあえて違う方法で取り付けてみたところ、うまくいかなかったというわけである。そしてどうせ腕を使うのであれば、アルミ板を利用して腕を延長して回転半径をさらに大きくし、さらに穏やかな挙動を追求してみることにした。一人乗りで平坦な高速道路を6速100km/hで巡航しているときのスロットル開度は1/4以下と思われるので、最大でも1/2程度スロットルが開けば登坂路でも100km/hを維持できると考え、ワイヤーがアクチュエーターによって最大(41mm)に引かれたとき、スロットルが全閉から約半分強まで開かれるようなセッティングとしてみた。このときのプーリーの回転半径は約50mmである。ラジエータリザーバータンク下側の固定ボルトと共締めするワンオフステーを製作して、アウターワイヤー先端を一番シリンダー後方に固定し、プーリーの腕をワイヤーで前方斜め下方向に引く。腕をワイヤーで直線的に引くときには、ワイヤーの全可動範囲(41mm)において、プーリーが常に回転できるようにアウターワイヤー先端の固定位置を決める必要がある。さもないとクルーズコントロールのアクチュエータに無理な力がかかることになる。 とある日曜日の早朝3時、ガレージから1400GTRを引き出しテスト走行に出かけた。東京ICから東名高速下り線に入り6速100km/hでクルーズモードに入れてみる。結果は満足できるもので、平坦路・登坂路・降坂路とも設定した速度をスムーズに維持する。平坦路から登坂路に差し掛かった時点で、数km/h程度速度が低下することがあるが、すぐにライダーが気付かないほどに加速して設定した速度に復帰する。同じ設定速度でもギアが5速だと、オーバーシュートやアンダーシュートが時々発生するが、その加減速は前回よりよほど穏やかである。いずれにせよ、筆者は高速道路上の100km/hクルーズ時に5速を使うことはないので問題はない。クルーズがあまりにも快適なので、気が付いたらドイツのアウトバーンまで走ってしまった。コレ幸いと徐々に設定速度を上げて、最速160km/hまでのクルーズを試してみたが全く問題はなかった。クルーズコントロールによるスロットル開度は最大で半分強程度のはずだが、登坂路を含めてこの速度でクルーズできれば、アウトバーンを時々使う筆者にとっても必要十分である。 再びクルーズコントロールを使ってドイツから厚木まで走り、小田原厚木道路で70km/h前後のクルーズを試してみた。このとき6速60km/hまで設定速度を低くすると、ときどきギクシャクした加減速が発生した。不快な程ではないが、オーバーシュートとアンダーシュートが発生している状況は実用的ではない。このクルーズコントロールによる設定速度維持の傾向としては、概ね走行抵抗が大きいとき(高い設定速度や登坂路など)にスムーズで、逆に走行抵抗が小さい時(低い設定速度や降坂路など)にスムーズでないような印象がある。ともあれ、110円のクルーズコントロールよりは高価に違いないが、265米ドルで十分実用になるクルーズコントロールを手に入れることができたのはとても幸運だったといえる。あのように大きなクルーズコントロール本体を、車体内部に収めてしまう1400GTRの懐の深さにはあらためて感心させられた。なお、スロットル周辺に手を加えるカスタムはかなりの危険が伴うので、同じようなことをされる方は、あくまでat your own riskで行われたい。 |
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PLANEX PL-FMT01 | シガープラグ撤去 | シート下に搭載 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
iPodやカーナビなどの外部音源をFTM-10Sにつなぐと、バイクに乗りながら音楽や音声案内を聞くことができる。筆者はツーリングの際、カーナビ(SONY社製NV-U2)のLine音声出力(ヘッドホン端子)をFTM-10SのLine音声入力に入れて、カーナビの音声案内またはカーナビに備わっているミュージックプレーヤーで音楽を聞いている。残念なことに、このカーナビはミュージックプレーヤーと音声案内を同時に使えない。ミュージックプレーヤーで音楽を鳴らしながら画面だけでルートナビゲーションを行うことは可能だが、音声案内がないと画面を見る機会が減るので、音楽を聞きながら無心で走っているときには、休憩を予定していたサービスエリアを通り過ごしてしまうことになる。 筆者は通勤や買い物で近所を走る際には、盗難を避けるためカーナビは外している。そのようなときにも好みの音楽をFTM-10S経由で聞きたければ、別にMP3プレーヤーを装備すればよい。その上でカーナビは音声案内専用にして、MP3プレーヤーの音楽とカーナビの音声案内をミキシングすると、それらを同時に聞くことができる。つまりHighway Starを聞きながらアツい走りになってしまっていても、音声案内の冷静な一声で現実に引き戻されることになり、サービスエリアを走り過ごしてしまうことを避けられるに違いない。このような利便性や快適性、さらには安全性の向上が見込めそうなので、新たにMP3プレーヤーを装備することにした。 購入するMP3プレーヤーは、シート下などの車体内部に取り付けたままにしておくために、外部電源で動作する必要がある。外部電源としてDC12Vが使えればDC-DCコンバーター等が不要で都合がよい。曲の更新を考慮すると、MP3プレーヤー内部のメモリーよりメモリーカードに入れた曲を再生できるものが望ましい。メモリーカードを複数用意しておき、曲の更新はメモリーカードを取り換えるだけにできれば手軽である。さらに欲を言えばMP3もWMAも再生できる方が何かと手間が省ける。このような条件を満たすMP3プレーヤーを探した結果、PLANEX社製PL-FMT01という製品を見つけた。この製品はMP3プレーヤーとFMトランスミッターが一体化したようなとてもユニークなもので、メモリーカード(SDおよびUSB)に入れたMP3/WMAファイルを再生することができる。再生された音楽はFM電波で飛ばされると同時にLine音声出力(ヘッドホン端子)にも出力される。車載用機器なので電源用のシガープラグを備えており、DC12Vが使用できる。まさに筆者の使用目的のために作られたような製品といっても過言ではない。 入手したPL-FMT01をシート下に設置を試みたところ、そのままでは収まりの良い位置がなく、PL-FMT01のサイズを小さくするためにシガープラグ部分を取り去ることにした。シガープラグ部分は可倒式ジョイントのネジを回せば簡単に外れる。電源はシガープラグを外して出てきた電源線に電源ノイズフィルターを経由したDC12Vを直接供給すればよい。4GBのSDHCメモリーカードにMP3とWMAを取り混ぜてPCからコピーしPL-FMT01に差し込むと自動的に再生が始まる。PL-FMT01のLine音声出力をFTM-10SのLine音声入力につないでFTM-10SのLine-inで聴いてみると、ノイズもなくキレイに音楽が聞こえる。音質はヘルメットに内蔵されている無線用スピーカーなのでそれなりだが、バイク乗車中の音楽としては必要にして十分である。ついでにFTM-10SのFMラジオでFMトランスミッター出力を聞いてみるが、こちらも問題なくよく聞こる。 カーナビ音声案内のLine音声出力は、ムック本に載っていた方法でFTM-10Sを改造し、外部スピーカー出力(PA)をLine入力に変更してそこに接続する。このようにすればカーナビの音声案内は |
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サイドミラーAssy・ホルダー | ステー・ケース・ブラケット | 基板・Flux LED取り付け | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
LED穴・基板ホットボンド固定 | テープ補強・ホルダー装着 | 点灯状態(クリックで動画) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
オレンジ色に光るLEDを使ってウィンカースルーミラーを製作することにした。これは鏡面ウィンカーとも呼ばれ、サイドミラーの内部にLEDを後ろ向きに装着し、LEDの光を鏡面を透して見せることで、補助的な方向指示器として機能させるものである。クルマ(4輪)ではカスタムパーツとして既に存在するが、筆者が調べた限り二輪用のものは見つからず、仮にあったとしてもマイナー車である1400GTR用のものはなかなかラインナップされないだろう。1400GTR用がなかなかラインナップされないということは、今ワンオフすれば他の1400GTRの機先を制することができる。ウィンカースルーミラーの構造自体は単純なものだし、今までLED工作にそれなりの投資をして経験を積んできた筆者としては、このワンオフをためらう理由はない。そこでLED関係パーツの価格がリーズナブルな上に出荷が迅速なaudio-Qで材料を仕入れて製作に取り掛かった。 製作にはサイドミラーAssyを分解する必要がある。まず車体からサイドミラーAssyを取り外し、ミラーステー下部のトルクスネジ3本を緩めミラーステーとミラーケースを分離する。ミラーがはめ込んであるミラーホルダーは、ミラーケース内のブラケットで保持されているので、ミラーとミラーケースの隙間からプラスドライバーを差し込み、ブラケットを固定しているプラスネジ3本を緩めてミラーケースとブラケットとを分離する。次にミラーを保持しているミラーホルダーをヒートガンで温め柔らかくしておいた上でミラーを取り外す。ミラーが外れるとミラーホルダーをブラケットに固定しているネジにアクセスできるので、そのネジを緩めてミラーホルダーとブラケットとを分離する。主な工作はこのミラーホルダーに穴をあけ、裏側にLEDを取り付けて配線を行うことである。 LEDはaudio-Qで特売品として出ていた1個あたり39円のFlux LEDを使用することにした。ユニバーサル基板にFlux LEDを「く」の字型に並べてみて鏡面に収まるサイズを探る。試行の結果「く」の字1個につき5個のFlux LEDを使うことにして、「く」の字は片側あたり2本にすることにした。つまり片側あたり10個のFlux LEDを使用する。ユニバーサル基板を「く」の字に切り抜きヤスリで整形した後、Flux LEDをホットボンドで仮止めする。鏡面はミラーAssyを車体に取り付けたとき少し内側を向くので、それを見越してFlux LEDは外側に少し角度をつけて固定する。Flux LEDの4つある端子のうち対角の2つを切断し、残った端子のうち1つのストッパーをニッパーで取り除く。こうしておけば、Flux LEDを基板の穴に差し込むと、ストッパーを取り除いた方は深く刺さるので自然に角度がつくことになる。Flux LEDは仮止め後はんだ付けし、基板裏側の配線を行ってから防水防錆処理(ハヤコート)を施しておいた。 出来上がったFlux LED付き基板をミラーホルダーの裏側に取り付ける。ミラーホルダーに10個の穴をあけ、その穴からFlux LEDの頭が見えるように基板の位置を調整してホットボンドで固定する。基板とミラーホルダーの隙間をホットボンドで埋めて防水処理を行った後、黒いガムテープで基板の裏側全体を覆いFlux LEDの光がミラーケース内部に漏れないようにしておいた。基板からの配線は、ミラーステー(ミラーケースとの接合部中心)にドリルで穴をあけて、ミラーケース内部からミラーステー内部を通しフェアエリング内部に出した。こうすれば配線が外から見えない。ミラー以外のパーツを元通りにして、最後にミラーホルダーをヒートガンで温めなからミラーをはめ込む。ミラーの裏面には紙のステッカーが貼ってあるので、ミラーをはめる前にミラーホルダーのLED穴にかかる部分をはがしておく。車体側の配線はフロントターンシグナルから配線を分岐し、フェアリングの内部でミラーから出した配線とつなぐ。 出来上がったウィンカースルーミラーを点灯してみたところ、鏡面のハーフミラーの度合が強いせいか、昼間は意識して見ないとLEDの点滅には気づきにくい。しかし夜間においては十分視認できるので、後方から接近する車両や歩行者に自車の右左折をアピールできるだろう。保安基準によれば車体側面には2対までの補助方向指示器を取り付けることができるので、1400GTRにつけたこのウィンカースルーミラーは合法であると考えられる。 |
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実施日: 2009/06/12 走行距離: 16,939km 請求費用: \20,129 項目: - 空気圧点検・調整 - ブレーキ点検 - 灯火類点検 - バッテリー点検 - エアーエレメント点検・清掃 - エンジン本体点検 - オイル・水・ガソリン漏れ点検 - エンジンオイル交換(WAKO'S TRIPLE-R 4.3L) - オイルエレメント交換 - その他点検・締付・調整 - 試乗 - リアブレーキリコール対策 - エンジンオイルドーピング(GRP 200cc) |
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実施日: 2009/06/06 走行距離: 16,841km 銘柄: ゴールデンパッド 68279(デイトナ) 旧パッド残厚: 1.0mm~1.1mm |
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リザーバータンクキャップ単体 | コックピットから | 前から | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1400GTR Owner’s Clubグッズに、またひとつ魅力的な製品が加わった。1400GTR用アルミ削り出しワンオフパーツに定評のある、愛知県のミヤゼット社が製造販売する「マスタータンクキャップ」である。これは左右のハンドルに取り付けられているNISSIN製ラジアルクラッチマスターおよびブレーキマスターのリザーバータンクキャップをリプレースするものである。ミヤゼット社のサイトには、手軽にハンドル廻りのイメージチェンジが行えるとある。アルミ削り出しアルマイト仕上げのこの製品には、いくつかのバリエーションがある。Type-1は上面がフラットなもので、Type-2はそこが肉抜き加工される。Type-1のフラットな面には、レーザー加工で任意のロゴを入れることができるオプションもある。アルマイトの色はブラック、レッド、ブルーまたはゴールドから好みのものを選ぶことができる。今回筆者がチョイスしたのは、左右ともType-1で1400GTR
Owner’s Clubロゴ(オナクラ限定品)を入れたブラックアルマイトとした。入手した製品の表面はスベスベで質感が高く、また1400GTR
Owner’s Clubロゴがプレミアム感を出している。取り付けてしまうと見えない裏面の仕上げもとてもキレイである。 製品を子細に観察してみて少し気になることがあった。それはノーマルのリザーバータンクキャップの裏側にある空気抜き用と思われる切り欠きが省略されていることである。この切り欠きはリザーバータンク内のダイヤフラムの上側(フルードと接していない側)の空気を大気圧に保つためにあると考えられる。例えば、ブレーキパッドが摩耗するとキャリパーのピストンがせり出すので、フルードはキャリパー側に移動しリザーバータンク内のフルードレベルが下がるが、ダイヤフラムの上側に空気が入らないとそこが負圧となり、ブレーキレバーを離したときにフルードがリザーバータンク内に戻る可能性がある。そうなるとブレーキパッドの摩耗が進むに従って、ブレーキレバーを握り始めてからブレーキがかかり始めるまでのレバー操作量が増加する可能性がある。あるいは熱でダイヤフラムの上側の空気が膨張した時に空気の逃げ場がないと、膨張した空気はダイヤフラムを押すことになり、ブレーキの引きずりの原因になる可能性もある。自分でルーターを使って切り欠きを作ってもよいが、新品のパーツに傷をつけるのも何だし、ダイヤフラムセットプレートとリザーバータンクキャップの隙間から空気が出入りする可能性もあるので、しばらくこのまま使って様子を見ることにした。 リザーバータンクキャップの交換作業は、片側3個の皿ビスでとめてあるノーマルのキャップと取り換えるだけである。筆者の車両は納車から一度もフルード(フロントブレーキ・クラッチ共)を交換していなかったので、キャップ交換のついでにリアブレーキも含めてすべて交換した。フルードラインが長いABS付きの車両では、フルード交換時になかなかエアが抜けず、泣きたくなる場合がある。筆者はフルードの交換の際、まず古いフルードをリザーバータンクから直接注射器などで抜き取り、ホース内には古いフルードを残しておく。次にリザーバータンクをピンセットとティッシュで清掃した後、リザーバータンクに新しいフルードを注ぎ足しながら、ブレーキキャリパー(またはクラッチスレーブシリンダー)のブリーダーバルブからきれいなフルードがでてくるまでフルードを抜く。こうすればエア抜きが省略できる。この方法でフルードを交換する場合、新旧フルードの銘柄は同一にした方がよいことは言うまでもない。 取り付けたリザーバータンクキャップのコックピットからの眺めは、色がブラックなのでイメチェンというほどではないが、高い質感と1400GTR Owner’s Clubロゴがイイ感じにカスタム感を出している。取り付ける前の単体のときにはそう思わなかったのだが、車体に取り付けてみるとロゴが少々マンガチックな感じがしなくもない。いっそピカチュウとピーポくん(音出ます)の絵でも入れてもらった方が、息子と講習会ヲタクにウケがよかったかもしれない。クラッチフルードを換えたせいか、クラッチレバーの動きがスムーズになった。リザーバータンクキャップを換えたからといって便利になるわけでも、加速が良くなるわけでもないが、質感重視の盆栽カスタムとしてはかなりイイ線をいっているのではないかと思う。ついでにレバーも質感の高い削り出し製品に換えたくなってくるので、おこづかいはいくらあっても足りないのである。 |
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CATZ XSL ドライビングランプ | マウント方法・スイッチ | 点灯状態 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1400GTR Owner’s Club内のセレブ度では一二を争うS氏の1400GTRには、米国Motolight社製のドライビングランプが装着されている。フロントフェンダーの両側に装着されたそのドライビングランプが放つ鋭い光線は、自らの視界の確保に役立つだけでなく、前方を走行する他車へ自車の存在を大きくアピールする。これは二輪車にとってとても重要な、被視認性を向上させる効果的なアイテムとなりうる。実際そのドライビングランプを点灯したS氏の前を走ると、背中にプレッシャーを感じることになる。S氏がセレブということとも相まって、貧乏な筆者は「さぁさどうぞ先にお通り下さいませお代官さまへへっ」などとつい卑屈になってしまう。そこで気分だけでもセレブになってみようと、このアイデアを拝借することにした。 Motolight社のWebサイトでS氏が装着しているドライビングランプの値段を調べてみたところ、とても一般ピープルが手を出せるようなシロモノではなかった。そこで国内で流通していて、かつ安価に入手できるドライビングランプを調べてみたところ、FET社のCATZ XSLという製品が大きさもMotolight社のものに近く、出力も50Wでそこそこ実用になりそうなことがわかった。価格は半月ほど昼食を抜けばなんとか一般ピープルにも入手可能な範囲である。早速楽天でポチっておいたところ、待たされることもなく数日で入手することができた。あまり売れていないのだろうか?この製品は光線の色にいくつかのバリエーションがあるが、今回は一番標準的なホワイト(CZLBR1)にしておいた。単に一番明るそうだったからである。 取り付けは最終的にかなり説明書とは違うものになった。製品の中にはドライビングランプをマウントする樹脂製のステーが同梱されているが、そのステーの車体側への取り付けは、広い平面に貼り付けることを前提としたものなのでバイクには向かない。 そこでステーを使うことはあきらめ、アルミ製カラーとボルトを組み合わせて、ドライビングランプをフロントフェンダーがネジ留めされている部分に共締めして固定することにした。結果、画像のようにかなりシンプルにドライビングランプを固定することができた。光軸の調整もキャップボルトを緩めるだけで簡単に行える。組み合わせたカラーとボルトの仕様は以下のとおりである: 【キタコ製アルミスペーサーカラーM6用】 - 内側:外径 18Φ/厚さ 5mm (品番:0900-093-01026) - 中間:外径 13Φ/厚さ 20mm (品番:0900-093-00042) - 外側:外径 13Φ/厚さ 10mm (品番:0900-093-00008) (外側用カラーはドライビングランプの2つのブラケット間に入れるが、0.4mm程度長さが足りなかったので、薄いナイロンワッシャーを挟んだ) 【NAPSバラ売りボルト】 - M6ステンレスキャップボルト(首下60mm ) この製品には電波でドライビングランプの点灯・消灯をコントロールするためのリモコン送信機、およびリレーを内蔵する受信機が付属されている。今回はこれら四輪車用の重い装置は使用しないで、自前のスイッチとリレーでドライビングランプをコントロールすることにした。電源はバッテリーから直接15Aのフューズを経由して取り、それを自前のリレー(エーモン 1245/20A)のA接点を経由させてドライビングランプにつないでおく。ゆえにこのリレーを動作させればドライビングランプが点くことになる。リレーを動作させる電源は、ヘッドライトリレーを動作させる電源を分岐して使う。こうしておけば、ヘッドライトと同様に、イグニッションをONした後セルモーターボタンを押して離すまでドライビングランプは点灯せず、バッテリーの負担を軽減できる。自前のスイッチ(日開 M-2012W)は、リレーへの電源を入り切りできる位置に割り込ませておく。そうすればドライビングランプの点灯・消灯をヘッドライトから独立してコントロールできる。 こうして取り付けた一般ピープル仕様のドライビングランプだが、運転席から見ると道路が明るく照らされるようなり、ヘッドライトだけを点灯した時と比較すると、夜間かなり走りやすくなった。だが、ダイクロバルブを採用しているせいか、上方向への光線をカットすることは考慮されていないようで、ドライビングランプのハウジングを水平より下に向けても、比較的高い位置にある道路標識が明るく照らされる。前車へのアピール度は高いが、夜間長時間後ろにつくと迷惑がられる可能性があるかもしれない。今年の春の全国交通安全週間期間中に、六本木通りの辻々に立っているオマワリサンにメンチを立て続けに切られたのは、このことと何か関係があるのだろうか。他にはドライビングランプの色温度がホワイトというにはかなり低いようで、色温度6000KのHIDヘッドライトとの差が、あきらめがつくほど大きく、すぐにあきらめがついた。 ひとときのセレブ気分を味える、魔法のドライビングランプをあなたの愛車にもいかがだろう? |
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HKT 105's クローム | 取り付け状態 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2008年6月に取り付けたXJR用ダブルホーンを10ヶ月ほど使ってきたが、イマイチ音質がショボイと感じるようになった。バイク用のホーンなので小型軽量なのは良いのだが、やはり鳴らしたときに音質的にバイクだと悟られてしまう。黄色い線を跨いで筆者の前に車線変更する違法な四輪車に対して、「俺様の前に割り込むんじゃねえこのクソ野郎」的にホーンを鳴らしても、そのショボイ音質では 警告効果の高い音質を得たいとは言うものの、スペースの限られたバイクに装着可能なホーンは限られている。音質的に押しが強いのは、いわゆるベンツホーンと呼ばれる音の響きが大きいものである。そこで今回は四輪車用のベンツホーンで小型のものを探すことにした。いくつか候補はあったが、最終的にHKT社の105’s クロームという製品を調達した。直径105mmという小型サイズの割には、同社のHP上で視聴したホーンの音がバイクバイクしていなかったからというのがこの製品に決めた理由である。購入価格は1,780円という安価なもので、前回ヤフオクで落札したXJR用ダブルホーンの半額程度であり、これで実際の音が気に入れば良い買い物をしたことになる。 取り付けはXJR用ダブルホーンと同じ位置に、ノーマルのホーンステーを利用して固定した。このホーンはXJR用ホーンより外径がひと回り大きいが、ハンドルを左右に切ってもなんとかラジエータコアに干渉しない位置に収めることができた。厚みも少し大きいが、フロントフルボトム時のフェンダーとの干渉はおそらく大丈夫だろう。電源は新たにバッテリーから直接引いた。最初からできるだけのことをやっておけば、事故に遭ってしまったときに後悔のネタをひとつ減らすことができる。取り付けを完了し早速鳴らしてみたところ、音量は十分だが音質はやや軽めな感じを受けた。だが、以前のようないかにもバイクのホーンといった感じはなく、鳴らしたときにバイクだと悟られて聞こえないフリをされることは少なくなるに違いない。 |
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AS568-320 Oリング | 自転車用グリップ | クルコンOFF/ON状態 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
新しい改造ネタ探しに海外のBBSを見ていていたところ面白いものを見つけた。そのアイデアは、ゴム製Oリングを利用してアクセルを固定し、クルーズコントロールの代わりとするものである。Oリングをアクセルグリップとバーエンドの隙間にはめ、アクセルグリップにフリクションを与えて戻りを抑制するのである。実はこのアイデアは古くからあるようで、これに使用されているキャタピラー社製Oリングの型番である”8M-4991”をググルと、いろいろなバイクで使用されていることがわかる。野球で痛めた右肘の影響か、筆者は高速道路を長時間走行すると右手が痺れることがよくあり、運悪くそのような状態のときに危険回避機動を行うハメになると、命綱のフロントブレーキが確実に使えず、『さよなら〜』してしまうリスクが高い。そこで筆者もこのアイデアを借用し、高速道路走行中に右手をリラックスさせてみることにした。 米国キャタピラー社製のOリング8M-4991を入手すべく、その日本法人らしきキャタピラージャパン社のWebサイトをみたところ、重機屋らしくかなり大味で、Oリングようなコマいパーツを入手するには、まずパワーショベルを買ってからの方が良さそうである。そこで8M-4991のサイズを調べ、それに近いサイズの国産のOリングを調達して代用してみることにした。インターネットで調査したところ、規格品のOリングで太さ5.33mm、内径27.94mmのAS568-320というものがあった。そこでこのOリングを東京都墨田区にある㈱東京機革という会社にお願いして入手した。入手したOリングの材質は1種A(NBR)という耐油性のものらしいが、それが何を意味するかは筆者にはわからない。価格は1個110円だったが、1個だけ注文するのも何なので、10個ほど大人買いしておいた。1400GTR Owner’s Club内で欲しい人がいれば高値で売りつければよい。 入手したOリングを、BBSに書いてあったようにアクセルグリップとバーエンドの隙間にはめてみたところ、それなりのフリクションが発生する。しかしはめた部分をよく見ると、Oリングはアクセルグリップとバーエンドの隙間に均一にはまり込んでおらず、一部だけが深くハマり込みあまり美しくない。そこで、その隙間に輪ゴムのようなものをあらかじめ先に奥まではめておき、その上からOリングをはめれば均一にはまり込むのではないかと考えた。はめたのは輪ゴムではなく、余っていた自転車のハンドルグリップ(内径22.2mm)を幅3mm程度に輪切りにしたものとした。バーエンドを外してハンドルグリップの輪切りをはめ、バーエンドを戻してOリングを上からはめてみたところ、今度は均一にはまり込んだ。その状態でアクセルをひねって手を離すと、アクセルが戻るか戻らないか程度のちょうどイイ感じのフリクションとなった。 先日開催された喜多方ラーメンツーリングで、このOリングクルーズコントロールを使ってみたところ、単騎高速道路巡行時に右手をアクセルから離してリラックスさせることができ、右手の痺れを回避することができた。わずか110円だが期待される効果は十分に発揮しているといっていい。だが、慣れの問題も含むいくつかの注意点もわかった。ひとつは、マスツーリングの高速道路巡航では思いのほかアクセルのON/OFFが要求されるので、フリクションがかかった状態では逆に右手が疲れるような気がする。また、Oリングがきつめなので、走行中にOリングをはめたり外したりすることが容易でない。そこでサービスエリアでOリングをはめてから走り出すのだが、本線への合流時にシフトアップでクラッチを切る際、意図的に手でアクセルを戻さないとエンジンを空ぶかしすることになる。もう少し使い込んでみると他のこともわかってくるかと思うが、現時点ではこの110円クルーズコントロールは、ロングツーリングにはかなり使える装備であるように思う。 |
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カワサキギアオイルGL-5 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
実施日: 2009/04/12 走行距離: 13,800km 銘柄: カワサキギアオイルGL-5 備考: GRP大さじ2杯添加 |
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8000kmで交換したフロントタイヤに比べるとかなり長持ちしたが、東京から琵琶湖までの往復ツーリングを最後に、走行距離13,500km時点ででOEM装着のリアタイヤ(BT-021)を交換することにした。残り溝はスリップサインまであと1mmぐらいで、まだ使おうと思えば1000kmはイケたかもしれないが、しばらく二輪車講習会からご無沙汰していたこともあり、通勤中心の使い方ではセンター部分のみが偏摩耗してプロファイルはかなり崩れていた。ただしタイヤ表面の荒れは少なく、8000kmで交換した際にかなり荒れていたフロントタイヤとは対照的である。 交換をお願いしたのは筆者の自宅にほど近い、バイクタイヤ専門店speedstarである。MCタイヤランドで交換すれば安く済むはずだったが、電話でリプレイスBT-021の在庫を確認したところ在庫切れということだった。speedstarにあらかじめ電話で在庫を確認し、リアタイヤだけを持ち込むことを伝え、例の如くリアタイヤをペロンと車体から外し、クルマに積んでspeedstarに持ち込んだ。店員はヘビメタ系のお兄さんぽい方だったが、手際よくBT-021の交換を済ませてくれた。タイヤ代や工賃は特に安いというわけではなかったが、ホイールに傷をつけられることもなく、短時間で作業を済ませてくれたので満足である。 交換後のインプレだが、溝が深い分雨天時の気持ち的な安心感は上がったのだが、筆者にはフロントタイヤを換えたときほど交換前との操縦性の違いはよくわからないというのが正直なところである。まだまだ修行が足りません。 |
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リアハガー取付状態 | 5mmオフセットスペーサー | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
前車ブラックバードでリアハガー(リアインナーフェンダー)の効用はわかっていた。雨天時にリアタイヤが跳ね上げる泥水はバイクのリアを容赦なく汚す。降雪以外はバイクを通勤に使う筆者にとって、バイクの汚れは可能な限り軽減したい。ライセンスプレートやリアキャリア・トップケース下面の泥汚れは、自作したリアロングフェンダーでほぼ解消されたが、それではリアサス周りの泥汚れは防げない。リアハガーを装備すれば、リアサスに直撃する泥水攻撃にとても有効なので、1400GTRが納車された当時から日本国内のCoerceやA-TECH社がリアハガーを開発して発売するのを心待ちにしていた。 昨年6月の時点で、国内のカーボン外装メーカーからリアハガー発売のアナウンスはなかったが、海外では英国Skidmarx社が既に1400GTR用のリアハガーを開発・販売していた。ZG/GTR fanatics forumユーザーグループでは、既にその製品を共同購入し評価していた。そのインプレは総じてポジティブなものであったので、筆者もSkidmarx社のリアハガーを個人で輸入してみようとSkidmarx社にメールで問い合わせを行ってみた。すぐに返答があり、その要旨としては、英国から日本への個人輸入では送料が本体価格より高いものになってしまうのでやめた方が良い(かなり親切)、日本国内のディストリビューターに輸入販売を依頼してみてはどうかということであった。だが筆者には国内ディストリビューターに知己はおらず、代わりに一度製品を購入したことのある台湾Projekt D社に販売を依頼してみることも頭をよぎったが、その時点ではあきらめることにした。 昨年12月になって1400GTR Owner’s ClubのBBSでリアハガーに関する話題が盛り上がった。そこでダメモトでProjekt D社に、Skidmarx社の1400GTR用リアハガーを販売することが可能かどうかをメールで問い合わせてみることにした。ところが、メールを出した翌日には返事があり、すでにSkidmarx社にコンタクトしたという。その後すぐに販売が可能との連絡があり、そして最初にメールで問い合わせをしてからわずか11日後に、販売価格や送料に関する連絡をもらうことができた。それらの価格は筆者的には十分に納得のいくものであったので、1400GTR Owner’s Clubで共同購入イベントを企画してみた。企画への参加者を募ったところ、自分も含めて28名の参加希望者があった。そして今年初めにProjekt D社に注文を出し、実際にはそれからSkidmarx社での量産が始まり、結局2月の末になって(たぶん)初めて日本国内のユーザーにSkidmarx社製1400GTR用リアハガーがデリバリーされた。 Skidmarx社のリアハガーにはグラスファイバー製とカーボンファイバー製がある。筆者はカーボンファイバー製を入手した。その製品の仕上げは特に可もなく不可もなく、造形としてはシンプルかつクリーンな感じで、特に奇を衒ったような部分もなく好感が持てた。ただし筆者の場合、取り付けには少しコツが必要であった。リアハガーは付属のブラケットを左右のスイングアームに取り付け、そのブラケットにボルトとナットで留めるが、左右のブラケット間の幅がリアハガーの幅より少し広い。結果的にリアハガーを左右に少し引っ張った状態でブラケットに固定することになり、油断するとリアハガーがねじれた状態で固定され、リアハガーとタイヤとのクリアランスが右側と左側で異なってしまう。 また、左側取り付け部のボルト・ナットとリアタイヤのクリアランスがかなり小さいという問題があった。走行中にどの程度タイヤが変形するのか筆者にはわからないが、見た目にはかなり危なげな極小クリアランスである。これは低頭ボルトを入手し、それを内側から入れてクリアランスを確保することとした。さらに、これは後で気づいたのだが、左スイングアーム内側のゴム製グロメットとリアハガーが干渉していることがわかった。これに対しては、左側ブラケットとリアハガーとの間に5mmのスペーサーを入れることで対処した。これは結果的に左右のブラケット間の距離を縮めることとなり、リアハガーのねじれを引き起こす要因を緩和して、リアハガーとタイヤとのクリアランスの調整を容易にする方向にはたらいた。 実際の効用であるリアサス付近の泥汚れの緩和については、リアハガーがタイヤを覆っていない部分からの泥はねがあるので、全く汚れないわけではないが、それにしても大幅に汚れが少なくなったのは間違いない。ルックスもかなりスポーティーになった(ただしパニアを着けているとほとんど見えない)ので、苦労して手に入れた甲斐があったと満足している。今回の共同購入の後、このリアハガーはProjekt D社の通常販売アイテムとなり、誰でも同社のWebサイトから購入することが可能となっている。ちなみに、Projekt D社を経営しているKris Yu氏は1400GTRのオーナーである。 |
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FTM-10S本体 | リレー・ノイズフィルター | FTM-10S操作パネル | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
アンテナ/アンテナ基台 | PTTスイッチ | ヘッドセット/PTTケーブル | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1400GTR Owner’s Clubで流行のFTM-10Sを導入することにした。FTM-10Sとはスタンダード社のアマチュア無線用トランシーバーのことである。アマチュア無線バンドの144MHz帯と430MHz帯に対応していて、送信出力はそれぞれ10Wと7W、AM/FMラジオの受信もでき、またiPodやカーナビからの音声出力を本体に入力すれば、音楽やナビゲーション音声をヘルメット内のスピーカーで聞くことができる。ラジオや音楽、またはナビゲーション音声を聞きながら、無線通信をキャッチすると自動的に受信モードに切り替わるAF DUALという便利な機能もついている。バイクに取り付けることを前提に防水仕様とされているので、雨が降ったときにあわててビニールを被せる必要もない。バイクで無線運用をするためによく考えられた製品である。 この無線機は本体と操作パネルとが別体になっていて、本体は車体内部に取り付け、操作パネルの方は乗車中に操作しやすい位置に取り付けることになる。無線の運用をするためには、箱に入っているものの他に、少なくともアンテナ、ヘッドセット、各種接続ケーブルなどが必要となる。有線ヘッドセットを使う場合は、FTM-10S本体とヘッドセットとをつなぐケーブルが必要である。Bluetoothヘッドセットを使う場合は、FTM-10S本体(または操作パネル)に内蔵するBluetoothユニット(BU-1)が必要となる。筆者は既にKTEL社製有線ヘッドセットを所有していたので、それを利用することにした。試行錯誤の末、最終的に筆者は下のパーツを入手して快適な無線運用環境を構築した。
機器の設置場所としては、1400GTR Owner's Club 内ではFTM-10S本体をシート下に設置しているメンバーが多いので、ここは敢えて違う場所に設置してみて、バリエーションのひとつとしてみることにした。シート下以外の外から見えない部分でFTM-10S本体が取り付けられそうな場所は、左右のフェアリング内(ハンドルグリップの下あたり)である。アンテナを車体後部のトップケース右横に設置するとして、入手した長さ2mのアンテナケーブルが届くのは右側のフェアリングなので、そこにFTM-10S本体をタイラップで固定することとした。右側フェアリングの中には他の装置も仕込んであるので、FTM-10S本体を設置するとかなり窮屈にはなるが、それでも手の平ほどもあるFTM-10Sを他の装備と共に飲み込んでしまう1400GTRは、やはり懐が深い。 操作パネルの設置場所は、走行中にバンド切り替えやボリューム調整を行うことがあるので、左手で操作でし易い左ハンドルスイッチボックス付近とした。操作パネルはプラスチック製であるにも関わらず、背面のボルト1本で固定されている関係で剛性が足りず、操作パネル上のボタンを押したときに操作パネル全体がぐらつく。そこで操作パネルを保持するブラケットを、アルミLアングル材を利用して操作パネルの横幅一杯の大きさで製作し、底面および背面にゴム板を貼り付けて操作パネルを支持するようにした。こうすればボタン類を押したときに操作パネルがぐらつくことがない。クラッチマスターシリンダーのハンドルクランプをデイトナ社製バックミラーステー(13326)に交換し、操作パネル保持ブラケットをM10の細目ボルトで固定した。 アンテナ基台は、リアキャリアを製作したときの6mm厚アルミ合金板の切れ端が残っていたので、それを適当な形にカットして穴を開け、缶スプレーで塗装して製作した。アンテナコネクター取り付け穴の直径が16mmもあるので、穴あけにはスパイラルステップドリルを入手したが、これが結構な値段だったので、出来合いのアンテナ基台を買った方が安上がりではあった。アンテナケーブルのアンテナコネクターは、アンテナ基台の下から入れて上からナットで留める。アンテナケーブルはきつく曲がらないように取りまわしてFTM-10S本体につなぐ。アンテナ本体はアンテナコネクターに手でねじ込むだけである。アンテナは上方向に引っ張ると下から10cmあたりのところでスポッと抜けて任意の方向に折り曲げることができる。筆者は車体カバーをかける習慣があるのでこれはとても助かる。 ヘッドセットにつながるケーブルCT-M11は、右側フェアリング内に設置したFTM-10S本体のマイク端子に接続し、反対側は燃料タンク上の小物入れの中に出す。こちらの端にはパーツで調達したメスのDINコネクター(5ピン)を取り付けておく。またこのDINコネクターの中に390KΩの抵抗器を2個内蔵してPTTスイッチへのケーブルを出し、その先端にオスのRCAコネクターを取り付けておく。これはつまりKTEL社のKT032-M10を自作したということになる。PTTスイッチは防水仕様のトグルスイッチに2芯ケーブルをハンダ付けし、ケーブルの反対側にはメスのRCAコネクターを取り付けておく。それを左ハンドルグリップから燃料タンク上の小物入れまで引きまわして、オスのRCAコネクターと接続する。小物入れの中のDINコネクターとヘルメットのヘッドセッドのDINコネクターとの中継は、ヤフオクで仕入れた5芯のカールコードの両端にオスとメスのDINコネクター(5ピン)を取り付けたもので行う。 外部音源(iPod/カーナビ等)をFTM-10S本体の入力端子に接続すれば、その音源をFTM-10Sを介してヘッドセットで聞くことができる。そこで既に導入しているソニー社のカーナビNV-U2の音声出力をFTM-10S本体の入力端子につなぐことにした。こうすればNV-U2のナビゲーション音声案内とMP3プレイヤーの音楽がFTM-10S経由で聞ける。接続はFTM-10Sに付属しているSP/LINE-IN分岐ケーブルをFTM-10S本体に取り付け、分岐ケーブルのステレオジャックとNV-U2側のヘッドホンジャックを3.5mmのステレオプラグでつなげばよい。ところがNV-U2の音声をFTM-10Sを介してヘッドセットで聞くと、エンジンがかかっているときにはかなりひどいオルタネーターノイズが混入した。これはFTM-10SとNV-U2の電源を、バッテリーから電源ノイズフィルター(ナテック NF-5)経由で供給することでほぼ解消された。さらにNV-U2からFTM-10Sへの音声入力ラインに自作のラインノイズフィルターを入れることによりノイズは完全に解消された。バッテリーからの電源のプラス側は、エーモン社のコンパクトリレーのA接点を経由させ、リレーはアクセサリー電源で駆動するようにした。こうしておけばFTM-10SとNV-U2の電源がイグニッションに連動する。 上のようにして1400GTRに取り付けた"アマチュア無線設備"を運用するには2種類の免許が必要である。ひとつはアマチュア無線技士免許である。筆者は今までアマチュア無線にはまったく興味がなく、アマチュア無線技士免許を取得することなど考えたこともなかったが、これを機に取得してみることにした。幸い筆者の住む東京は、毎月アマチュア無線技士免許の国家試験が開催されていたので、職場近くの本屋に置いてあった「第4級ハム教室・これ1冊で必ず合格」と書かれた本を買い、数日必死で覚え、直近の試験を受けて第四級アマチュア無線技士免許試験に首尾よく合格した。もう一つの免許は無線局免許状と呼ばれるもので、発射する電波の型式や周波数、空中線電力(出力)や識別符号(コールサイン)などが記されているものである。先に取得したアマチュア無線技士免許の情報とFTM-10Sの仕様に関する情報を総務省のHP上に入力して申請すると、数週間の後免許状が交付された。この免許の有効期限内には年額300円(2009年1月現在)の電波利用料を収める必要がある。 実際に1400GTR Owner's Clubのツーリングで無線機を使用してみたところ、とても便利かつ安全なツーリングの役に立つことがわかった。大人数でのツーリングでは信号等で車列が分断されてしまうが、そのようなときに無線で連絡を取り合えば、先行する集団は後続を待つ必要がなく、集団で停止することで周囲の交通を乱し事故を誘発するリスクを減らすことができる。無線機を積んでいれば、バイクの故障も即座に伝達できるし、走りながら目的地の変更を伝えることもできる。先行車から後続車に対して路面状況の変化や対向車の有無等も伝えることができる。高速道路ではガス補給やトイレの要請を他車に伝えられるし、停まる必要のない車両は先のSA/PAで待つこともできる。また走行中に得た感動や忍び寄る脅威を即座に他車に伝えることができるのも大きな効用ではないかと思う。マスツーリングで一度でも無線の便利さを知ってしまうと、もう元には戻れないものがある。 |
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