KAWASAKI 1400GTR 2008 | ||||||||||||||||||||||||
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ノーマル然とした車検仕様 | 新しい車検証 | 新しい検査標章 | ||||||||||||||||||||||
早いもので1400GTRの納車から3年が経ち、1回目の車検(継続検査)を受けることになった。筆者は過去にバイクで3回(クルマで1回)ユーザー車検を行ったことがあり、今回もランニングコスト節減のため自分で車検を受けることにした。バイク屋に車検一式を任せると、点検に3万円、車検代行に1.5万円、それに法定費用(重量税・自賠責・検査料等)に2万円と計6.5万円コースとなる。自分で点検記録簿に従って点検を行い、必要に応じて調整や消耗部品を交換した上で車検場に持ち込めば、消耗品代と法定費用だけで済む。今回車検前に交換した消耗品は、リアブレーキバッドとブレーキフルード、それにファイナルギアオイルである。消耗品はバイク屋で交換しても別料金なので、上以外に今回のユーザー車検で掛かった費用は下のとおり計\22,220であった。
検査に合格するには、排ガスと騒音、車体サイズ、灯火などのポイントを押さえる必要がある。排ガスと騒音検査合格のポイントはマフラーである。筆者の1400GTRは今年4月以降生産(通関)車から適用された「消音器に関する新規制」対象車両ではないので、検査に合格するには必ずしもノーマルマフラーか政府認証マフラーである必要はない。筆者の車両はエキパイ集合部に触媒が内蔵されているので、装着しているLeo Vinceスリップオンマフラーでも排ガス検査(平成11年度規制)に合格できる可能性はある。しかし騒音検査(平成13年度規制、94dB)に合格するかは微妙である。サラリーマンが有給休暇を利用して行うユーザー車検は、一発で合格するよう手堅く行う必要がある。そこで屋根裏収納からノーマルマフラーにお出ましいただき、スリップオンマフラーと選手交代してもらった。久々にノーマルマフラーで走ると、Leo Vinceより低速トルクが出ていることに気がついた。 車体サイズには注意する必要がある。ハンドル幅が車検証(自動車検査証)の幅として記載されている車両の場合、ハンドルバーを交換して幅が2cm以上変化すると、構造変更検査が必要になる。筆者が以前経験した構造変更検査手続きはそれほど難しいものではなかったが、検査の有効期間は手続きの日から2年間(継続検査の場合は前有効期間満了の日から2年間)となるので、少し損をした気分になった。とまれ、筆者の1400GTRはパニアケース付きで初回登録を行ったようで、車検証上の幅は100cmとなっている。ハンドルはバーエンドウェイトを長めのものに交換してあり、ハンドル幅は広くなっているが、それでも余裕で100cm以内に収まるので問題はない。 車体から横方向に張り出すエンジンスライダーは指定部品扱いなので幅の検査に影響しないはずだが、Projekt D社製スライダーは簡単に外れるので一応取り外しておいた。一方GSG-Mototechnik社製スライダーは取り外しが面倒なのでそのままにした。V-Streamの大型スクリーンも指定部品扱いなので、高さの検査には影響しないはずだが、一度「花咲かG」で磨きたかったのでこの機会に取り外し、ノーマルスクリーンを取り付けておいた。クラウザーのトップケースも同様に指定部品扱いのはずだが、アンテナステーを取り外す際に、ついでにキャリア棚板をノーマルの樹脂製に取りかえてみた。久々にトップケースがついていない愛車をを見たが、とても軽快な印象でカッコいい。その他、ロングリアフェンダーやナンバープレートカバー、フォグランプも念の為取り外しておいた。 灯火については、ヘッドライトが常時点灯でなければならなので、ヘッドライトスイッチを機能しないようにした。バルブは中華製HIDに換えてあるが、色温度は4300Kなので色で検査に不合格となることはないだろう。ヘッドライト光軸は初めての継続検査でもあるので、車検当日、東京運輸支局向いの早川自動車で調整してもらった。驚いたことにヘッドライト光軸は両目共、上下方向・左右方向共にメーターが振り切れるほどズレていた。初年度登録時に調整されていなかった可能性もあるが、早川自動車のメカニックの話によれば、HIDは強い光を広範囲に照射するので、光軸検査機の違いによる判定のズレがあるという。ともあれ早川自動車でヘッドライト光軸調整を済ませ、ついでに自賠責にも加入して東京運輸支局に向かった。 東京運輸支局ではまず書類一式を20円で購入し、それをそのまま印紙購入窓口に出して印紙を貼ってもらう。代金の6,100円を支払い、別棟の受付窓口に移動する。受付窓口の書類記入コーナーには、懇切丁寧な書類の書き方見本がある。記入する内容は車検証と一般常識さえあればわかる簡単なもので、高いカネを払って代書屋に依頼するよう類(たぐい)のものではない。総走行距離を記入する必要があることを忘れていたので、一旦バイクに戻り確認することになったのは、数年に一度のユーザー車検ならではの儀式といったところであろう。受付窓口に書類一式をバインダーにはさんで提出しチェックを受ける。書類に問題がなければいよいよ検査ラインである。書類とともにバイクに戻り、再度ウィンカーとブレーキ灯をチェックして検査ラインに移動する。 検査ラインでは検査係員によりまず車台番号と原動機形式がチェックされる。次にエンジンをかけ、検査係員の出す指示どおりにヘッドライト(上向き・下向き)、方向指示器、ホーン、制動灯を操作して検査を受ける。その後一旦エンジンを停止し、検査係員がハンマーでネジの緩み等をチェックする。エンジンを再始動して前方に移動し、前輪をローラーに乗せてフロントブレーキのチェックを行う。ローラーが回り出すので、前方の表示器に「ブレーキをかける」と出たら思いっきりフロントブレーキレバーを握ればよい。それが済むと少し前方に移動して後輪をローラーに乗せ、ギヤをニュートラルにしてスピードメーター検査となる。ローラーが回り出しスピードメーターの針が動き出す。40km/hになったところでフットスイッチを離せばよい。次に同じ位置でリアブレーキチェックを行う。前方の表示器に「ブレーキをかける」と出たら思いっきりリアブレーキべダルを踏むが、バイクを左足だけで支えるのでとても不安定な姿勢を強いられる。ここまでは問題なしである。 次はヘッドライト光軸の検査である。前方に移動し所定の位置につくと、光軸検査機が右から出てきてバイクの前に移動してくる。検査係官が右側ヘッドライトをバインダーで隠し、左側ヘッドライト光軸の検査が始まった。約10秒程で前方の表示器に「●」が出て左側ヘッドライトはOKである。次に検査係官が左側ヘッドライトをバインダーで隠し右側ヘッドライト光軸検査が始める。しかしあっさり「×」が出てしまった。そのまま待っていると自動的に2回目の検査が始まり、そして今度は「●」が出て右側ヘッドライトもOKとなった。事前に調整してもらった甲斐があり、最大の難関が再検査にならずに済んだのは時間的・精神的にとても助かった。仮に再検査になっても、検査ラインの光軸検査機が認識する光軸のズレを早川自動車に伝えれば、無料で再調整してくれるということである。 最後の検査は排ガスである。検査係官がプローブをマフラー後端から内部に差し込む。アイドリングのまま20秒ほど待つと、排ガス検査機に合格表示が出た。これですべての検査は終了である。ノーマルマフラーのためか、騒音を計測されることはなかった。メジャーを持ち出して長さや幅を計られることもなく、検査時間はハンドルやマフラーを交換していた前車と比べ短く済んだ。最後に小屋の中にいるお兄さんに書類一式のチェックを受けて検査ラインを後にし、受付窓口へ戻って書類一式を提出する。すぐに新しい車検証と検査標章(ステッカー)が交付された。早川自動車でのヘッドライト光軸調整からここまで1時間半程しかかかっていない。朝8時半に家を出て、車検を完了し帰宅したのが11時頃であったので、全行程は2時間半ほどである。帰宅後、ライセンスプレートに検査標章を貼り、取り外しておいたパーツを付け直して筆者の車検イベントはめでたく終了した。 |
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カワサキギアオイルGL-5 | ||||||||||||||||||||||||
実施日:2010/11/21 |
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旧リアブレーキパッド | ||||||||||||||||||||||||
実施日:2010/11/14 車検も近いので薄くなってきたリアブレーキパッドを交換することにした。これまでリアブレーキパッドはおよそ半年ごとに交換してきたが、今回はほぼ1年のインターバルとなった。距離的にも約10,000kmと、それまでの平均であった約6,000kmに比べ明らかに長持ちした。旧パッドの残厚は0.75mmで、無理をすればさらに1,000km程度は使えたかもしれない。このプレーキパッドはコストパフフォーマンスが高いことがわかったので、新しいリアブレーキパッドも同じ銘柄のものにした。ブレーキフルードも同時に交換しておいた。1400GTRのリアブレーキキャリパーにはブリーダーニップルが2ヵ所あるが、内側のそれにはアクセスしにくいので、そこからブレーキフルードを抜くのは省略した。納車時から一度も交換していないフロントブレーキパッドはまだ2mm程度の残厚があるので、少なくともあと数千kmは使えそうである。 |
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腐食したスイッチ接点 | 自作コントロールパッド | フリップフロップリレー | ||||||||||||||||||||||
台風14号による豪雨の中、中央高速を岐阜に向かっていたところ、談合坂SAの手前でクルーズコントロール(以下クルコン)の電源が入らなくなくなった。コントロールパッドのONスイッチを押している間はインジケーターが点くのだが、スイッチから指を離すと勝手にOFFになってしまう。これはおそらくコントロールパッドのOFFスイッチ接点に雨水が浸入して通電し、OFFボタンが常時押された状態になっているに違いない。はたして雨が上がった翌日には、OFFスイッチ接点に浸入した水分が乾いたのか、クルコンの電源は入るようになった。ところが今度はクルコンの電源が切れなくなった。OFFスイッチを押してもインジケーターは点いたままである。コントロールパッドを分解して調べてみたところ、OFFスイッチ接点が水分により腐食していることがわかった。腐食の具合から推測すると、かなり以前から雨水の浸入があったようである。 クルコンに付属していたコントロールパッドは、四輪車の車内で使うことを想定して作られているので、そもそも防水機能がない。それを二輪車で使うため、筆者は独自の防水対策を行っておいたのだが、残念ながらそれが不十分だったようである。腐食した接点を磨いて修復しコントロールパッドを再使用してもよいのだが、また同じような状況になると面倒なので、防水を考慮したコントロールパッドを自作することにした。筆者の経験によれば、防水機能を持つスイッチをそれなりのケースに収めれば、水中で使うのでない限り実用的な防水性は確保できる。そこでNKK(日本開閉器工業社)のEコマースサイトで防水押しボタンスイッチ(MB-2011W)を調達し、それを秋葉原の東京ラジオデパートで買ったアルミケースに収めてコントロールパッドを製作してみた。
自作するついでに、コントロールパッドにはこれまでなかったCancelスイッチを追加することにした。これは四輪車のクルコンには普通装備されているもので、クルーズモード中に設定速度を記憶したままクルーズモードを”Cancel”するためのスイッチである。このスイッチを押してクルーズモードをキャンセルしても、設定速度は記憶されたままなので、Accel/Resumeスイッチを押せば再びクルーズモードに入り設定速度に復帰する。これはクルーズモード中にブレーキかクラッチを操作してクルーズモードをキャンセルするのと同じである。だがブレーキを操作するとブレーキランプが点灯するし、クラッチを操作すれば一瞬ムダな空ぶかしが発生する。スイッチでクルーズモードをそっとキャンセルできればスマートで良い。回路的にはクラッチを操作したときと同じように、Cancelスイッチを押したときにクルコンのNSS(ライトグリーン線)をアースに落とす。 新しいコントロールパッドはひとつのスイッチ(以前はふたつ)でクルコンの電源をON/OFFすることにした。そうすれば上で述べたCancelスイッチを追加しても、スイッチの総数は以前と同じ4個(電源ON/OFF・Cancel・Set/Coast・Accel/Resume)で済む。電源ON/OFFスイッチはモーメンタリタイプを使い、フリップフロップリレーを駆動することでクルコン電源のON/OFFをコントロールする。こうすればクルコンの電源がONになっていてもイグニッションを一旦切ると、次回クルコンの電源はOFFから始まることになり安全である。夜間走行時のスイッチ操作を考慮して、コントロールパッドにはイグニッションON時に点灯するグリーンのLEDインジケーターを取り付けた。以前のぐにゃぐにゃしたタッチのスイッチと違い、今回使用したスイッチはクリック感が明確なので、分厚いウィンターグローブに覆われた指でもクルコンの確実なコントロールができるようになった。 |
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4月に交換したMOTOREX POWER SYNT 4T 10W-60は、それまで使っていたエンジンオイル(以下オイル)と比べるとギアシフトのフィーリング向上が体感できた。粘度の高いオイルを入れたせいか、エンジンの吹け上がりに軽快感はなくなったが、ピストンとシリンダーの気密性が高まったようなトルクの向上感もあった。そのオイルもその後約5ヶ月(インターバル約3,700km)の間に少しずつ劣化して、最近ではギアが入りにくくなり、エンジンの回り方や音もガサツな感じになってきた。そこでオイルを交換することにした(ODO 30,576km時)。筆者のオイル交換インターバルは6ヶ月を目安としているが、この夏は例年になく猛暑日が続いたことを考えると、このオイルは長持ちした方であろう。 新しいオイルは前と同じMOTOREX POWER SYNT 4T 10W-60にした。このオイルは100%化学合成油であるにも関わらず4リッター6千円台で販売されている。体感できたフィーリングの向上を考えると、筆者的にはコストパフォーマンスの高いオイルであると結論付けられる。前回再利用したオイルドレンボルトのワッシャーは新しいものと交換した。オイルフィルター(デイトナ67927)も交換した。4月にオーバーホールしたクラッチの操作フィーリングに段付き感が出始めたので、マスターシリンダーの分解清掃とグリスアップも同時に行った。最近では無駄にフルードを使うことなくエア抜きができるようになってきた。何事も経験である。 |
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踏み潰されたFOBキー | 2010年型スペアFOBキー | ネックストラップFOBキー | ||||||||||||||||||||||
一般にイモビライザーシステムは、キーに埋め込まれている電子チップIDを車両側システム(多くはECU)が解析して電子的な認証を行う。認証が成功すればステアリングロックが解除されエンジンが始動できる。通常、電子チップIDの読み取りはPASMOやSuica同様、キーに埋め込まれた電子チップIDを車両側のID読み取り装置に近づけて行う。例えばホンダのHISSは、キー頭部に埋め込まれた電子チップIDをキーシリンダー周囲のID読み取り装置が読み取る。その発展形として、キーが電波を使って電子チップIDを車両側システムに送信するものがある。車両側システムは、電波で送信された電子チップIDを解析して認証を行う。これがいわゆるキーレスシステムであり、1400GTRのKIPASSシステムはまさにそれである。このKIPASSシステムは、一旦認証をパスしてエンジンを始動した後は、車両速度が20km/hを超えるたびに電子チップIDのID認証を行う。その際、FOBキーからの電波が受信されないと、インパネ左上の赤いウォーニングランプを点灯させ、ディスプレイに”No Transponder”のメッセージを表示する。 とても暑い8月のある日、職場からの帰宅途中、1400GTRのインパネに“No Transponder”のメッセージが出ているのにふと気がついた。嫌な予感がして、走りながら左手でジャケットの胸ポケットを探ってみたが、そこにあるはずのキーレスFOBキーの感触がない。そういえば、トップケースのカギを開けてヘルメットを取り出しかぶった後、キーを抜いて胸ポケットに仕舞った記憶がない。つまりトップケースにキー一式を挿したまま走り出し、それを走行中に落としてしまったに違いない。無情に光るインパネの赤いウォーニングランプが絶望感に拍車をかける。はたして次の信号待ちで、後ろを走っていた原付2種のお兄さんが近くに来て声を掛けてくれた。「ここから1キロぐらい手前でカギを落としましたよ!」 筆者としたことが、あろうことかトップケースにキー一式を挿したまま走行してしまったのである。齢(よわい)五十を前にして、もはやモウロクしてしまったのであろうか。キー一式を回収するため来た道を戻ってみると、さっき声をかけてくれたお兄さんが、親切にも落ちていたキー一式を既に拾い集めてくれていた。丁重にお礼を言ってそれを受け取り、走り去ってゆくお兄さんの後ろ姿を見送ったあと、後続車に踏まれてバキバキになったFOBキーを組み立ててみたものの、インパネ上の“No Transponder”は消えなかった。基板上のICが割れているので再起不能であろう。この状態での唯一の救いは、イグニッションをOFFにしない限りエンジンは回り続けていることである。とにかくこのままスペアのFOBキーがある自宅に戻らなければならない。さもないと、この酷暑の中、東京赤坂のド真中で延々とJAFのロードサービスを待つことになってしまう。 筆者の2008年型1400GTRにはキーレスFOBキーが2個標準装備されている。つまり1個を失っても、残りの1個で以前と同じキーレスオペレーションが可能である。しかしスペアのFOBキーがない状態は大変よろしくない。もし手元に残っているたったひとつのFOBキーを失ってしまうと、新しいFOBキーの電子チップIDをKIPSS ECUに登録することはできなくなる。つまりもはやスペアFOBキーが作れくなってしまう。そうなると再び1400GTRのエンジンをかけるためには、高価なKIPASS ECUとFOBキーのセット(21175-0184, \85,932, 2008年型の場合)を購入する必要がある。それはカネで解決できるにしても、グループでツーリングに出かける際にはスペアのFOBキーを携行しておくのがエチケットというものであろう。さもないと同行者に迷惑をかけることもあろうし、ソロツーリングの場合は、自宅に電車で帰ってくるハメになることもあるだろう。要するに筆者は早急にスペアのFOBキーを作成する必要がある。 2010年型の1400GTRからは、キーレスFOBキーとキーレスでないFOBキーがそれぞれ1個ずつ標準装備されるようになった。このキーレスでない方のFOBキーの価格は\2,381で、キーレスFOBキーの\20,034と比較するとかなり安い。キーレスでないFOBキーはKIPSS ECUと無線による通信は行なわないので、認証はFOBキーに埋め込まれている電子チップをイグニッションスイッチに内蔵されている電子チップ読み取り装置にかざして行う必要がある。一見2010年型のFOBキー構成はコストダウンのようにも見えるが、キーレスFOBキーが2個あった方が良い状況とは、2人で1台の1400GTRをシェアするような場合しかなく、そのようなケースは新聞配達などに使われることの少ない1400GTRでは稀であろう。むしろ多くの場合、ライダーは1人だけなのでキーレスFOBは1個あればよく、キーレスでない小型軽量なFOBキーを緊急用のスペアとすればよい。そこで筆者はキーレスでないFOBキー(以下スペアFOBキー)を調達することにした。
ディーラーにパーツナンバーを伝えてパーツを発注し、スペアFOBキーに収まるメカニカルキーの複製とスペアFOBキーの登録作業を行ってもらった。メカニカルキーは溝の位置が違う2種類(#Aタイプと#Bタイプ)があり、自車に合う方を発注しなければならないことに注意する必要がある。筆者の場合、メカニカルキーは血液型と同じ#Bタイプであった。スペアFOBキーは電池を内蔵しないのでキーレスFOBキーと比較するとかなり小さく、パンツのポケットに入れてもかさばることはない。筆者はこのスペアFOBキーにキーホルダーを取り付け、ツーリングに出かける際にはジャケットのポケットに入れておくことにした。もう1回同じことをやったらアホなので、キーレスFOBキーの方にはネックストラップを取り付け、バイクに乗るときには常に首からぶら下げておき、キーをトップケースに挿しこんだままバイクにまたがることが、物理的にできないようにしておいた。 |
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実施日:2010/07/10 オイル漏れによる冷間始動時の発煙に対する対策として、シリンダーヘッドガスケットがクレーム処理で交換された。ヘッドガスケット交換後は毎朝のエンジン始動時に煙があがるようなことはなくなった。ヘッドガスケット交換の為、今回の定期点検はバイクをディーラーに約2週間も預ける必要があった。エンジンオイルは4月に交換したこともあり、今回の定期点検では交換しなかった。4月に入れたMOTOREX社のエンジンオイルだが、これを書いている8月の時点(インターバル約3,000km)でシフトフィーリングが少し悪化してきてはいるが、筆者的にはまだまだ許容範囲内であり、この分だと6ヶ月は無交換でいけそうな感じである。値段を考えると、MOTOREX社のエンジンオイルはコストパフォーマンスに秀でている印象を受ける。 |
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KEITEKIシート | KEITEKIシート | Dr. SUDAタグ | ||||||||||||||||||||||
筆者の1400GTRはあまり洗車をしないこともあり、最近各部の汚れが落ちにくくなってきた。特にシートについてはグレーの座面に汚れがしみ込んでしまい、洗剤をつけてこすってもその汚れが落ちなくなってしまった。シートがバッチいとバイク全体がヤレたように見えてしまう。そこでこの際、シート表皮を汚れの目立たない黒色系のものに張り替えることにした。シート表皮の張り替えはモーターサイクルドクターSUDAの”KAITEKIシート”というサービスを利用することにした。このサービスを利用する決め手となったのは、同社のサイトで見た張り替えのサンプルがとてもシンプルで筆者の好みであることに加えて、1400GTRにこのシートを装着しているP氏のポジティブなインプレッションである。 モーターサイクルドクターSUDAにメールで問い合わせてみると、須田氏(若旦那)から丁寧な返事があり、シート表皮張り替えに要する期間は10日程度とのことであった。筆者は10日間もバイクに乗れないと鼻血が出る。そこで張り替えの間、1400GTRオーナーズクラブのW氏にお願いして、使っていない1400GTR用ノーマルシートをお借りすることにした。お借りしたノーマルシートは使用期間が短いためか、筆者の2年半使用したシートに比べると、ムチムチしていて弾力性があり、乗り心地が大変よかった。ずっと同じバイクに乗っていると各部の経年劣化に気付きにくいが、上の体験によりシートのウレタンは使用2年半程度でもかなりヘタることが理解できた。筆者にはシート表皮張り替え時のアンコ抜きや盛りなどの必要はなく、作業も丁度空いていたようで、週末に預けたシートは次の週末にはキレイな新品のようになって戻ってきた。 ”KAITEKIシート”は滑りにくい表皮のシートレザーを使用しているという。張り替えられたシート表皮のざらざらした光沢感が他にない感じでよい。シートを取り付けて走行してみると、ノーマルシートに比べると尻の落ち着きがよく、加減速時の尻の前後の動きが抑えられているように感じられる。パイロンスラロームなどでバイクを左右に切り返す際、尻(下半身)からバイクへの入力が少し正確になったような印象も受ける。しかしながら、シートレザーによってヘタったウレタンの弾力性を補うことはできないようで、シートのムチムチ感が向上するわけではない。帰宅してシートを外し各部を見てみたが、とても丁寧な作業をしていることが見て取れた。廉価なシート張り替えサービスに比べると少し値は張ったが、質感と機能性の双方に満足できたので、この”KAITEKIシート”はとても良い買い物だったと思う。汚れの目立たなさについては、しばらく使用してみる必要がある。 |
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SONY メモリーウォークマン | SUNTAC カーチャージャー | |||||||||||||||||||||||
筆者は若い頃バイク乗車中に音楽を聴くなど考えたこともなかったが、このバイクにMP3プレイヤーを装備して音楽を聴いてみると、ライディングの緊張がほぐれてリラックスできることがわかった。そのMP3プレイヤーだが、半年余り使っていくうちにいくつか気に入らない点が出てきた。まずはシャッフル(ランダム)再生機能がタコで、休憩等で一旦エンジンを停止しMP3プレイヤーへの通電を止めると、それまで再生した曲の履歴が失われるらしく、エンジンを再始動した後にほんの数曲前にかかっていた曲がもう一度かかることがある。これでは事実上シャッフル再生は使えない。再生される音質についても、始めのうちはそこそこ満足していたが、聞き込むに従って再生される音が何となくショボく、さらにMP3プレイヤーそれ自身が出すノイズものっていることがわかった。またある事情によりMP3プレイヤーをガソリンタンク上の小物入れ内に移設したところ、熱で再生が不安定になり、突然レコードを高速で逆回ししているような意味不明な音が数秒から十秒程度鳴る現象がしばしば発生した。この不安を掻き立てる音は、運転中の注意力を散漫にし事故に遭うリスクを高める。最近これらの問題が気になるようになってきたので、音楽再生システムを別のものに変更してみることにした。 新たに導入したのは、音質に定評があるというSONY社製メモリータイプウォークマン(S644)とSUNTAC社製LINEOUT出力端子付カーチャージャー(CCWM-406)の組み合わせである。この二つのデバイスをWM-PORTで接続し、カーチャージャーにアクセサリー電源(実際には電源ノイズフィルターを経由した電源)を供給すると、これまでMP3プレイヤーで行っていたようなイグニッションのON・OFFに連動した音楽の自動再生・停止を行うことができる。ウォークマンで再生された音楽は、WM-PORTを経由してカーチャージャーのLINEOUTに出てくるので、それをFTM-10SのLINEINに入れてやれば、ヘルメットスピーカーで聴くことができる。このLINEOUT出力がノーマライズされているかどうかは不明だが、ボリュームは調整できない。当初この出力をFTM-10Sに入れて聞くと、他のソース(FMラジオや無線)と比べてかなり音量が大きかった。そこでノイズ対策用のライントランスを入れ、その巻線比を利用してボリュームを下げてみたところ、他のソースとほぼ同じような音量にすることができた。 人生で初めて買ったウォークマンをエンジンの熱で壊すことのないよう、今回これらのデバイスは小物入れの中ではなくシート下に設置することにした。このシステムで再生される音楽の音質は、以前のMP3プレイヤーに比べてかなり良くノイズも少ない。シャッフル再生にも問題はなく、休憩などで一旦エンジンを停止しても、一度全部の曲が再生されるまで同じ曲がかかることはないようである。一方不便になったこともある。ウォークマン側の仕様により、イグニッションOFFからONまでのインターバルが24時間以上あると自動再生が行われない。通勤で金曜の夜に帰宅し日曜の朝までバイクに乗らないような場合がこれにあたる。こうなるとカーチャージャーのリモコンを操作しても音楽再生は開始されないので、シートを外してウォークマン本体を直接操作する必要がある。さらにこのとき、シャッフル再生していた曲の履歴も失われるようである。かくの如く人生は思ったようにはいかないものであるが、少なくとも音質とノイズの問題が解決されたので、しばらくこのシステムを運用してみることにした。 |
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K&Nエアフィルター | 新旧エアフィルター | |||||||||||||||||||||||
DIYでスパークプラグを交換する際、同時にエアフィルターエレメントの交換を行った。双方ともフェアリングを外す必要があるので、同時に行う方が効率が良い。新しいエアフィルターエレメントは純正品ではなく、米国K&N社製の高効率エアフィルターエレメント(KA-1406)である。1400GTRのエアフィルターエレメントは、エアクリーナーボックスを兼ねるモノコックフレーム内に装着されているが、その交換作業はスパークプラグの交換難易度に比べれば楽勝といえる。取り出した古い純正エアフィルターエレメントは、今から1年半程前の12ヶ月点検時に交換したもので、かなり汚れていた。K&N社製の高効率エアフィルターエレメントはクルマ(四輪車)にも使用していて、メンテナンスキット(洗剤とオイル)も手元にある。年一回程のメンテナンス(洗浄・乾燥・オイル塗布)は必要だが、古いエアフィルターエレメントを燃えないゴミとして処分する際の罪悪感を感じなくて済むのはよい。エアフィルターエレメント交換後は、同時に行ったスパークプラグ交換の効果と相まって、エンジンの回転フィーリングがとてもなめらかになったように感じた。 |
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デンソーイリジウムパワー | ||||||||||||||||||||||||
納車後およそ2年半、インターバル28,200kmでスパークプラグの交換を行った。イリジウムプラグはデンソー社製に限るというのが定説である。そこでヤフオクにてデンソーイリジウムパワー(IU27)4本を市価の半額程度で仕入れDIYで交換を行うことにした。先達が教えてくれたように、1400GTRのスパークプラグ交換においては、フェアリングやサブフレームを外す必要があり、DIY難易度は決して低くない。特に初めて作業する場合、スパークプラグに差し込まれているスティックコイルを外すのが難関である。サービスマニュアルには「コネクター部分をこじらず引き抜く」と記載されているが、シリンダーヘッド上にはモノコックフレームが覆いかぶさっていて、そのクリアランスは手がやっと入る程度であり、スティックコイル上部を指でつまむことさえままならない。15分程もがいてみたが、秘孔を突く指を持つケンシロウならいざ知らず、筆者の衰えた指先の力では全く太刀打ちできなかった。結局スティックコイルを少し傷つけてしまうが、ロングリーチプライヤでつかんで外すことにした。スティックコイルを外した後、エアコンプレッサーの圧縮空気でシリンダーヘッド上やプラグホール内のゴミやほこりを吹き飛ばした上で、車載工具のプラグレンチを使い古いスパークプラグを外した。古いスパークプラグの電極間ギャップは、新しいものに比べると若干広いように見えた。焼け方としては暗めの茶褐色である。 新しいスパークプラグのネジ部分にスレッドコンパウンドを塗布しシリンダーヘッドにねじ込む。プラグレンチに差し込んだスパークプラグをプラグホールに入れる際には、スパークプラグの接地電極をプラグホールの底にぶつけて電極間ギャップを変化させないよう慎重に行う。スパークプラグにスティックコイルを差し込む際には、レンチの柄を利用して上からしっかり押し付け、きちんと奥まで差し込まれている事を確認した。フェアリングやサブフレームを元に戻す前に、外した配線をすべてつなぎエンジンが始動可能かどうかを確かめておく。エンジン始動が確認できたら、外したパーツをすべて元に戻す。作業開始から終了までに、エキパイ取り付け部の増し締めと冷却水の補充も含めて4時間程度かかった。このバイクのスパークプラグ交換をショップに依頼すると、その面倒クサさから考えるとかなりの工賃を取られるに違いない。スパークプラグ交換後は、各シリンダーの爆発度合いが均一化されたような感じで、エンジンの回転フィーリングがとてもなめらかになったように感じた。ただしスパークプラグの交換と同時にエアフィルターも交換したので、純粋なスパークプラグ交換だけのインプレではないことをお断りしておきたい。 |
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カーナビ旧設置位置 | カーナビ新設置位置 | カーナビ新設置位置 | ||||||||||||||||||||||
マウントパーツ | サンバイザー | サンバイザー取付マウント | ||||||||||||||||||||||
先日装着したハンドルブレースが、既に取り付けてあったカーナビ(SONY NV-U2)と干渉した。ハンドルブレースを移設するのはむつかしそうなので、とりあえずカーナビの方をハンドルブレースの下方に動かし干渉を避けることにした。ところがこの位置では、画面を見る際にかなり下方に視線を移動する必要がある。慣れれば問題ないかとも思ったが、リスクを慣れでカバーすると結果はほぼ悪い方に出るのは定説である。そこでカーナビの位置を再度上方に動かすことにした。上に動かすと同時に手前に持ってくればハンドルブレースとの干渉を避けることができる。吸盤式クレードル台を調整してカーナビをそのような位置まで移動しようと試みたところ、リーチが全く足りないことがわかった。ハンドルブレースに吸盤式クレードル台を取り付けることも考えてみたが、それだとカーナビの位置が高くなりすぎてライダーからメーターパネルが見えなくなる。少し考えた結果、思い切って吸盤式クレードルを廃止し、市販のマウントパーツを利用してカーナビを移設することにした。
NV-U2の吸盤式クレードルを分解して吸盤部分を取り外し、カーナビとドッキングする部分だけにしてサインハウス社製のSONY NV-U2/3用ホルダーA-19を取り付ける。それにRAMマウント社製の1インチボール(RAM-B-367U)2個と1.75インチのアーム(RAP-B-201-A)1個を組み合わせてカーナビ固定位置の自由度を確保することにした。A-19に付いているボールは、RAMマウント社製の1インチボールより少し小さいだけなので、同社製のアームと組み合わせて使うことは可能である。だが今回はA-19のボール部分をRAMマウント社製のものに取り換えて、カーナビの安定保持に万全を期すことにした。同じボールを自作のパイプクランプにも取り付け、それを以前の吸盤式クレードル台を取り付けていた門型の支柱に固定する。すべてのパーツを組み合わせて調整してみると、うまい具合にカーナビをハンドルブレースの手前に固定することができた。アームのネジをしっかり締めてもカーナビは少し動くが、これはRAMマウントのボールがゴム製であるためだろう。これがカーナビに伝わるエンジンの振動をある程度緩和してくれることを期待したい。カーナビは以前より手前にきたが、画面を見る際の視線移動量はハンドルブレースを装着する前とほぼ同じになった。 バイクで使うカーナビは周囲が明るいと画面が見づらい。そこで以前から装備しようと考えていたカーナビ用サンバイザーを製作してみることにした。今回のカーナビ移設でカーナビ上面とハンドルブレースがライダーから見てほぼ重なる位置になったので、ハンドルブレースにサンバイサーを固定すれば、カーナビの上に庇(ひさし)を位置させることができる。たまたま手元にあった1mm厚塩ビ版を切り出しヒーターで曲げ加工を施してサンバイザーを試作してみた。自作のアルミ製パイプクランプをハンドルブレースに取り付け、そこにサンバイザーをネジで取り付けた。NV-U2の画面照度自動調整用明るさセンサーのためにサンバイザーに穴を開ける必要があるが、今回は試作品なのでとりあえず穴開けは省略し、画面照度をマニュアルで最大にして試運転に出かけてみた。使用した1mm厚の樹脂では少し強度が足りないような感じで、高速道路では風によりサンバイザーが動揺するが、これがあると昼間でもカーナビの画面はかなり見易くなることがわかった。もう少し厚みのある表面が艶消し仕上げの樹脂を使って本チャン版を製作すると完璧である。 |
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KYB クルマメバイカム DRE-200 | KYB クルマメバイカム DRE-200 | RAMマウント | ||||||||||||||||||||||
サンプル動画(チョイ圧縮版) | ||||||||||||||||||||||||
バイクで使える防水仕様(IPX7相当)のドライブレコーダーである、KYB社製のクルマメバイカムDRE-200(以下DRE-200)を導入した。これは常時記録型のドライブレコーダーであり、イグニッションをONにしたときからOFFにするまでを映像と音声(動画)で記録する。動画はDRE-200本体に差し込んだSDメモリーカードにASFファイル形式で記録される。16GBのSDHCメモリーカードを使用した場合、最良画質(VGA/30fps)で約8時間分の動画を記録すること可能である。SDメモリーカードの容量が一杯になると、自動的に古いASFファイルが上書きされて新しい動画が記録される。SDメモリーカードにはASFファイルと同時に、そのときDRE-200が検出した3軸方向の加速度の変化を示すログファイルが記録される。PCに専用ソフトウェアをインストールすれば、SDメモリーカードに記録された動画を、リアルタイムな加速度の変化と共に見ることができる。事故時の動画が記録されたASFファイルの上書きを避けるため、あらかじめ設定した加速度を超える衝撃を感知すると録画は10秒後に自動的に停止する仕組みになっている。 筆者は以前からドライブレコーダーに興味があり、まだ製品全体が高価だった2005年頃には、安価なムービーカメラを代用品として使ってみたりもしてみた。今回導入したこのDRE-200が市場に投入された昨年の秋口にも導入を検討したが、価格が30Kを超えることと、デザインがあまりにも胡散臭いので決断を躊躇した。ところがこの春、製造元のKYB社がキャンペーン価格24.8K(送料・代引手数料込み)でこの製品を販売しているのを見つけ、遂に導入に踏み切ることにした。注文後2日で届いたDRE-200はサイズ的に大きく、そのデザインはやはり胡散臭い。黒と銀に塗り分けられたボディーには機能的には意味のない派手なギザギザ模様が入り、オマケに赤でKYBのロゴまで入れられていて、否が応にも目立ちすぎる。筆者としてはドライブレコーダーは走行映像が撮れさえすればよいし、この手のデバイスに安全意識の向上を助けてもらわねばならぬほど耄碌もしていないので、ドライブレコーダー自体が目立つことは必要ない。むしろ目立つことでいたずらや盗難に遭う可能性が高まるのはよろしくない。 DRE-200にはバイクのハンドルバーに取り付けることを想定したマウント用パーツが付属している。「バイク用マウント」はハンドルバーにクランプして取り付けるパーツで、それにDRE-200側に取り付けた「スライダーマウント」をはめ込んでDRE-200を固定する。ところが1400GTRのハンドルバーには幅30mmの「バイク用マウント」を取り付けるスペースがない。そこでハンドルバー代わりの直径20mm(長さ30mm)のアルミ円柱とRAMマウントパーツを組み合わせてステーを作成し、それをブレーキレバーホルダークランプから立ち上げてDRE-200を取り付けることにした。比較的重量のあるDRE-200をステーを介して高い位置に取り付けると振動を拾う点で不利だが、高い位置に取り付ければメーターパネルが映像に大きく映り込んでしまうことが避けられる。電源は車両側アクセサリ電源に付属のDC-DC(12V-5V)コンバーターをつなぎ、コンバーターから伸びた線を防水コネクターを介してDRE-200につなぐ。
DRE-200には盗難抑止用のワイヤーを取り付けることができる穴が設けられている。筆者はここに自転車のサドル盗難防止ワイヤー錠(サイクルベースあさひ社製)を取り付けておいた。取り付け完了後DRE-200の後部防水蓋を開け、付属の充電池と自前のSDメモリーカード(16GB)を挿入し初期設定を行う。まずは本体の向きを調整して撮影角度を決める必要がある。DRE-200は本体だけでは撮影構図を見ることができない。リアルタイムに撮影構図を見て撮影角度を調整するには、ビデオケーブルでDRE-200と自前のモニターをつなぐ必要がある。モニターを持たない筆者のような者は、試し撮りしたSDメモリーカードを本体から抜き、それをPCで見て少しずつ撮影角度を調整することになる。他の設定項目としては動画の解像度とフレームレート、ビープ音、1動画ファイルあたりの最大録画時間、日時、衝撃加速度などがある。個々の設定についてダウンロード可能なマニュアルを参照されたい。 各種調整を済ませ試運転に出かけてみた。SDメモリーカードが挿入されていない場合、イグニッションをONにした途端にけたたましく警告音が鳴る。これは事故発生時にSDメモリーカードが入っていないというマヌケな事態を防ぐ為の親切な機能と理解すべきであろう。SDメモリーカードを挿入してイグニッションをONにすると、本体後面の液晶に録画可能時間が表示され、その後すぐに録画が始まる。録画中は録画開始からの経過時間が刻々と表示される。1動画ファイルあたりの最大録画時間に達すると、内部的にASFファイルのセーブを行うらしく、録画は数秒間中断する。普通の舗装路走行で撮影した映像の揺れは予想していたより小さく、見にくいというほどではなかった。周囲が暗いとフレームレートが自動的に低くなる仕様であるらしく、夜間やトンネル内の映像はカクカクする。音はお世辞にも良いとは言えない。特にエンジン回転を上げたときのカチカチという雑音は耳障りである。この音は付属の樹脂製マウントのガタからきているような感じがするので、追々調査してみることにする。 ひととおり試運転を終了したあと、家人をPCの前に呼びDRE-200で録画した映像の再生方法をレクチャーした。事故により思いがけない事態が発生した場合には、警察にSDメモリーカードを回収するように指示することも伝えておいた。これを忘れるとドライブレコーダーを取り付けた意味がなくなる。自分や血縁者だけがうまくやれば、残りの社会はどうなっても構わないというこの国50年来の風潮の中において、「死人に口なし」という言葉は妙に現実味を帯びている。相手の重大な過失による事故で自分が死亡したような場合に、相手側が相手側に都合のよい証言を行うことは普通にあると考えた方がよいだろう。いかにしても、理不尽に自分や家族の名誉が傷つけられたり、残された家族が当然得られるべき補償が得られないような事態は避けなければならない。このデバイスが撮影した映像がその一助となることを切に願いたい。そのための投資であるのだから。 |
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ハンドルブレース | ハンドルブレース | ハンドルブレース | ||||||||||||||||||||||
Kawasakiロゴ(左側) | 1400GTRロゴ(右側) | |||||||||||||||||||||||
1400GTRのハンドルは剛性感がイマイチである。このバイクはエンジン回転数が3500rpm前後のときにエンジン振動がハンドルグリップに大きく伝わる。そのときのハンドルグリップの振幅は比較的大きく、長時間この回転数を維持するとアクセルグリップを握る右手が痺れることがある。もう少しハンドル剛性が高ければ、振幅も小さくなり手の痺れ具合も変わってくるに違いない。公道ではハンドルをストッパーに当たるまで大きく切って走行することはあまりないが、筆者は時々公道ではない特殊な走行条件下で、ハンドルを左右のハンドルストッパーに当てながら向き変えをすることがある。そのような場合、ハンドルがストッパーに当たる感触はソリッドな方が望ましい。ハンドル剛性が低いと、極端にいえばハンドルがストッパーに当たってもグリップがまだ動いているので、バイクからライダーへの情報伝達の遅延が起こる。美しく走るためにはライダーがバイクの状況をリアルタイムにつかめることが重要である。 ハンドル剛性を上げるためにハンドルブレースというパーツが市販されている。これはハンドルに支柱(Brace)を渡すためのパーツで、それによりハンドル剛性の向上が期待できる。このパーツは通常、パイプハンドルの二か所にクランプを装着し、その間に支柱を渡して取り付けるが、1400GTRのセパレートハンドルにはクランプを装着できるスペースがないので、一般に市販されているハンドルブレースを装着することは難しい。この問題に正面から取り組んだ賢人が静岡県在住のO氏である。氏は1400GTRのハンドルバー部分がアルミダイキャスト製のハンドルホルダーにボルト留めされていることに着目し、そのボルトにハンドルブレースのクランプと同等の機能を持たせることで1400GTR専用のハンドルブレースシステムの開発に成功した。そのハンドルブレースは試験運用を経て1400GTR Owner’s Club内で頒布されるところとなり、幸運にも筆者はそれを手に入れることができた。 入手したハンドルブレースType Bは、五面加工機と呼ばれる特殊な工作機械でステンレスを削り出して製作されたものである。一個削り出すのに4時間ほどもかかるという手の込んだもので、ブレースの左側には”Kawasaki”、右側には”1400GTR”のロゴが精密に彫り込まれている。製品を手に取って眺めると、メタルフェッチでなくとも卒倒しそうなぐらい美しい出来映えである。このハンドルブレースType Bは、氏が従来から製作・頒布しているバーホルダーを利用して取り付ける仕様となっている。筆者は既にこのバーホルダーを左右両方のハンドルに装着していたので、ブレース部分のみを購入すればよかったのはとても助かった。取り付け後すぐに高速道路を200km程度走行する機会があった。この際特に印象に残ったのは、ハンドルのホールド感がカチッとした感じになったこと、前輪からのインフォメーションが豊富になった感じがすること、それにハンドルに伝わるエンジン振動が少し硬質なものに変化したことなどである。公道ではない特殊な走行条件下でのテストはこれからだが、ハンドリングのクイックさ(あるいは正確さ)が向上する期待が持てる。 |
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ピストンコンプ | 箱の中身 | |||||||||||||||||||||||
筆者の1400GTRは都内一般道の通勤に使用している関係で走行距離の割にはクラッチの操作頻度は多めである。クラッチレバーピボットのグリスアップは頻繁に行っているが、最近はそのメンテナンスを行ってもクラッチのタッチがあまり向上しなくなり、レバー操作に段付き感が出るようになってきた。 クラッチレバーの動きに段付きが出ると、駆動力のコントロールがデジタル的なものになってしまう。こうなるとスムースな発進ができなくなるし、駆動系にストレスもかかる。バイク講習会の一本橋や千鳥など、極低速で行う課題はアイドリングで半クラを多用するが、そのときクラッチによるアナログ的な駆動力のコントロールができないと、課題がうまくこなせないだけでなく、エンストして立ちゴケするリスクも高まる。 クラッチの油圧経路はふたつの注射器をホースでつないだようなものである。ハンドル側の注射器がマスターシリンダー、クランクケース側の注射器がスレーブシリンダーとなる。それぞれのシリンダー内には注射器同様にピストンがあり、マスターシリンダーではこのピストンがクラッチレバーで押されることで油圧が発生する。発生した油圧はホース内のフルードによりスレーブシリンダーに伝わり、その内部にあるピストンを動かす。この動きによりクラッチが断続される。ピストンやピストンに組み込まれているゴム製のシールは、使い込まれるに従って摩耗・劣化しピストンがスムーズにシリンダー内を摺動しなくなる。これがクラッチのタッチを悪化させる原因となる。 筆者の1400GTRのオドメーターはまだ26,890kmでしかないが、クラッチ操作頻度の多さゆえピストンパーツの劣化が進行しクラッチのタッチが悪化しているに違いない。そこで二つのシリンダーのメンテナンスを行うことにした。メニューとしてはマスターシリンダーピストン部品の交換とスレーブシリンダー内部のグリスアップである。まずマスターシリンダーフルードタンクを開け、スレーブシリンダー側からクラッチフルードを抜き去る。マスターシリンダーフルードタンクにはピストンの金属部分が摩耗することで発生したアルミ粉が堆積しているのでキレイに清掃しておく。クラッチレバー、ダストカバー、プッシュロッド、スナップリングを外してマスターシリンダーピストンおよびその奥にあるスプリングを取り出す。マスターシリンダー内にもアルミ粉が堆積しているので、シリンダー内面を傷つけないよう清掃しておく。新品のピストンパーツとマスターシリンダー内面にシリコングリスを塗布し、元通りに組み立てる。スレーブシリンダーはボルト3本を緩めて取り外し、ピストンとオイルシール、およびシリンダー内面にシリコングリスを塗布して元通りに組み立てる。最後にマスターシリンダーフルードタンクに新しいフルードを入れ、油圧経路のエア抜きを行って作業は終了である。
このメンテナンスによりクラッチは新車時以上のスムーズさを取り戻し駆動力の微妙なコントロールも思いのままとなった。また、このメンテナンスと同時にシフトペダルリンケージのグリスアップも行っておいた。バイクに自分の意思を伝える部分がスムーズな動きをすると、バイクに一層の愛着が湧くのはとても不思議である。巷では2010モデルへの乗り換えが流行っているようだが、筆者はチマチマと2008年モデルをイジリながら大切に乗ろうと思う。 |
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MOTOREX POWER SYNT 4T | オイルフィルター・レンチ | |||||||||||||||||||||||
昨年12月の24ヶ月点検時にエンジンオイルの交換を行ったが、その後3ヶ月(走行約3,500km)でシフトフィーリングが今まで経験したことが無いほど悪化してしまった。最近ではシフトダウン時にトライアル車よろしくシフトペダルを踵で蹴っ飛ばさなければならないこともしばしばである。入れたエンジンオイルはWAKO’S TRIPLE R(SAE粘度は不明)だが、値段の割には性能劣化が早いような感じである。ドーピングした添加剤GRPも体感できるようなフィーリングの向上をもたらさなかった。この添加剤は100%化学合成のエンジンオイルとは相性が良くない可能性がある。どちらにしても、このままで6月の定期点検時まで乗り続けるのは精神衛生上宜しくないので、オイル交換インターバルを早めてエンジンオイルを交換することにした。(オドメーター 26,850km)
抜いたオイルはサラサラでかなり軟らかいものが入っていたようである。新しいオイルはシフトフィーリングの向上を狙って一番硬いものにしてみた。GRPの添加は見合わせた。近所をチョイ乗りした感じでは、シフトまだ渋いながらフィーリングは向上した。もう少しすると馴染んでさらにフィーリングが良くなることを期待したい。オイルフィルターも交換したが、元のフィルターの締め付けトルクが尋常でなく、手持ちの汎用オイルフィルターレンチでは緩めることができなかった。これが既にエンジンオイルを抜いた後だったのでクルマでイエローハットまで出向き、65Φのオイルフィルターレンチを調達して対処した。オイルドレンボルトのワッシャーは買うのを忘れたので古いものを再利用した。(内径12mm) |
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新旧ステップラバー | ||||||||||||||||||||||||
我が1400GTRは購入後2年を過ぎて総走行距離は約26,000kmに達し、シフト操作を行う左ペダルのステップラバーがかなり摩耗し溝が無くなってしまっていたので交換した。走行距離は決しては多い方ではないが、通勤でほぼ毎日都内を走っている関係でシフト操作が多めな上に、相変わらずギアの入りが渋く、これが左側ステップラバーの摩耗を促進したようである。
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エンジンオイル用キャップ | ギアオイル用キャップ | ネジ長比較 | ||||||||||||||||||||||
1400GTRのオイルフィラーキャップは樹脂製でツマミがついており、手で着脱することを想定している。手で締め付ける程度のトルクで締まっているキャップは、当然ながら手で緩めることができる。つまりセキュリティーはゼロである。筆者は遠い昔、通りがかりのヤンキー(語頭を上げて発音すると関東風・語尾を上げて発音すると関西風)が原付バイクのオイルフィラーキャップを左手で開け、右手に握った砂をクランクケースに流し込む姿を目の当たりにしたことがある。そのバイクがその後どうなったかは知らないが、エンジンオイル流路の詰まりにより何らかの不調に見舞われたことは想像に難くない。ヘタをすると走行中にエンジンが焼き付いて事故になったかもしれず、あるいは仮に走り出す前に気付いたとしても、エンジン内部の砂を完全に排出するにはかなりの出費を強いられたに違いない。 道具を使ってオイルフィラーキャップを手では緩められない程度に固く締めつければ、上のような恣意的な攻撃に対する防御となる。だが純正のオイルフィラーキャップは樹脂製なので、締め付けトルクをかけ過ぎればツマミやネジが破損する可能性がある。締め付けの最後にツマミが音をたてて折れる状況を筆者はあまり想像したくない。アフターマーケットには道具でしっかり締め付けることができる金属製のオイルフィラーキャップが存在する。そのほとんどがアルミを削り出してアルマイトをかけたもので、主にドレスアップを目的としている。中にはワイヤリング用の小穴が開いていて、レース対応を謳うものもあるが、レースに使うなら樹脂製のキャップに穴を開けた方が軽くて良いと考えるのは筆者だけではなかろう。 1400GTRにはもうひとつ別のオイルフィラーキャップがある。ファイナルギアケースに付いているギアオイル用キャップがそれである。このキャップはアルミ製でネジのサイズはエンジンオイル用のオイルフィラーキャップと同じ(M30×P1.5)である。さらこのキャップに組み合わされているOリングは、エンジンオイル用キャップのそれと同じものである。つまりネジ部の長さが双方でさほど変わらなければ、このふたつのキャップは互換性があることになる。ネジ部の長さを比較したところ、はたしてほぼ同じであった。このアルミ製キャップの価格は約1Kなので、アフターマーケットに出まわっているどのオイルフィラーキャップよりも安い。そこでこれをエンジンオイル用キャップとして使うためにパーツとして取り寄せてみた。
届いたオイルフィラーキャップにOリングを取り付けてエンジンオイルの注入口に取り付けてみる。キャップを奥までねじ込むと、このキャップの首下直下のネジが切られていない部分が雌ネジにかかり、ネジが効かなくなる懸念があったが、実際には何の問題もなく、工具でしっかりと締め付けることができた。このキャップにはツマミがないので、よほど人間離れした握力がない限り素手でこのキャップを開けることは難しいだろう。これで何の脈絡もなく通りがかりに他人のバイクのオイルフィラーキャップを手で開け、砂やデカビタドリンクをクランクケース内に流し込む攻撃に対して、一定の防御力を得たことになる。昔も今も困ったヤツは世の中にいるものだ。備えあれば憂いなし。首相ウソつき密約なし。 |
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MOTOLED | MOTOLED | USBコネクター | ||||||||||||||||||||||
点灯状態 | 後方高位置からの被視認性 | ハイマウントハザード | ||||||||||||||||||||||
バイクに積んだ荷物が荷台から後方へはみ出す場合、それが0.3m以内なら出発地を管轄する警察署長の許可を受けないで走行できる。しかし1400GTRの荷台から荷物が後方に30cmもはみ出すと、リアキャリア直下に位置するブレーキランプが後続車から視認しづらくなるだろう。特に後続のトラックやダンプカーあるいはミニバンが極端に車間距離を詰めてきた場合、それらの車両は運転席が高い位置にあるので、ドライバーからはブレーキランプが荷物の陰に隠れて見えないに違いない。筆者は1400GTRにクラウザー社製K5ケースをトップケースとして取り付けている。このK5ケースが荷台から後ろにはみ出す長さは15cm程度なので、1400GTRに乗る際にいちいち警察署に出向く必要こそないが、上のような状況では、このK5ケースがブレーキランプの被視認性を低下させている可能性がある。そこでブレーキランプの被視認性の低下を補うことを目的にハイマウントストップランプを取り付けてみることにした。 四輪車のハイマウントストップランプはその名のとおり高い位置に取り付けてある。二輪車のトップケースは比較的高い位置に取り付けられているので、そのトップケースにブレーキランプと連動する赤いランプを装着すれば、ハイマウントストップランプとして機能させることができるだろう。トップケースの種類によっては、メーカーオプションとしてストップランプが用意されている場合があるが、筆者のK5ケースには残念ながらその設定はない。そこで市販の赤色ランプをK5ケースに取り付けてハイマウントストップランプとしてみることにした。そのような用途に使うことのできそうな赤色ランプを調べてみたところ、DirtFreak社から販売されているMOTOLEDファントムテールライトという製品がよさそうなことがわかった。この製品はオフ車のリアフェンダーの上に取り付けることを想定した製品であるが、これをK5ケースの上蓋に取り付ければ、被視認性の高いハイマウントストップランプとなるだろう。 MOTOLEDファントムテールライトは光源に8個の赤色高輝度LEDを使用した防水仕様のテールライトである。通常は尾灯兼制動灯として使用するが、尾灯の配線を行わなければ、制動時だけに点灯するストップランプとしても使える。この製品を取り付けるには、ベースに3ヶ所(ネジ穴×2、配線用穴×1)の穴を開ける必要がある。K5ケースの上蓋の後寄りにその穴を開け、裏からネジ留めで製品を固定する。ストップランプの電源は車体側ブレーキランプから分岐して供給するが、トップケースを着脱すること考慮すると、配線は何らかのコネクターを介して接続しておきたい。そこで比較的厚みが小さいUSBコネクターを利用することにした。USBの延長ケーブルを購入して半分に切断し、ケース内部でストップランプの配線にUSBメスコネクターを取り付けておく。K5ケース前方にはUSBオスコネクターが通る長方形の穴を開け、その穴のすぐ内側にUSBメスコネクターを固定する。こうすればK5ケースの外側からUSBオスコネクターを内部のUSBメスコネクターに対して簡単に抜き差しできる。ストップランプの電源は、以前GIVIケース内蔵のストップランプをハイマウントハザードにしたときの点滅コントロールユニット出力につないでおいた。 K5ケースの上蓋に装着したハイマウントストップランプは、トップケースのメーカーオプションとして用意されるビルトインタイプのブレーキランプと比較すると、かなりの後付け感があるのは否めない。しかし筆者的には、追突されるリスクを緩和することができるのであれば、この程度の後付け感は十分受け入れ可能である。また、そもそもハイマウントストップランプを取り付ける動機であった、後方の高い位置からの被視認性については申し分ない。ノーマルのブレーキランプが見えない程の後方の高い位置からでも十分視認できる。このハイマウントストップランプを取り付けることで、ハイマウントハザードも復活した。これにより渋滞末尾で後続車に追突されるリスクも緩和されるはずである。 |
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ディフレクター(前から) | ディフレクター(横から) | ディフレクター(後ろから) | ||||||||||||||||||||||
この冬の首都圏は例年より寒いような感じで、毎朝の通勤時に指先が凍えることが多いような気がする。1400GTRのグリップ回りの防風性の低さは、この優れたツアラーの数少ない欠点である。昨年11月に取り付けたグリップヒーターは、手の平を効果的に暖めてくれるが、走行風の直撃を受ける指先は走り出すとすぐに冷たくなってしまう。気温が摂氏5度を下回るような朝には、10分も走れば指先が凍え痛みを感じ始めることになる。歳を重ねるごとに虚弱体質化が加速しつつある筆者には、指先の凍えが大変つらい。2010年型1400GTRはバックミラーの位置がそれまでより上に移され、指先を直撃する走行風は幾分和らいでいるらしいが、2009年型以前のオーナーにとってハンドルグリップ付近の防風性の低さは共通の悩みのようであり、それを改善するために様々なトライが行われている。 ハンドルカバーはグリップ部を袋状の布で覆うものである。カブなどの働くバイクに取り付けられているのをよく目にするもので、ルックスはイマイチだが実用性は高いという。2008年型1400GTRに乗るO氏は、近所のホムセンで購入した売価980円のハンドルカバーを愛用されており、氏曰く、コレが最強でどんな極寒でもグリップヒーターすら必要ないらしい。氏の説を聞く限り、ハンドルカバーはコストパフォーマンスに秀でていることは明白なようである。同じようなアイデアにハンドガード(ナックルガード)がある。これはハンドルにマウントする風除けのことで、左右のグリップ直前に位置する。オフ車にブッシュガードと称して取り付けられているのを目にすることもある。保温性の点ではハンドルカバーにやや劣る可能性があるが、ルックス的にはハンドルカバーのビミョーな感じがない。2009年型1400GTRに乗るW氏は、大金を注ぎ込んだ工作機械を駆使して特大のハンドガードを自作された。氏曰く、この特大ハンドガードはどんな極寒でもグリップヒーターさえあればグローブは必要ないらしい。 スクリーン両脇のボディー部に、インナーカバーのマウントボルトを利用してディフレクターと呼ばれる風除けを装着する方法もある。2008年型1400GTRに乗るS氏は、器用にもアクリル板を一体成型したディフレクターを製作された。氏のディフレクターを装着すると、ハンドルグリップ付近にあたる走行風を防いでくれるので、ロングツーリングの快適度が飛躍的にアップするらしい。氏は家内制手工業でこれを量産して1400GTR Owner's Club内で手広く販売したところ、蔵を建てることができたという。フランスMotax社も同様のディフレクターを発売している。こちらの製品は金属ステーと樹脂製風除け板を組み合わせたハイブリッド構造である。筆者はこのディフレクターをネット上で見つけ、1400GTR Owner’s ClubのBBSを使って紹介しておいたところ、思惑どおりクラブメンバー数人が購入するところとなり、その材質・形状・使用感などの有益な情報を得ることができた。そこでそれらの情報を元にMotax社の製品に似たディフレクターを自作してみることにした。 ディフレクターのステーは手持ちの2mm厚のアルミ板とLアングルから切り出し、風除け板は3mm厚のアクリル板(グレースモーク)から切り出した。各パーツの形状は、可動するスクリーンや前後に折りたためるバックミラーに干渉しないよう配慮した。Motax社のディフレクターではスクリーンの内側に走行風を巻き込むことが指摘されていたので、それを避けるため風除け板は少し外側に傾けて取り付けておいた。塗装は暖かくなってから行うことにして、各パーツをM5のボルト・ナットで組み合わせ、とりあえず車両に装着して試乗することにしたが、ガレージから車両を出す際にハンドルを一杯に切ると、レバーが風除け板にマトモに干渉した。これは風除け板をアクリルヒーターで上に曲げることで回避することにした。手直しを済ませ、家の近所の一般道路でテストライドを行ってみた。 これまではぶ厚いウインターグローブをはめていても、走行中にはグリップを握る手には走行風を感じていたが、このディフレクターを装着した後では全く感じられなくなった。試しに走行中ハンドルから左手を離し、拳を少しずつ上にあげてみると、ハンドルから約15cmの高さより上で走行風が感じられた。このことから、このディフレクターはハンドルグリップ付近の走行風を効果的に防いでいると思われる。VStreamウインドシールドの防風性能ともあいまって、街中の60km/hまでの走行速度では、走行風といえるものは身体のどの部分でもほとんど感じられないようになった。同程度の速度域までではスクリーンの内側に走行風を巻き込む現象も感じられない。走行風でディフレクターが動揺するようなこともなかった。 2月最後の日曜日、そぼ降る雨の中を東京から栃木県宇都宮まで高速道路のテストライドに出かけてみた。気温は都内が摂氏5℃、宇都宮に近づくにつれ3℃まで下がった。摂氏3℃はグリップヒーターを全開にしていても筆者のJRP製ウインターグローブでは指先が凍える気温である。さすがにこの気温の中高速道路を走ると、グリップヒーターの温もりは手の平にあまり感じられなくなるが、ディフレクターの防風効果は上々で指先はまったく凍えることがなかった。スクリーンを最も高くした高速道路走行ポジションでも、スクリーンの内側に走行風を巻き込むことはなく、走行風でディフレクターが動揺することもなかった。また、今までは高速道路上では手からヒジにかけて走行風があたっていたが、ヒジの辺りの走行風も弱まったような感じで、ジャケットがバタつく程度が低くなったことが体感された。これにより長距離走行時の疲労度が少し軽減されるのではないかと思われる。 |
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デジタル温度計 | エアダクトにプローブを固定 | 他の温度計との比較 | ||||||||||||||||||||||
ちょうど2年前に取り付けたアナログ温度計は、その機構上直射日光が当たると実際の温度よりもかなり高い温度を示す。指先がかじかむほど寒い日でも、直射日光が当たると摂氏30℃以上を示してしまうこともある。そもそも温度計を装備した主な目的が、冬季に正確な気温を知り、二輪車にとって危険極まりない路面の凍結を察知することであるから、これではあまり役に立たないことになる。プローブ(温度検出部)が別体のデジタル温度計を使ってラムエアダクト内の温度を計れば直射日光の影響を受けないが、奥行きの短い(薄い)サイズのデジタル温度計が見つからなかったのでそのまま放置していた。ところが最近になって、2009年型1400GTRに乗るL氏が、観賞魚用水温計を温度計として自車に装備されたことを知った。確かに、熱帯魚などの観賞魚を飼育するためには温度管理が重要であるので、多種多様な温度計が販売されている。そこでこのアイデアを拝借することにして、ジェックス社のマイクロデジタル水温計DT-10という観賞魚用の水温計を温度計として使ってみることにした。 この温度計の良いところは、ボディーの色や質感がメーター右側の取り付け位置であるインナカバーに近い。取り付けは両面テープで行うので、前面から電池が交換できるのも都合がよい。製品を手に取ると、思っていたより液晶の温度表示部分が小さかったが、表示される温度(数字)のサイズはメーター内の液晶表示のそれとほぼ同じなので視認性に問題はないだろう。まずは温度計を分解して基板を取り出し、ハヤコート、エポキシ接着剤、シリコングリス等を使用して防水加工を施しておいた。さらにプローブのコード取り出し位置を側面から後面へ変更した。こうしておけば温度計を貼り付けたときにコードが見えないので美しい。以前のアナログ温度計を取り去り、その跡地にコードを通す穴を開けこの温度計を貼り付ける。プローブは右側ラムエアダクトの側面に穴を開け、そこに差し込んでホットボンドで固定した。温度計とプローブ間のコードは一旦切断し、2極のコネクターで付け外しできるようにしておいた。 この温度計で直射日光の影響を受けずに気温が計れるようになった。プローブはエンジンの熱の影響を受けないように、ラムエアダクト空気取り入れ口の近くに設置した。エンジンがかかっているときは、常に外気がラムエアダクトに吸い込まれるので、エンジンの熱の影響はほとんど受けないようであるが、走行後エンジンを停止すると、温度計が示す温度はそれまでより高くなる。これは外気の流入が止まるので、エンジンの余熱でラムエアダクト内の空気が暖められるのであろう。この温度計の分解能は0.1℃、温度表示インターバルは10秒ごとであるので、せわしなく温度表示が変化する印象がある。走行中に温度を長時間凝視することはないので大きな問題ではないが、バイク用の温度計としては0.1℃刻みより、2010年モデルに標準装備されている温度計の1℃刻みの方が適しているような気がする。この温度計が示す温度を別の複数の温度計を使って検査してみたところ、表示される温度については問題がないことがわかった。 |
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ラジエターガード | 取り付け状態右から | 取り付け状態左から | ||||||||||||||||||||||
筆者の2008年型1400GTRのラジエターはアルミ製でその色は元々シルバーであるが、納車後2年が過ぎ、ラジエターのフィンについた汚れでラジエター全体が黒っぽくなってきた。ラジエターは外からは見えにくい位置にあるので普段はあまり気にならないが、あらためてシゲシゲとラジエターを見ると、全体がかなり汚れてしまっていることに気付くのである。ラジエターのフィンは非常に柔らかくデリケートなので、ブラシなどで汚れを落とそうとするとフィンを曲げてしまうことがある。この汚れは水道水を強くかけたぐらいでは落ちない。スチーム洗浄機を使えばキレイになるらしいのだが、筆者はそのような気の効いた道具を持っていない。 このようなとき、台湾Projekt D社が販売しているラジエターガードに、新たにブラック塗装のバリエーションがラインナップされたのを知り購入することにした。同社のラジエターガードはステンレス製の枠にアルミ製のネットを張ったもので、価格が比較的リーズナブルな割にはロゴ(1400GTR、Concours14等)がチョイスできたりして魅力的である。これまでは塗装されていないステンレス生地の製品がラインナップされていた。1400GTR Owner’s Clubの中にもこれを装着しているメンバーが少なくない。筆者もこの製品のことは知っていたが、今まで飛び石などでラジエターが壊れた経験もなく、特にその必要性は感じなかった。むしろ重量増と冷却効率の低下の懸念が払拭できなかったので、いままで購入には至らなかったが、ブラック塗装品であれば、汚れたラジエターフィンと渾然一体となり、汚れを隠す効果が期待できそうな気がしたので購入してみることにした。 デリバリーされたラジエターガードの作りは特に可もなく不可もなく普通であった。ブラック塗装は裏面も含めて塗装ムラもなくキレイに仕上げられていた。全体的に見て特に高品質という感じはしないが、主に汚れ隠しの用途で見えにくい部分に装着するパーツとしては筆者的には何の問題もない。デリバリーされた時点でラジエターガードの形状はラジエターの形状にフィットしておらず、取り付けの際にラジエターガードをかなり大胆に曲げたり伸ばしたりして、ラジエターの前面に沿うよう何度も調整する必要があった。ラジエターガードの上部をしっかり曲げ、下部はむしろ伸ばす方向で調整するのがうまくフィットさせるコツのようであった。またこのフィッティングの際には、ステアリングステムのロアブラケットに付いているホーンが邪魔になる事があるので、あらかじめ外しておいた方がよいだろう。さもないと、筆者のようにラジエターガードでラジエターフィンに傷をつけ、本末転倒を具現化してしまうことがある。 購入のねらいとした汚れ隠しの用途としては申し分ない。このラジエターガードを装着した後は、ラジエター部分があたかも最初から黒色であったような雰囲気となり、汚れが目につかなくなくなった。ラジエターガードは雨天走行等で汚れても、スポンジ等でゴシゴシ洗うことができるのは精神衛生にも良いかと思う。冷却効率の低下については、寒い時期でもあり、今のところ体感するには至っていない。 |
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Fフェンダーエクステンダー | ウラ面取り付け状態 | 取り付け状態 | ||||||||||||||||||||||
台湾Projekt D社のフロントフェンダーエクステンダー(以下エクステンダー)を購入した。このパーツはフロントフェンダーを延長(エクステンド)してフロントタイヤが跳ね上げた泥水が飛び散るのを防ぎ、ロアカウル・エキパイ・ラジエター等の汚れを軽減する。取り付け位置はフロントフェンダー(以下フェンダー)後端である。その位置はタイヤの跳ね上げる泥水や乱れた走行風が直撃する部分なので、エクステンダーにはそれなりの強度が必要である。さらにその位置の後方にはエキパイがあるので、エクステンダーはある程度の耐熱性を持つ必要がある。例えばアクリル樹脂は80〜100℃程度で変形してしまうので、エクステンダーの材質としては不向きである。実際に1400GTR Owner’s ClubのW氏がアクリル樹脂でエクステンダーを自作しフロントフェンダー後端に取り付けてみたところ、エキパイの放射熱でエクステンダーが萎えてしまったという。 エクステンダーは、あらかじめ製品に貼り付けられている両面テープとキットに同梱されているタッピングビスでフェンダーに取り付ける。フェンダーは取り外さなくとも作業は可能なようだが、筆者は念のため外して作業することにした。フェンダーを取り外すには、樹脂製のホースクランプ(92037-1827)3個を外す必要があるが、その内1個はかなり外しにくいことが判っていたので、カッターナイフでクランプを破壊して外し、戻す際にはそのパーツを調達して使用した。フェンダーを取り外して裏側を洗浄する。その後両面テープでエクステンダーを固定するが、これはタッピングビスでエクステンダーを固定するまでの仮止めと考えた方がよいだろう。エクステンダーの形状はフェンダー裏面に完全にフィットしないので、 両面テープも面ではなく点でフェンダー裏面に接している感じである。このままで使用すれば、しばらくしてエクステンダーが脱落するに違いない。 仮止めしたエクステンダーをフェンダーの裏面から見ると、エクステンダーがフェンダーのホースクランプベースに少しかぶっていることがわかった。ホースクランプの固定そのものには問題がなさそうだが、ホースクランプを外す際に、そのかぶった部分が邪魔になってプライヤーが入らない可能性はある。かぶった部分を削ればよいのだが、フェンダーを取り外すこともそう何度もなかろうと考え、面倒クサイのでそのままにした。 次にタッピングビスの下穴を4箇所に開ける。下穴の正確な位置は英文の取付マニュアルにも記載がなく、写真を見ながら適当に決めた。筆者の場合、まずドリルを使わずドリルビットを指で回してフェンダーだけに下穴をあけ、その後そのドリルビットをドリルにセットし、先に開けた下穴にドリルビットの先端を差し込んでエクステンダーに下穴をあけた。両面テープで仮止めしたエクステンダーはフロントフェンダーから少々浮いているので、ドリルで下穴を開ける際にはエクステンダーを手でフェンダーにに押しつけながら開けると、最終的にきれいなフィッテングを得ることができる。タッピングビスでエクステンダーを固定した後、走行中にエクステンダーが脱落することのないよう、きちんと取り付けられているかを確認する。最後にフェンダーを車体に戻して作業は完了した。 取り付け後数日して雨天走行を行うことになったが、このエクステンダーはとても良い仕事をしていることが確認できた。ロアカウルの最下部は汚れるものの、エキパイやラジエターの汚れはかなり軽減されるようだ。強度や耐熱性についても、いまのところ全く問題はない。なお、このエクステンダーは単体で注文すると$30だが、ラジエターガードと同時に注文すれば$10で購入できることを付記しておく。 |
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フロントアクスルスライダー | 取り付け状態 | |||||||||||||||||||||||
スライダー祭りの仕上げとしてフロントアクスルスライダーを取り付けてみた。先に取り付けたスイングアームスライダーと同じ台湾Projekt D社の製品である。同社で販売しているフロントアクスルスライダーのスライダー部分は黒色樹脂製のもの以外に、同形のアルミニウム製(全6色)およびチタニウム製(全1色)がある。筆者の車両には既にProjekt D社製のフレームスライダーおよびスイングアームスライダーが取り付けてあり、それらのスライダー部分はすべて黒色樹脂製であるので、フロントアクスルスライダーも一番廉価な黒色樹脂製を選択した。これで取り付けたスライダー3点はすべて廉価なProjekt D社黒色樹脂製のものとなったが、それはそれで統一感が出て筆者的には悪くないと思っている。なお、現在はこれら3点のスライダーをセットで購入することができ、その場合はそれぞれを単体で購入するよりお買い得な価格で入手できる。 フロントアクスルスライダーの取り付けは、中空のフロントアクスルにアルミ製のカラーを通し、それに左右からスライダーをボルト留めするだけで、所要時間は30秒以内、誰にでもサルにでもできる作業である。カラーの長さは、両方のスライダーが付属のボルトの有効長一杯を使って固定されるような丁度よい長さであり好感が持てた。ただし取り付けがあまりにも簡単なので、取り付けたという実感があまり湧かなくて、取り付け後もそこに目が行かないのは不思議な感じである。このフロントアクスルスライダーも1400GTR Owner’s Club内では、そのコピー品も含めるとかなりの数のメンバーが装着するに至っている。これも自分だけはこのパーツの効果を試す最初の人とならぬよう、稽古に精進を重ねる毎日である。ノコッタ!ノコッタ! |
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スイングアームスライダー | めり込んだワッシャー | すり鉢状に変形したワッシャー | ||||||||||||||||||||||
大径高剛性ワッシャーに交換 | 左側取り付け状態 | 右側取り付け状態 | ||||||||||||||||||||||
1400GTRの特徴的なスイングアームであるテトラレバーは、その形状ゆえに転倒時に地面に接触する場合がある。転倒時に接地するのは、下側に張り出したロアスイングアームとハブキャリアが締結してあるピボット部分である。転倒時には、そのピボット部分に取り付けてある樹脂製のキャップがまず接地し、転倒の状況によりピボットの金属部分も接地する。筆者が以前立ちゴケした際には、樹脂製のキャップが傷つくだけで済んだのは幸いだった。転倒時にスイングアームが傷つくバイクもめずらしいが、必要は発明の母とはよく言ったもので、台湾Projekt D社はそのピボット部分を保護するための樹脂製のスライダーを開発した。スイングアームスライダーと名付けられたその製品は、ピボットの樹脂製キャップを置き換えるものである。ピボット締結ボルトが中空であることを利用して、そこにボルトを通しスライダーを固定する。スライダーは樹脂キャップに比べ横に張り出しているので、転倒時にはこのスライダーが接地し、ピボットの金属部分と地面との間にクリアランスを確保する(はずである)。筆者はこのアイデアにいたく感心し早速製品を取り寄せてみることにした。 筆者がProjekt D社に注文を出そうとした時点で、同社のサイトにはこのスイングアームスライダーを左側ピボットに取り付けた写真しか掲載されていなかった。注文単位も1個ずつである。このことから、このスイングアームスライダーは左側だけにしかつかない可能性もあった。しかし転倒は左側だけとは限らないのはサルでもわかる。そこで自車の右側スイングアームのピボット樹脂キャップを外してその構造を調べてみたところ、ピボット締結ボルトは左側と同じ中空であることがわかったので、思い切って2個注文を出した。約一週間を経てデリバリーされたスイングアームスライダーには、樹脂製スライダー本体の他に、首下長120mmのM6キャップボルト、ナイロン緩み止めナットおよびワッシャーが付属していた。取り付けはピボットの樹脂製キャップをマイナスドライバーでこじって取り外し、そこにスイングアームスライダーを付属のキャップボルト、ワッシャー・ナットで取り付ける。マイナスドライバーで樹脂製キャップをこじる際には、ドライバーを下から入れると、誤ってスイングアームに傷を入れても精神的ダメージが少ない。左側は難なく取り付けることができたが、右側は付属していたキャップボルトは長すぎて使えないことがわかり、別に首下長100mmのM6キャップボルトを調達し取り付けることになった。 左右両側にスイングアームスライダーを取り付け後、各方向からデジカメで写真を撮り、その画像をPCで見ていたところ、付属のワッシャーが締め付けたナットにより大きくすり鉢状に変形してピボット内側面にめり込んでいることを発見した。この部分はスイングアーム内側の普段は見えない(見ない)ところなので、写真を撮らなければこのワッシャーの変形は発見できなかっただろう。この原因として考えられるのは、ピボット中心のスイングアームスライダー取り付けボルトが通る穴が大きく、キット付属の薄いワッシャーではナットの締め付け力に耐えられないことであろう。これはついてはホームセンターで強度のある大径のワッシャーを調達し取り換えて対処した。上で学習した事柄を1400GTR Owner’s ClubのBBSに書き込んでおいたところ、驚いたことにProjekt D社はすぐにスイングアームスライダーを左右2個セットで売り出した。しかもそのセットに付属のボルトは首下120mmと100mm、さらに付属のワッシャーは以前と同径ながら厚みのある強度の高いものに変更されていた。さすがは誠実な商売をしているProjekt D社であると感心しきりである。 1400GTR Owner’s Club内でこのスイングアームスライダーは、そのコピー品も含めるとかなりの数のメンバーが装着するに至った。自分だけはこのパーツの効果を試す最初の人とならぬよう、精進にも精進を重ねる毎日である。 |
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