KAWASAKI 1400GTR 2008 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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亀裂入りHIDバーナー | しまりす堂HIDバーナー | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ドライビングランプバルブを交換してから数日後、朝の通勤時にヘッドライトのHIDバーナー(左側、中華製)が点灯していないことに気付いた。バイクを停めてヘッドライトスイッチを操作してみたところ、通電すると一瞬スパークするのだが点灯にまで至らない。点灯しないHIDバーナーよく見ると、ガラス部分(発光部分より先端寄り)に亀裂が入っていた。このHIDバーナーに交換する前に使っていた中華製HIDバーナーも約2年で切れたが、同じくガラス部分には亀裂が入っていた。H4スライド方式HIDバーナーの場合、Hi/Lo切り替え時にHIDバーナーには少なからず衝撃が加わるので、ガラス部分に疲労が蓄積され、やがて亀裂が入ってしまうのだろうか。 このHIDバーナーを使用した期間はドライビングランプと同じ22ヶ月で、計算上の点灯時間も同じ700時間程度である。こちらも自動車用ハロゲンバルブよりは長持ちしたが、普通HIDバーナーは2000時間ほど使用し光量が新品の70%に低下した時を寿命とするらしく、物理的に壊れる寿命というものは想定されていないらしい。1400GTRは2灯式ヘッドライトなので、片側が点灯していれば夜間走行に大きな支障はないが、TMAXよろしくこのまま放置するわけにもいかない。HIDバーナーに亀裂が確認できたので、今回の不点灯の原因がバラストの故障である可能性は低いと考え、HIDバーナーを単体で調達して交換することにした。 HIDバーナー単体はしまりす堂で調達することにした。しまりす堂はインターネットによるLED販売のパイオニア的存在であり、LED灯火カスタムの黎明期から今日に至るまで、実に魅力的な品揃えでLEDフリークをサポートしている。筆者が2004年暮れに初めてLEDカスタムに手を染めたとき、このしまりす堂から必要な材料を仕入れた。そのしまりす堂のサイトを久しぶりに訪ねてみたところ、HIDコンバージョンキットの取り扱いを始めていて、HIDバーナー単体も販売していることがわかった。しまりす堂が販売するものであれば、中華製のHIDバーナーであっても、粗悪品に当たる可能性は低いに違いない。そこでラインナップ中の「35W H4 (Hi/Lo) 4300K」を取り寄せることにした。価格は2個セットで2800円とリーズナブルであり、有名メーカー製H4高効率ハロゲンバルブの実勢価格より安いぐらいである。早速注文を出したところ、いつものことながら商品は迅速に発送され、翌日には自宅に届いた。 HIDバーナーの交換作業は古いHIDバーナーを外し新しいものに(左右共)交換するだけで、コネクターの互換性も保たれていたので文字どおりポン付けである。カラ焼きを兼ねて新しいHIDバーナーをヘッドライトユニットの外で点灯させてみたところ、ちらつきなどの問題はなく、2個のHIDバーナー間の色温度の差も、安定点灯後は認められなかった。最近のHIDはカラ焼きをしても煙などは出ないが、万一に備えて一応やっておいた。筆者は昔、青く着色された安物のハロゲンバルブをカラ焼きせずにランプユニットに入れ、初めての点灯でユニット内に煙を充満させリフレクターを曇らせてしまった苦い経験がある。 HIDバーナーの交換時にヘッドライトユニット後部に取り付けるゴムのシールカバー(49016-1209, COVER-SEAL, HEAD LAMP)を新しいものに交換した。HIDバーナーを通すための切り込みを入れていた古いシールカバーは硬化して弾力性が失われていた。今回調達したHIDバーナーはシェードを外してシールカバーの穴にHIDバーナーを通し、その後シェードを取り付けて、シールカバーに切り込みを入れずにおいた。ヘッドライトユニットに組み込んだ新しいHIDバーナーを点灯させてみると、古いHIDバーナーより明らかに明るいことが体感できた。これはつまり700時間使用した古いHIDバーナーに光量低下が起きていた証左だと考えるのが妥当であろう。 |
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キレた左側ドライビングランプ | 交換用バルブ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2009年10月に装備したPIAA 1100X Platinumドライビングランプの(左側)バルブ(ダイクロイックハロゲンバルブ)が寿命を迎え点灯しなくなった。使用した期間は22ヶ月、計算上の点灯時間は700時間程度(通勤1.5時間 x 20日 x 22月 + チョイ乗り + ツーリング)である。ショーウィンドーなどに使われる、自動車用でないダイクロイックハロゲンバルブは2000〜4000時間もの寿命を持つらしく、それと比べるとかなり短いように感じるが、一般的な自動車用ハロゲンバルブの寿命は200〜500時間ということらしいので、それよりは若干長く使えた。電圧変化や振動などの条件が厳しい環境に取り付けられていたバルブであることを考慮すれば、筆者的にはこの寿命には満足すべきであろう。 これは最初からわかっていたことだが、このドライビングランプの交換用バルブは国内には流通していないので、海外から調達する必要がある。そこで交換用バルブの品番(D-12/15352/70125)をインターネットで検索しヒットした米国サイトをいくつか比較して、送料を含む合計費用が一番安い米国Amazonからこのバルブを調達することにした。米国Amazonに発注したのが10月6日(日本時間、以下同じ)、出荷されたのが10月9日、その時点でAmazonの注文状況には予想配達日10月31日とあったが、実際に自宅に配達されたのが10月13日であった。米国Amazonは在庫品であればモノはかなり早く届くことは聞いていたが、注文から約一週間で届いたことには正直驚いた。配達時に通関費用や国内消費税は請求されなかった。今回の調達にかかった費用は下のとおりである。
届いた交換用ダイクロイックバルブのパッケージは、あたかも日本国内で流通しているような全面日本語表記のものであったが、どうやらこのパッケージのまま米国内で流通しているようである。PIAAは市光工業と関係が深いらしいので、たぶんこのバルブも市光工業が生産しているのであろう。日本のメーカーが作っているものを米国から輸入するというのも一見バカらしいようにも思えるが、昨今のグローバル化・ボーダレス化が消費者により多くの選択肢を与えているとポジティブに考えればよい。バルブの交換は、ドライビングランプの前面ベゼルを外し、内部に固定されているダイクロイックハロゲンバルブをごっそり換えるだけなので、プラスドライバー一本あればサルにでも作業できる。バルブは左右とも新しいものに交換し、まだ使える古い右側のバルブは予備として保管しておくことにした。 |
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旧フロントブレーキパッド | 前後ブレーキパッド | 旧リアブレーキディスク | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
旧リアブレーキディスク残厚 | 新リアブレーキディスク | 新リアブレーキディスク | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
実施日:2010/08/20 タイヤ交換の為ホイールを車体から外した際、前後ブレーキパッドとリアブレーキディスクローター(以下リアブレーキディスク)を新しいものに交換した。フロントブレーキパッドは新車時から4万キロ近くを走行して初めての交換となる。左右8枚の旧フロントブレーキパッドライニングはそれぞれで摩耗状態が異なり、最も減りが多かったライニングの最薄部と、最も減りが少なかったライニングの最厚部では厚みに1.3mmもの差があった。リアブレーキパッドライニングの残厚はまだ余裕があったが、リアブレーキディスクを新品に交換するので新しいものにした(6回目/7セット目)。 リアブレーキディスクはかなり摩耗しており、ブレーキパッドライニングが接触する部分とそうでない部分の段差が目視で確認できる。リアブレーキディスクを酷使してきた証拠に、ハブ部分は焼けたように変色している。同じ1400GTRでも、このような変色がみられる個体は多くなく、筆者がリアブレーキに頼ったライディングをしていることが裏付けられる。リアブレーキディスクには”MIN.TH. 5MM”の刻印があり、これはサービスリミットが5mm厚であることを示している。旧リアブレーキディスクの残厚を測ってみたところ4.6mmしかなく、サービスリミットを大きく超えてしまっていた。サービスリミットはある程度の安全マージンを含んでいるとはいえ、走行中にリアブレーキディスクが破損すると面倒なことになる可能性があるので、もう少し早く交換すべきだったようである。 新しいリアブレーキディスク(カワサキ純正品)の厚みは実測5.35mmだった。仮に新車時にも同じ厚みであったとすると、約4万キロで0.75mm摩耗したことになるので、筆者の乗り方ではインターバル2万キロ足らずでリアブレーキディスクがサービスリミットに達する計算になる。ちなみにサービスマニュアルに記載されているリアブレーキディスクのサービスリミットは5.5mmなので、今回取り寄せた新品リアブレーキディスクは既にサービスリミットに達していることになる。マニュアルの記載ミスに違いないが、大枚はたいて買ったサービスマニュアルが役に立たないのは少し悲しい。 |
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旧タイヤ(Z6) | 空中浮揚術 | 新タイヤ(Z8) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2009年11月に装着したメッツラー ロードテック Z6 インタラクト(以下Z6)は、筆者がこれまでに体験したことがないほどにエアーの減りが少ないタイヤである。このタイヤを装着して最初の1年間にエアーを補充したのは二回だけで、空気圧センサーは長期間安定して290kPa(標準値)前後を示していた。今年に入ったあたりから、トレッドの摩耗が進んでゴムが薄くなったせいか、それまでよりやや早くエアーが減るようになってきたが、それでも春先に一度補充を行っただけである。そして夏の酷暑も一段落した8月後半、空気圧センサーが270kPaあたりを示し始めた。エアーを補充するため、勤め先から自走で帰宅してエアーコンプレッサーを起動し、エアーを貯めている間にリアタイヤの空気圧を測ってみたところ、不思議な事にエアゲージは50kPa程度を示した。状況がよく理解できず、とりあえずエアーを補充してみたところ、シューシューという音がする。調べてみると、なんとトレッド中央部分に金属片が刺さっていた。ついさっき雨の中を自走で帰宅したばかりだが、走行中に空気圧センサーの警告は出ていなかったので、その金属片は自宅のごく近くで拾ったものに違いない。 金属片はちょうど折れたカッターナイフの刃のような形状で、トレッドのセンター部分にほぼ垂直に刺さっていた。トレッドが切れた長さは15mm程もあり、これでは普通のパンク修理で使うプラグなどでは塞ぎようがない。タイヤをホイールから外して裏側からパッチを貼るなどしない限り修理できそうにないが、ハンドツールで190のタイヤをホイールから外すなど、腕力の衰えた筆者には不可能である。秋のツーリングシーズン前にはタイヤを交換しようと考えていたこともあり、この際少し前倒しでそれを行うことにした。パンクしたときのオドメーターは39,548kmだったので、Z6での走行距離は16,548kmとなる。ライフ的には十分満足のいく結果であるといえる。プロファイルの崩れ方としては、フロントはセンター両側が比較的平らに摩耗したが、リーン時のステアリングの切れ込みはブリジストンBT-021ほど強くはなかった。リアは主にセンターが平らに摩耗した。目で見た劣化の程度は前後同じような感じで、その意味ではバランスが良い。 パンクしたタイヤでは自走できないので、タイヤ交換には前後ホイールを外しクルマに積んでタイヤ屋に持ち込む必要がある。翌土曜日朝ホイールを外してクルマに積み、ついでに同行したそうだったイヌも積んでご近所のSpeedstarに向かった。午前9時半の開店5分前に店に到着したが、既に先客がいてタイヤ交換作業が始まっていた。そこでホイールを店に預けて近くのホームセンターまで買物に行き、小一時間後に戻ってみると、ホイールには既にメッツラー ロードテック Z8 インタラクト(以下Z8)が装着されていた。代金の45,800円を払ってホイールをクルマに積み、満足したイヌとともに帰宅した。すぐにホイール装着作業にとりかかるが、ホイールを外したついでに前後ブレーキパッドとリアブレーキディスクローターの交換も行ったので、作業は昼食をはさんで午後までかかった。作業完了後、皮むきに近所を一回りしただけだが、やはり新しいタイヤはバイクにその本来の運動性能を発揮させてくれる。このZ8のセールスポイントである、スポーツタイヤ並みのハイグリップ、高いウェット性能、耐久性と性能持続性などがどこまで本当なのか、今からとても楽しみである。 |
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サンバイザー | サンバイザー | サンバイザー | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
先月取り付けたカーナビ(ユピテル社製イエラYPL502Si)に自作のサンバイサーを取り付けた。以前は昼間の強い太陽光の下で液晶画面の判読はほぼ不可能であったものが、サンバイザーの影になる部分は何とか判読できるようになった。サンバイザーは2mm厚の塩ビ板から切り出し、ヒーターで曲げ加工して製作した。以前1mm厚の塩ビ板で試作したサンバイザーは走行風によりかなり動揺したが、今回のものはしっかりしている。サンバイザーの固定はカーナビ上部の金具にM5のタップを立てボルトで固定した。サンバイザーはナビ本体に防雨用のビニール袋を被せてから固定するため、ボルトが通る小さな穴をビニール袋に開ける必要があるが、穴部分は上下から金具ではさみ込まれるので、雨が内部に入る心配はない。 |
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サンワサプライ CAR-CHR53U | スマホ充電中 | エネループ充電中 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
筆者は昨年11月、遅ればせながらスマホ(NTT docomo社 Galaxy S SC-02B)を導入した。巷でよくいわれるように、スマホのバッテリーは消耗が激しく、それは筆者のスマホも例外ではない。筆者の場合、Wi-FiやGPSを停止した状態で待ち受け状態にした場合、満充電から丸2日でバッテリーがほぼ空になる。バイクで一泊二日のキャンプに出かけるような場合、出発の朝に満充電であっても、途中の休憩中Webサイトを見たりツイッターで呟いたりすると、翌朝にはスマホの電源が入らない。つまりバッテリーを充電するか、代わりの充電済みバッテリーに取り替えないと、帰路でアクシデントに遭ったとしても110番通報すらできないことになる。 筆者はそれまで使っていたガラケーのバッテリー持続時間とのあまりの違いに愕然とし、一度は怪しい中華製の分厚い大容量バッテリー(公称3500mAh)を使ってみたりもしたが、純正バッテリーより明らかに長持ちしたのは初めの1ヶ月程で、その後短期間で24時間以下のバッテリー持続時間となったため使用を中止した。性能の劣化が(国内メーカー品並みに)緩やかな、中華製互換リチウムイオンバッテリーに筆者は未だお目にかかったことがない。デジカメの予備電池も、やはり純正品に限るというのはもはや定説に違いない。 世の中にはスマホのバッテリー消耗で困っている人がたくさんいるようで、クルマ内のシガーライターソケットに差し込みスマホを充電するカーチャージャーと呼ばれるデバイスが市販されている。これはDC12VをDC5Vに変換するDC-DCコンバーターで、USBジャックに5Vが出力される。バイク専用品としても同様なものがあるが、こちらはアクセサリー電源(またはバッテリー)に結線するタイプで、USBジャック部分に防水を意図したキャップをかぶせることができる。筆者もこれらのデバイスを利用して、バイクでスマホを充電できるようにしてみることにした。 走行中にスマホを充電するためには、カーチャージャーを雨のかからない場所に取り付けたい。さらにガギのかかる場所であれば、セキュリティーの観点からも都合が良い。バイクでそのような場所は限られており、小物入れの無い’08-‘09型1400GTRの場合、シート下かパニア(トップ)ケースしかないだろう。筆者の場合、都合の良いことにトップケースには、後付けハイマウントストップランプに電源を供給するためのケーブルが既に敷設してあり、そのケーブル内の3芯(内1芯はシールド)が未使用である。そこでそれを利用しトップケース内にアクセサリー電源を引き込んで、手持ちのシガーライターソケットを取り付けた上でクルマ用のカーチャージャーを使ってみることにした。カーチャージャーはサンワサプライ社製CAR-CHR53Uを入手した。この製品は出力電流が1200mAで、ほとんどのUSB充電可能なデバイスに対応できる。 できあがった設備で特に問題もなく筆者のスマホが充電できることがわかった。さらに手持ちの外付けバッテリー(サンヨー社製エネループKBC-L2B USB出力付きリチウムイオンバッテリー)も充電できることが確認できた。この外付けバッテリーの説明書には、シガーライターを使って充電しないよう記載があるが、これはおそらく電圧変動による誤動作や電圧異常による故障をあらかじめ回避するための安全策に違いない。運用としては、バイクに乗るたびにスマホをバッグから取り出しカーチャージャーにつなぐより、常時この外付けバッテリーをカーチャージャーにつないで充電しておき、必要に応じてこの外付けバッテリーからスマホを充電する方が手間が少なくて済む。そこでしばらくこの方法で運用してみることにした。 |
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MOTOREX POWER SYNT 4T | デイトナ 67927 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
実施日:2011/07/31 このエンジンオイルにもそろそろ飽きてきたので、次回は長持ちオイルの誉れ高いKendallなどを試してみようと考えている。 |
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ユピテル イエラ YPL502Si | RAMホルダーツメ固定金具 | 取り付け状態 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
RAMマウントパーツ | ダイソースタイラスペン | パッシブミキサー | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2008年4月に導入したSONY社製NV-U2は、ソニータイマーが通常よりやや遅れて発動し、導入2年目を過ぎたあたりからタッチパネルに不具合が発生し出した。問題としては、タッチパネルに指やスタイラスペンが触れていないにも関わらず、突如として触れたような動作をしてしまうことである。結果として、ルート設定中には意図しないメニューが勝手に選ばれるので、ルート設定がかなりやりにくい。うまくルートが設定できたとしても、ナビゲーション中に地図が勝手にスクロールして現在地を表示しなくなるので、毎度々々現在地ボタンを押して地図を戻す必要がある。この問題はデバイスを両手で持って強く捻るような力を加えれば一時的に発生しなくなることがあるので、それを利用しながら一年ほどダマシダマシ使ってきたが、最近では問題の発生頻度がかなり高くなり使用に耐えない状態になってきたので、遂に買い替えることにした。 現在のPND市場はSONY NV-U2を導入した約3年前と比べると、デバイスの選択肢がかなり広がっている。国内外のメーカー各社から様々な機種が発売されており、価格も総じて下がっている。安価なものは10K円を切るものさえあり、機種選択に迷いが生じるような幸せな状況でもある。SONY NV-U2に発生したの不具合の原因はバイク特有のエンジン振動と考えられるが、バイクに取り付けるカーナビである以上、この振動から完全に逃れることはできない。そこで再度不具合が発生しても惜しげなく買い替えられるよう、今回は比較的安価なカーナビを選択することにした。いろいろ迷ったあげく、最終的にユピテル社製イエラYPL502Siを採用した。採用の理由としては、購入当時10K円台半ばだった価格、5インチ液晶パネル、外部電源連動On/Off機能、ヘッドホン端子装備、薄さとシンプルな外観、2011年度春版地図データ、オービス・取締りエリア警報機能などである。 YPL502Siは外部電源(5V)を直接デバイスに供給すればよいので、それを保持するには必ずしも付属のクレードルを使う必要はない。そこでバイクへの取り付けは、付属のクレードルを使わず、RAMマウントPDA用横型ホルダを新たに調達して使うことにした。RAMマウントであれば以前使っていたRAMマウントパーツの主要部分が再利用できる。NV-U2は購入当時50K円を超えるデバイスだったので、盗難を避けるためツーリングの時だけ取り付けて使用し普段は取り外していた。今回はYPL502Siが比較的安価なデバイスであるので、ある程度の盗難対策を施した上で常時取り付けておくことにした。具体的な盗難対策としては、YPL502SiをPDA用横型ホルダに強力両面テープで貼り付けた上で、ホルダの上側可動ツメを固定するワンオフ金具を製作して取り付けた。こうしておけば可動ツメを指で引き上げることができないし、YPL502Siを横方向から押しスライドさせてホルダから外そうとしても、強力両面テープで貼り付けてあるため動かない。RAMマウントアームは鍵付ロック(再利用品)で締め付けてある。 デバイス背面に内蔵されるスタイラスペンは、グローブをした手で取り外すことが難しいので、ダイソーでカールコード付スタイラスペンを入手しタンクカバーに取り付けておいた。YPL502Siのタッチパネルは安価な抵抗膜方式であるので、防雨用のビニール袋をかぶせた状態であってもスタイラスペンを使ってカーナビを操作できるのはありがたい。 残念ながらYPL502Siには筆者にとって致命的な欠点があることがわかった。それはヘッドホン端子からの出力にノイズが乗ることである。このノイズは入力インピーダンスが8Ω程度の安価なヘッドホンでは聞こえないが、入力インピーダンスのより高いヘッドホンには不快なノイズが乗ってしまう。筆者にとって困るのは、このヘッドホン出力をFTM-10Sのライン入力に入れたときにノイズがのることで、このノイズを聞きながらバイクに乗るとすぐに頭が痛くなるに違いない。現状ではヘッドホン出力をサンスイST-71トランスとパッシブミキサー(ウォークマン入力とミキシング)に通すことで比較的ノイズを小さくできているが、完全になくなったわけではない上に、ナビゲーション音声レベルが低く実用限度ぎりぎりといった感じで、まだ試行の余地が残されている。このヘッドホン出力にFMトランスミッターなどをつないだ際にノイズが発生する可能性のあることが、ユピテル社のWebサイトにもYPL502Siの取扱説明書にも記載されている。その意味でメーカーとして親切なのだが、筆者としてはこのノイズさえなければ、価格性能比的にかなりいい線をいっているカーナビデバイスであるだけに余計に残念である。 カーナビの機能については価格相応といったところかと思う。通電直後の自車位置の特定は遅く、以前の旧式なNV-U2と同程度の時間がかかる。トンネル内や高架道路が上にあれば素直に自車位置をロストするし、空が開けたとしても自車位置が復帰するまでにはそれなりの時間がかかる。このあたりの性能は、自律航法をサポートする各種センサーを搭載したNV-U2の方が高いが、筆者としてはこの安価なカーナビに多くを期待してはいないので特に問題とは感じない。GPS電波が十分に受信できる場所では、いまのところ問題らしい問題には遭遇していない。わかっていたことだが、強い太陽光の下では、液晶画面の明るさを最大にしていても地図の判読はほぼ不可能である。この価格帯では近い将来に半透過型液晶を採用したデバイスが出てくることはないだろうから、自作のサンバイザーなどで見やすくするノウハウを蓄えておくことは有益であろう。昼と夜の液晶画面の明るさ調整はセンサーではなく現在時間を元にして行っていて、これはとても潔い感じがした。ナビゲートする道路の選択はあまり賢い方ではないようで、家の近所の案内では「普通そこは通らんやろ」といった道をしつこく勧める。確かに、東京世田谷の生活道路は住人でもよくわからないことが多いので、その挙動は理解できなくもない。 カーナビを使うことがツーリングの目的になってしまわないよう注意しながら、しばらくこのデバイスと付き合ってみよう。 <2011年8月追記> |
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昨年5月に交換したK&N社製高効率エアーフィルターエレメントが装着後1年を経過したのでメンテナンス(洗浄・乾燥・オイル塗布)を行った。エアーフィルターエレメントには虫の死骸が2つほど挟まっていたが、その汚れは特にヒドイというほどではなかったので、筆者の乗り方では1年に1回のメンテナンスで十分かと思われる。1400GTRはエアーフィルターエレメントを取り出すのにかなりの工数がかかる。 |
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Kawasaki純正スライダー | 樹脂パッドレプリカ | スライダー取付状態 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
今年2月に東京都在住のT氏がコケた。氏によると、自宅から走り出して数キロのところでコーナリング中にホイールスピンをかまし、後輪のグリップを失って転倒したという。40Km/hほどの速度で転倒したとのことで、普通ならアンダーフェアリング、サイドフェアリング、ミラー、パニアケース等が地面にヒットして破損し、修理にはかなりの出費を強いられるケースである。ところが不思議なことに、それらのパーツは全くの無傷であった。筆者はT氏がコケたその日にその車体をこの目で検分したが、地面にコンタクトした痕跡をとどめるのは、彼の1400GTRに装備されていたKawasaki純正スライダーとスイングアームスライダーの大きく削れた樹脂パッドだけであった。筆者はこのことにより、Kawasaki純正スライダーの車体保護性能が、筆者の想像をはるかに超えていたことに気付かされた。さすがは「セレブなスライダー」の異名をとるだけのことはある。 筆者は納車後約半年程の2009年夏に立ちゴケし、ミラー・フェアリングカバー・ステップ等を交換したところ、27K強のパーツ代がかかった。この立ちゴケの後、Projekt D社から発売されたスライダーを取り付け、さらに2010年の暮れにGSG-Mototechnik社製スライダーを千葉県在住のS氏より譲り受けた。これらのスライダーを取り付けた後は、幸運にもここまでコケることはなかったので、これらスライダーの効果を確かめることはできなかった。しかし、どうやら高価なGSG-Mototechnik社製スライダーでも車体を完全に保護することはできないようであるし、Projekt D社製スライダーの方は、転倒のはずみで取り付けボルトが曲がってしまうと、スライダーの取り外しが困難になる懸念があった。そこでこの際、それらのスライダーを取り外し、代わりにT氏が身を挺してその性能を証明したKawasaki純正スライダーを導入することにした。 Kawasaki純正スライダーはフランスTop Block社のOEM製品、つまり舶来品であり、国内で普通に購入すると80Kは下らない。ヘタをすればLeo Vince製スリップオンマフラーより高い買い物いになる可能性がある。そこで海外の通販サイトを調べてみたところ、1400GTR Owner’s ClubのメンバーP氏が利用した実績があるドイツmoto24というサイトで、このスライダーが342.48ユーロ(送料別途55ユーロ)で販売されているのを見つけた。当時のレートは1ユーロ122円前後だったので、邦貨にして送料込み48,500円程である。英語のページも用意してあったので早速注文を出してみたところ、約20日ほどでモノが届いた。受け取り時に通関手数料と国内消費税として別途1,200円を支払ったので、総額50K程の買い物となった。海外通販にはリスクが伴うが、ヤバいものを見分ける訓練を兼ねて上手に利用すれば、同じパーツを何割も安く入手できることがある。 スライダーは文字どおりその身を削って車体を保護するものであるから、コケたときに地面にヒットする左右に張り出した樹脂パッド部分は傷つき削られるし、コケ方によっては割れてしまうこともあるだろう。コケた際に大きく削れた樹脂パッドをそのままにしていては、再びコケたとき(そう何度もコケたくないが)、車体パーツと地面のクリアランスがゼロに近くなって、折角の高性能なスライダーがその機能を十分に発揮できない可能性がある。削れたり割れたりした樹脂パッドは交換するのが手っ取り早い。そこでこの樹脂パッドのレプリカを製作して持っておき、必要に応じていつでも交換できるようにすることにした。オリジナルの樹脂パッドは形状に左右の区別があるが、筆者はあるアイデアをもって左右どちらにでも使える形状を考え出し、このような樹脂パーツの スライダーの取り付けは台風2号が接近する中、5月最後の週末に行った。エンジンマウントボルトを抜き差しするので、センタースタンドを掛けた上、念の為オイルパン部分を下からジャッキで軽く持ち上げておいた。エンジンマウントボルトの抜き差しはできるだけ局所的に行い、すべてが同時に抜かれた状態にならないよう考えながら作業を進める。アンダーカウルに開ける穴の位置決めは、キット付属の位置決め用トレーシングペーパーは参考程度とし、スライダーアームを車体に取り付けた上で現物合わせで行った。適当なサイズのホールソーがなかったので、代わりにスパイラルステップドリルを使って直径26mmの穴を開けた。右の穴が少し前寄りになったが、穴を広げることなくアームの連結は可能であった。筆者の個体ではスライダーアームの車体に対するクリアランスが左右で大きく違い、付属のシムはマニュアルどおりに使用しなかった(左1枚:右3枚)。短い16mmのコンビネーションレンチがあるともう少し納得のいく作業ができたと思う。 取り付け後、試乗してみた。コカさなかったのでスライダーの効果は残念ながら確かめられなかった。GSG-Mototechnik社製スライダーを取り外したことで、足(脛)の可動範囲がほぼオリジナルに戻り、停止時に不自然な足の出し方をしなくてよくなったのは、筆者にとっては非常にありがたい。ただし脛を前方に出し過ぎると、スライダーアームの角に脛がヒットし痛い思いをすることになるので注意が必要である。Projekt D社製スライダーも取り外したので、サイドフェアリングがすっきりとした印象となった。車体に沿うようにデザインされたKawasaki純正スライダーは、取って付けたような不自然さがあまりなく、フェアリングの造形にうまく溶け込んでいる印象を持った。低い位置に左右に張り出す樹脂パッドは、ZX-12Rのガイドウィングのような趣きもあり、なかなかイカしている。旧車會などとイヤミを言う輩もいるが、いまだ着々と進化する2008年モデルにまたまた愛着が湧いてきた。末永く大切に乗っていこうと筆者は思うのである。 |
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ボールベアリング他パーツ | 樹脂カラー外し中 | 樹脂カラー外れました | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ボールベアリング組込中 | ボールベアリング組込済み | 取り付け状態 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1400GTRのシフトペダルピボットは滑り軸受けなので、スムーズなシフトフィーリングを維持するためには定期的なグリスアップが欠かせない。このピボットは左右方向にかなりのガタがあるためか、グリスの封入効果が低いようで、筆者の使用状況では比較的短いインターバルでのグリスアップを要する。あるとき米国のZG/GTR fanatics forumを見ていたところ、シフトペダルピボットにボールベアリングを組み込む改造が紹介されていた。ピボットをボールベアリング化すればグリスアップの手間が省けるし、シフトフィーリングも向上すれば一石二鳥である。実際上記のフォーラムではシフトタッチが良くなったとの書き込みもある。そこでフォーラムの情報をたよりに下のパーツを調達し、シフトペダルピボットのボールベアリング化を行ってみることにした。
作業の内容としては、まずシフトペダルを車体から取り外し、シフトペダルピボットに圧入されている樹脂製のカラーを取り外す。カラーの取り外し方法は、外径13.5mm〜14mmのソケットビットと万力(またはC型クランプ等)を利用して、片側からカラーを押し出せばよい。カラーを取り外したシフトペダルピボットホール(穴)には1480ボールベアリングが圧入不要でガタもなくぴったり収まる。防水のためボールベアリングの側面にシリコングリスを塗布(シールベアリングでは不要)し、ボールベアリングとシムを交互にピボットホールに入れる。5個のボールベアリングがピボットホールに収まったら、シムと大径ワッシャーで両脇をフタしてキャップボルトを通しておく。 上でボールベアリングを内蔵したシフトペダルを車体に戻すが、最初はリンケージ(タイロッド)を接続しないでシフトペダルを車体に取り付け、適正トルク(25N-m位?)でキャップボルトを締め付けた後、シフトペダルがスムーズに動くか、ガタがないか等を確かめておく。筆者は当初シムを0.1mm厚のもので組み付けてみたところ、シフトペダルが固まってしまったので0.2mm厚のものに変更した。0.2mm厚のシムではシフトペダルはスムーズに動く上に、各方向のガタもなく組みつけることができた。最後にリンケージを取り付けて作業は終了である。 早速近所を軽く試乗してみたところ、シフトペダルの動きが少しカッチリしたような感じがした。わかり易い変化としては、信号待ち等で停止する前にニュートラルを出すことがかなり容易になったことである。以前は停止してからでないと、なかなかニュートラルが出なかった。それ以降毎日の通勤でも、やはりシフトペダルの動きに以前とは違うスムーズさを感じているので、プラシーボ効果を超えるものは確実にあるように思われる。いずれにせよ、今後はシフトペダルピボットのグリスアップの手間が省けるので、二千円+30分の投資としてはかなりイイ線をいっているのではないかと思う。 |
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アールズギア ロングリアフェンダー | 取り付け状態 | 取り付け状態 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
雨天でもバイクを通勤の足として使う筆者は、泥はねによる車体後部の汚れを軽減するためにロングリアフェンダー(以下ロングフェンダー)が必要である。1400GTR用のロングフェンダーは純正オプションとしての設定がなく、また世界中のどのサードパーティーも製品化していない。そこで2008年夏に樹脂板を使いロングフェンダーを自作したところ、車体後部の汚れは大幅に軽減された。しかし同時にこの自作ロングフェンダーは、口の悪い連中(A・B)にダンプカーの泥除けなどと陰口を叩かれることになった。確かにこの自作品は平板を曲げただけのシンプルな造形であり、言われてみればダンプカーチックな感じもしなくはない。だが必要な機能は十分に発揮しており、陰口を叩かれたぐらいでそれを取り外すことは筆者にはありえない。それに何より筆者は、このロングフェンダーのデザインが気に入っている。なぜならそれがVFR800Pのロングフェンダーにソックリだからである。 ところが今年3月、日本のサードパーティーが1400GTR用ロングフェンダーを製品化したことが明らかになった。待ちに待った世界初の1400GTR用ロングフェンダーを開発したのは、バイク用リプレースマフラーメーカーの雄、三重県鈴鹿市のアールズギア社である。製品化は1400GTR Owner’s ClubのC先生がアールズギア社の樋渡社長に直接働きかけ実現したという。このスタイリッシュなアールズギア社製ロングフェンダーは、カーボン製またはFRP製が選択できる。FRP製の方は親切にもあらかじめマットブラックに塗装済みであるという。前述C先生のお取りはからいにより、一般発売前に1400GTR Owner’s Club内でお得な先行販売イベントが開催された。いかに自作のロングフェンダーが気に入っているとはいえ、ロングフェンダーフェッチな筆者がこれを入手しないわけにはいなかい。早速FRP製のものをひとつ申し込んでみた。 手元に届いたロングフェンダーはデザイン・造作・質感とも申し分ない。マットブラックの塗装表面にムラなど一切なく、さすがはアールズギア社の製品といえるものである。泥はねで汚してしまうのがもったいないようだが、床の間に飾っておくものでもなさそうなので、早速自車に取り付けてみた。このロングフェンダーはライセンスプレートホルダー取付ボルトの二箇所、およびリフレクター取付ボルト一箇所の計三箇所で支持するが、ロングフェンダーに開けられたボルト穴の位置は寸分のくるいもなく、FRP製品にありがちな取り付け作業時の切った貼ったの調整作業はまったく必要なかった。ここでもアールズギア社の品質に対するこだわりが伝わってきた。取り付けたロングフェンダーは、マットブラック塗装の質感もオリジナルのリアフェンダーに近く、バイク全体に対するバランスもいい感じで、筆者にはあたかもそれが最初から付いていたように感じられた。雨天で試走した上でデザインが決められたというので、肝心の泥除け性能もおそらく問題ないだろう。 |
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BOSCH Air Fanfare Classic | 左フェアリング内取り付け | 絶妙なクリアランス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2009年10月に取り付けたあやしいエアホーンだが、案の定というか、取り付けから一年が過ぎた辺りからエアーコンプレッサーの出力が不安定になり始めた。特に寒い朝のエンジン始動直後など、コンプレッサー自体が冷えているときにホーンボタンを押すと、高い確率で「へ」といった感じの小さい音しか鳴らなくなってしまった。フェアリングを外して調べてみたところ、エアーホース継ぎ目等からのエアー漏れや電源系の接触不良がこの問題の原因ではなく、エアーコンプレッサー自体のエアー吐出能力が落ちている可能性が高いことがわかった。しかしいくら筆者がホーンを多用するとはいえ、たった一年で十分な機能が発揮できなくなるパーツというのも最近ではめずらしいといえるだろう。やはり出自のわからないパチモンの品質はそれなりということである。このままでは危険回避に役立たない可能性があるので、水曜日の燃えないゴミの日に暇を出すことにした。 筆者はエアーホーンの押し出しの強い音がとても気に入った。そこで「ホーンを純正に戻せ〜」とのカミのお告げを聞かなかったことにして、今一度、今度は正真正銘本物のエアーホーンを取り付けてみることした。送料込みジャスト4KJPYで手に入れたのは、ドイツの一流メーカーBOSCH社のAir Fanfare Classicである。実はこれはMade In Germanyではなく、イタリアStebel社製GP2のOEM製品のようだが、今回は製品の出自さえはっきりしていれば何の問題もない。取り外したエアーコンプレッサーをAir Fanfare Classicのそれと並べてみると、サイズや造作が微妙に違うことがわかったが、これは二つを並べてみないとわからないだろう。コピー品は造形としては似ていても、安定性・耐久性・安全性等を含む肝心の性能がイケてないことがわかったので、今後この手のコピー品に手を出すのはやめることにしようと思う。 エアーコンプレッサーは以前と同じ場所(左側センターフェアリング内)に取り付けることとしたが、Air Fanfare Classicの方がステーが少し長いため、フェアリングとの干渉を避けるために位置を少し下げる必要があった。電源関係(配線・リレー)は既存のものをそのまま利用することができた。二個の赤いトランペットは手持ちのステンレスステー(市販品)に取り付け、それを左側エンジンスライダーブラケットステーに共締めした。トランペットの向きを調整することで、まわりのパーツと絶妙なクリアランスを確保でき、以前のトランペット配置と比べて、収まりの良い感じとなった。エアーホースはヒートガンで暖め軟らかくしておいてから接続した。取り付け後の鳴動テストも問題なく、エアーコンプレッサーはとても元気良く作動する。エアーホーンの音質は以前のものより甲高く、他者への注意喚起効果もより高いと思われる。 |
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マスターシリンダー交換部品 | キャリパー交換部品 | リザーバータンク交換部品 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
マスターシリンダー | スナップリング位置 | ピストン・ブレーキロッド | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
キャリパー取り外し | カチ割られたキャリパー | ダイアフラム | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
最近リアブレーキペダルを強く踏むとギシギシとした感触が伝わってくるようになってきた。筆者の車両は約33,000km走行時にリアブレーキパッドを6セット目に交換しており、一度もブレーキパッドを交換していないフロントとは対蹠的にリアブレーキを酷使している。久々に参加したバイク講習会でリアブレーキを使いすぎ、ベーパーロックを起こしたこともあるので、リアブレーキキャリパー(以下キャリパー)シリンダー内のピストンシールも少なからずダメージを受けているであろう。ブレーキフルード(以下フルード)は昨年11月に交換したばかりだが、次の車検まで気持ちよく乗り続けるために、この際リアブレーキ回りのオーバーホールを実施することにした。オーバーホールのメニューとしては、リアブレーキマスターシリンダー(以下マスターシリンダー)とキャリパーを分解・清掃した上で定期交換部品を新しいものにする。同時にリアブレーキペダルピボットのグリスアップを行う。今回のオーバーホールを行うために筆者が入手した交換部品は下のものである。 【マスターシリンダー】
【キャリパー】
【リザーバータンク】
作業はマスターシリンダーの分解・清掃から行った。まず最初にリザーバータンクのフタを開け、キャリパー側からすべてのフルードを抜き去る。マスターシリンダーやリアブレーキペダルピボットにアクセスするには、右ステップブラケットを取り外す必要がある。ステップブラケットを取り外す前に、マスターシリンダー取り付けボルトを軽く緩めておく。ステップブラケットを外してブレーキペダル取り付けボルトを緩め、小石噛みこみ防止プレート(リコール部品)を取り外す。コッターピンを外してマスターシリンダーとブレーキペダルの連結を外しマスターシリンダーをステップブラケットから取り外す。リアブレーキペダルを外してピボットを清掃・グリスアップする。異音を出にくくする効果を狙い、リアブレーキペダルのリターンスプリングにシリコングリスを塗布しておいた。リアブレーキランプスイッチの動作に引っ掛かりがあったので、分解して端子を調整しシリコングリスを与えて元どおり組み立ててみたところ、引っ掛かりはなくなった。 マスターシリンダーに取り付けられているブレーキロッドを外すには、ブレーキロッド上部のゴムブーツを引き下ろしてスナップリングにアクセスする。スナップリングプライヤーでスナップリングを外すとブレーキロッドが外れ、マスターシリンダー内部からピストンCOMP(ピストン・ラバーカップ・スプリング)が出てくる。マスターシリンダー内部を清掃し、シリコングリスを薄く塗布しておく。新しいピストンにはオイルシールがはめ込まれていないので、古いピストンを参考にしてはめ込んでおく。マスターシリンダー内部にスプリング、ラバーカップ、ピストンを順に入れ、それらを新しいブレーキロッドASSYにスナップリングをあらかじめセットしておいたもので押し込みながらスナップリングを留める。後は外したパーツをすべて組み立てればよい。リアブレーキペダルとマスターシリンダーの連結は、走行中にそれが外れないように新しいコッターピンを使うのがセオリーである。マスターシリンダーのオーバーホールは、それに接続されているホース類を外さずに行うことができた。 次にキャリパーを車体から取り外してオーバーホールを行う。まずブレーキパッドを取り外し、次にバンジョーボルトを緩めてブレーキホースを取り外す。キャリパーアッシボルト(キャリパー左右を締結しているボルト)を先に軽く緩めておき、キャリパーマウントボルト(キャリパーをキャリパーブラケットに留めているボルト)を緩めてキャリパーを車体から取り外す。単体になったキャリパーのキャリパーアッシボルトを緩めて左右を分割する。左側キャリパーのピストンは、右側キャリパーとの合わせ面にあるフルード通路にエアーを吹き込んで外した(マニュアル非準拠)。右側はキャリパーアッシボルトをバンジョーボルト穴にねじ込みピストンを背面から押し出して外した。外したピストンはは左右を取り違えないようにして表面の汚れを取り除く。昔はサンドペーパーで汚れを削り取るという信じられないような荒業もあったらしいが、このピストンは表面に何らかのコートがされているようで、汚れはティッシュペーパーで数回拭けばキレイになった。 キャリパーのシリンダー壁面には、シリンダーひとつにつき二種類のシールが装着されている。手前は幅の狭いダストシール、奥は幅の広いオイルシールである。シリンダー内面を傷つけないように注意しながらそれらを取り除く。外した古いシールは少々弾力性が失われていたが、それほど大きなダメージを受けたようには見えなかった。ピストンシリンダー内を清掃したのち、新しいシールを装着する。新しいシールを装着したらシリンダー壁面とピストンに薄くシリコングリスを塗布し、ピストンをシリンダーに挿入する。左右キャリパー合わせ面のフルード通路に新しいシールをはさみ、双方をキャリパーアッシボルトで軽く締結しておく。キャリパーをキャリパーブラケットに取り付け(25 N-m)、キャリパーアッシボルトを指定のトルク(37N-m)で締め付ける。新しいシーリングワッシャーを使ってオイルホース(バンジョー)をキャリパーに接続(25 N-m)する。フルードを入れてエア抜きを行う前に、ブレーキパッドを装着しておくことを-筆者のように-忘れてはならない。 作業中にアクセスしたボルトに締め忘れがないことを確認した後、リザーバータンクにフルード( WAKO’S SP4)を注ぎ、キャリパー二ヶ所のニップルからエア抜きを行う。この車両はABS付きでフルード流路が長いにもかかわらず、ブラックバードの前後連動ブレーキに比べるとかなり簡単にエア抜きを行うことができた。設計が進みフルード流路内にエアが残りにくい構造になっているのだろう。ブレーキペダルを踏んでスポンジーな感じがなくなったらリザーバータンクのフルード量を調整する。ブレーキパッドは8割方残っていたので、リザーバータンクのフルード量はFullに対して80% 程度とした。リザーバータンクのフタを閉める前に、ダイアフラムを新しいものに交換しておく。ついでにフロントブレーキのフルードも交換し、フロントブレーキおよびクラッチリザーバータンク内のダイアフラムも新しいものに交換しておいた。 リアブレーキオーバーホール後は、ギシギシとしたペダルタッチは完全に消え去り、オーバーホール前より軽い踏力で以前と同程度のブレーキがかけられるような印象となった。リアブレーキ引き摺りの軽減に関しては、元々引き摺りが少なかったこともあり、それほど大きな違いは感じられなかった。少なくとも約2年後の継続検査までは、このリアブレーキのスムーズなフィーリングが維持されることを期待したい。 (フルード流路内にシリコングリスを使用するのは筆者独自の判断によるものです。サービスマニュアルにはブレーキフルードを使用するよう指定されています。素人整備は自己責任で。) |
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LEDインジケーター | セキュリティーシステム本体 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
納車後すぐに取り付けたセキュリティーシステム(DEI Merlin 2000)が取り付けから3年余りで壊れた。とある金曜日の夜、いつものように職場から帰宅しバイクにカバーをかけようとしたとき、セキュリティーシステムのLEDインジケーターが点きっぱなしになっていることに気付いた。このLEDインジケーターはセキュリティーが警戒状態のとき点滅し、周囲に警戒状態であることをアピールするが、この時点ではエンジンを止めた直後なのでセキュリティーは解除状態であり、LEDは消灯しているはずである。イグニッションをONにするとLEDは消灯し、エンジンをかけることはできるが、イグニッションをOFFにするとLEDは再び点灯してしまう。試しにその状態でセキュリティーのリモコンを操作してみるが全く反応がなく、セキュリティーを警戒状態にすることはできなかった。どうやらセキュリティーシステム本体が壊れてしまったらしい。やはりバイクに取り付られるデバイスは、温度や湿度、あるいは振動などの厳しい条件の下に置かれるのであろう。 とっくに日も暮れているので、これからフェアリングをはぐって調査するわけにもゆかず、そのままカバーをかけて家に入ったところ、書斎の机の下から同型のセキュリティーシステム新品一式が出てきた。用意周到を旨とする筆者は、こんなこともあろうかと予備を購入しておいた、というのは真っ赤なウソである。昨年夏、走行中にFOBキー一式を落としたとき、このセキュリティーシステムのリモコンも後続車に踏まれて粉々になった。そこでリモコンを購入することにしたのだが、リモコンが2個で7,500円もするので、代わりにセキュリティーシステム一式(リモコン2個付)を11,000円で買っておいたのである。翌朝セキュリティーシステム本体を新品に交換(センサー類はそのまま)してみたところ、首尾よく復旧することができた。バイクにセキュリティーのない状態が一晩で済んだのは幸運だったといえる。 |
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MOTOREX POWER SYNT 4T | デイトナ オイルフィルター | スレーブシリンダー オイルシール | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
34,970km時にエンジンオイルを交換した。前回交換したのは昨年9月(30,576km)だったので、インターバルは5ヶ月(4,394km)となる。交換前のギアシフトフィーリングはそれほど悪化しておらず、またエンジンの吹け上がりにも問題はなかったので、まだ一ヶ月程度は使えそうな気はした。元々MOTOREX POWER SYNT 4T 10W-60は持ちの良いエンジンオイルではあるが、暑い時期に比べると劣化が穏やかに進むことがわかる。入れた瞬間のフィーリングはMOTULほどではないにしても、約半年(およそ5,000km)も性能の著しい低下が感じられないのは、コストパフォーマンスが高いと断言できる。エンジンオイルの性能を、筆者は入れてからら抜くまでの長い目で評価することにしている。 新しいエンジンオイルもMOTOREX POWER SYNT 4T 10W-60である。筆者はエンジンオイル交換インターバルが比較的長めなこともあり、前回新しいものにしたオイルフィルターも同じもの(デイトナ67927)に交換した。通勤でクラッチを酷使するためか、クラッチの操作フィーリングにやや陰りが見え始めていたので、エンジンオイル交換と同時にクラッチマスターシリンダーおよびスレーブシリンダーのオーバーホールを行った。マスターシリンダーは分解・清掃を行い、スレーブシリンダーは特にフルード漏れ等の兆候はなかったが、分解・清掃のついでにオイルシール(92049-0086)の交換を行った。双方のシリンダーの摺動面にはシリコングリスをたっぷり与えておいたので、少なくとも半年程度はなめらかな操作フィーリングを保ってくれるだろう。 左側ステップラバーの摩耗が右側のそれに比べて激しかったので、右側ステップラバーを左側ステップに付け替え、右側ステップには以前左右共にステップラバーを交換した際に捨てずにとっておいた古い右側ステップラバーを取り付けておいた。 |
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