KAWASAKI 1400GTR 2008 | ||||||||||||||
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壊れた温度計(24.9℃) | 温度計モジュール | タカチ SW-30 ケース加工 | ||||||||||||
温度計モジュールハメ込み | エポキシ系接着剤充填 | 両面テープ貼付 | ||||||||||||
プローブ取り付け | 完成した温度計 | 乗車位置からの見え方 | ||||||||||||
金属製プローブ | 断熱材で覆ったプローブ | ラムエアダクト内プローブ | ||||||||||||
実施日: 2017/12/30 2010年に導入した観賞魚用水温計を流用した温度計は、これまで約7年半、ボタン電池を2回交換しただけで健気に気温を表示し続けてくれたが、ついに今年の秋頃、液晶セグメントの十の位のひとつが表示されなくなった。温度計を分解して液晶の再生を試みたがうまくいかなかったので、同じものを入手して取り替えようとしたところ、それはすでに販売終了になっていることがわかった。他に市販されているプローブ方式の温度計や水温計を調べてみたが、大きさや形状がイマイチなものしか見つからなかった。気に入るものがなければ作るしかない。eBayでプローブ方式の温度計モジュールを探してみたところ、7セグLEDディスプレイパネルのサイズが縦横10mm×22mmのものが見つかった。このサイズだと横幅30mm程度の小さなプラスチックケースに収まるだろう。 動作電圧はDC4〜28Vと記載してありバッテリー電圧がそのまま使える。表示部分はLEDなので、これまでの温度計と違って夜間の視認性も確保できる。LEDの色は4色(赤・青・緑・黄)あり、ひとつ3.07米ドル(購入時のPayPalレートで約385円)と安い。そこで各色をひとつずつ(計4個)注文しておいた。 注文からひと月を少し過ぎて中国深センから荷物が届いた。期待して包みを開けてみると中には3個の温度計モジュールしか入っていなかった。ひとつずつ通電して色を確かめてみたところ、黄色が入っていないことがわかった。そこでeBayのMessageを使って黄色が足りないことを伝えると、売り主は自らの非を認め返金(3.07米ドル)に応じてくれた。何度かのMessageのやり取りの最後に、何か必要なものがあれば直接連絡をくれればディスカウントすると書いてあった。余談だが、筆者は以前eBayで血糖値測定器用のテストストリップ(Abbott FreeStyle Lite)を購入した後、その相手から直接取引を持ちかけられ、その後はずっとその人(リトアニア)から直接テストストリップを買っている。このテストストリップは、日本語サイトの通販では安くても100枚で10,000円以上、eBayでも50米ドル(1米ドル112円換算で6,100円)程度はするが、この人が運営する通販サイトでは44.9米ドル(1米ドル122円換算で5,029円)で買うことができる。この人も糖尿病で毎日血糖値の測定が欠かせないという。 | ||||||||||||||
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キレしたLEDドライビングランプ | ハウジング内部に浸水 | ハウジング(右:劣化コピー) | ||||||||||||
オリジナルの位置決め突起と穴 | 劣化コピーの造作 | 集光レンズ(右:劣化コピー) | ||||||||||||
アクリル板厚(オリジナル) | アクリル板厚(劣化コピー) | LED基板(左:劣化コピー) | ||||||||||||
Oリング小(右:劣化コピー) | Oリング大(右:劣化コピー) | オリジナルの接合部(隙間あり) | ||||||||||||
劣化コピーの接合部(隙間なし) | 留めネジ(右:劣化コピー) | 無事復旧 | ||||||||||||
実施日: 2017/11/11 2013年5月に導入したLEDドライビングランプの片側が点かなくなっていることに気付いた。点かなくなったLEDドライビングランプのレンズ面を見ると、ランプハウジング(以下ハウジング)内部に水分が浸入していることを示す水滴が見えた。点く方にはそのような水滴は見えない。つまり点かなくなってしまった原因は、LEDの寿命というわけではなく、ハウジングに浸入した水分で電子部品が壊れてしまったことだろう。点かなくなったLEDドライビングランプを車体から取り外し、内部を調査するため前面ベゼル(以下ベゼル)を外そうとしたところ、それを留めている3本のネジのうち2本がかなり緩んでいた。このような状態で、先月行われた1400GTR Owner’s Clubのイベントで一日雨の降りしきる中を走り回ったので、ベゼルとハウジングの隙間から雨が内部に滲みてしまったに違いない。ベセルを外してみると、果たして内部のLED基板上の電子部品は濡れた状態であった。試しに基板を乾かしてから通電してみたが、残念なことに900lmを誇るCREE LEDが再び光を発することはなかった。 代わりのドライビングランプを調達するか、またはこの際ドライビングランプの装備をやめるか、0.02秒ほど逡巡した結果、前者に決めた。次にまったく新しいタイプのドライビングランプを調達するか、あるいは生きている片側を活かすため、同型のLEDドライビングランプを調達するか少し考えたが、Amazon.co.jp上に同型と思しきLEDドライビングランプが2個2,399円で出ているのを見た瞬間それをポチッていた。このLEDドライビングランプの注文は、翌日配達が可能な時間内に行ったので、注文を出した翌日は仕事をテキトーに切り上げ家で商品の到着を待ったが、配達がいつの間にかリスケジュールされていて、結局翌々日の配達となった。クロネコさんもいろいろと大変なのであろうし、きちんとリスケジュールされたことをAmzon.co.jp上で確認することができたのでまぁヨシとした。以前デリバリープロバイダ(Amazonと提携している中小の宅配業者)が何の連絡もなしに、しかもサイト上の荷物追跡情報も更新されずに、配達予定日の翌日にシレッと荷物を届けにきたときにはAmazon.co.jpにお客様の声を届けた。 届いたLEDドライビングランプを調べてみると、これまで使っていたLEDドライビングランプ(以下オリジナル)によく似た形状ではあるものの、いわゆる劣化コピー商品(以下劣化コピー)であることがわかった。外形サイズやシルエットはほぼ同じなのだが、ハウジングのフィン形状が微妙に異なっている。オリジナルにあるベゼルの位置決めを行う穴と、その穴にハマるハウジング側の突起が省略されている。LEDの光をビーム角10度に集光するプラスチック製レンズ(以下集光レンズ)に違いは認められなかったが、集光レンズ前面に装着するアクリル板の厚みは薄く、さらにLED基板の厚みも薄い。使われている二種類のシリコン製Oリングのうち、集光レンズの動揺を抑える小さい方はオリジナルに比べてやや太く、ランプハウジング内部への漏水を防ぐ大きい方はほぼ同じであった。このOリングはレンズ前面のアクリル板とハウジング間に挟まれて防水性能を発揮する。このとき挟まれたOリングが適度に変形して防水性能を発揮するには、ベゼル取り付けネジを締める前の状態で、ベゼルとハウジング間に適度な隙間が必要だが、劣化コピーにはそのような隙間はなかった。つまりこれでは雨にあたるとハウジング内部が浸水してしまう可能性が高い。一点だけ良かったのは、ベゼルを留めるネジがオリジナルに比べて長いことであった。 このまま劣化コピーをポン付けして幸せになれる可能性は限りなく低い。そこで劣化コピーのLED基板だけをオリジナルのハウジングに(2基とも)移植することにした。まず劣化コピーのハウジング内に固定されているLED基板にはんだ付けされているプラスとマイナスの2本のコードを外す。次にLED基板を固定している2本のネジを外すが、これがなんとタッピングビスだった。オリジナルがM4ネジであることを考えると、ここにも劣化コピーの手抜きが見える。LED基板はなんらかの接着剤様のもので背面がハウジングに部分的に固定されていたが、ピンセットで強くこじると外すことができた。LED基板をハウジングから取り出してみると、LED基板の裏側(ハウジングと接触する部分)には、オリジナルと違い熱伝導グリスなどは塗布されていなかった。もしかするとLED基板を固定していた接着剤様のものが熱伝導グリスだったのかもしれない。このLED基板をオリジナルのハウジングに取り付ける際には、パソコンのCPUに使用する熱伝導グリスを塗布しておいた。これでLEDの熱がハウジングによく伝わり、LEDの寿命が延びるに違いない。LED基板がオリジナルより薄いので、その上に乗せるプラスチック製の集光レンズの位置がその分ハウジングの奥に引っ込むことになるが、ベゼルをネジで留めてしまえば、集光レンズは程よく固定され内部で動揺することはなかった。ベゼルを固定するネジにはネジロック剤を塗布し、今度は使用中に緩んでくることのないように配慮した。 LED基板を移植したLEDドライビングランプを8時間の点灯テストと8時間の耐水テストにかけ、首尾よく合格したので車体に取り付けた。運転席から見た明るさや照射角度が変わったと感じるようなこともなく、何事もなかったようにLEDドライビングランプは復旧した。 <2018年10月29日追記> | ||||||||||||||
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交換したパーツ | 油圧カムチェーンテンショナAssy | 油圧テンショナ構成部品 | ||||||||||||
チェックバルブ | リリーフバルブ | 取り付け時プッシュロッド位置 | ||||||||||||
新旧油圧テンショナ | 新旧スプリング(左が新品) | 新旧スプリング(左が新品) | ||||||||||||
テンショナガスケット | エンジン側オイル流路 | テンショナ取り付け完了 | ||||||||||||
テンショナ交換直後の始動 | 一週間放置後の始動 | |||||||||||||
実施日: 2017/04/23
1400GTR Owner’s ClubのF氏からエンジン始動時の異音の原因について質問を受けた。F氏の1400GTRはエンジン冷間始動直後2~3秒程度、エンジンからジャラジャラという異音がするという。F氏はこの異音の原因が油圧カムチェーンテンショナ(以下油圧テンショナ)にあるのではないかと推測していた。つまり油圧テンショナの機能が低下してカムチェーンに適正なテンションがかからず、カムチェーンが踊って異音が出ているという見立てである。しかし筆者は以前誰かに、この異音の原因が1400GTRのエンジンに組み込まれている特殊な可変バルブタイミング機構にあるようなことを聞いたような曖昧な記憶があった。そこでその旨をF氏に伝えたのだが、その後少し調べてみたところ、基本設計が同じエンジンながら、可変バルブタイミング機構を持たないカワサキZZR1400(ZX-14R)にも同様の異音が発生することを知るに及び、F氏の推測が正しいのではないかと思うようになった。 さらに調べてみると、ZZR1400においては、油圧テンショナを純正品の新しいものか、あるいは社外品の手動式テンショナにに交換すればこの異音が解消されるという情報が複数見つかった。つまりはこの異音の原因が油圧テンショナの機能低下よるものらしいことが分かった。息子と同じ血液型(AB型)である、F氏の推測が正しい可能性が高まった。1400GTRで発生する同様の異音について、その原因や解決方法について言及されている情報は見つけられなかったが、基本設計が同じエンジンを搭載しているのであれば、1400GTRも油圧テンショナを交換するれば異音が解消(または改善)する可能性はある。筆者の個体もエンジン冷間始動時に1〜1.5秒程度その異音が発生するので、新しい油圧テンショナを取り寄せて交換し、異音の発生状況に変化があるかどうかを試してみることにした。 筆者は以前所有していたホンダCBR1100XXスーパーブラックバードでもカムチェーンテンショナ(以下テンショナ)を交換した経験がある。CBR1100XXのテンショナは油圧式でなく、スプリングだけでカムチェーンガイドを押してカムチェーンにテンションを与える機械式だが、このスプリングがヘタることによってカムチェーンガイドを押す力が弱まりカムチェーンが踊って異音が出ていた。CBR1100XXの場合は、エンジン始動時に異音は出ず、エンジン回転数が約3000rpm以上になると連続的に異音が発生した。おそらくこの経験も誤った情報をF氏に伝えてしまった伏線であったかもしれない。 1400GTRの油圧テンショナはテンショナボディ、プッシュロッド、スプリング、スナップリングで構成されている。カムチェーンガイドを押す力は、テンショナボディに差し込まれたプッシュロッドが、2本のスプリングと油圧とによって押し出されることで発生する。テンショナボディに内蔵された2本のスプリングは、エンジン始動後テンショナボディ内に油圧がかかるまでの間、カムチェーンガイドに、ある程度のテンションを与える役割もあると考えられる。特に新品の油圧テンショナでは、エンジン始動後油圧が発生しテンショナボディ内にエンジンオイル(以下オイル)が満たされるまでは、スプリングだけでテンションを発生させていることになる。テンショナボディ基部のオイル流路にはチェックバルブがあり、一旦テンショナボディ内部に流れ込んだオイルが逆流しないようになっている。これはエンジンが停止し油圧が失われたとき、オイルが流路を逆流してテンショナボディ内にエアが入ることを防ぐ目的があると考えられる。テンショナボディにオイルが満ちたままであれば、次回エンジン始動時には油圧がかかればすぐに油圧によるテンションが発生することになる。また、エンジン回転数の変化で油圧が変化したときにもプッシュロッドが一定の力で押し出されるように、プッシュロッド先端にはリリーフバルブがついている。 油圧テンショナをエンジンから取り外している最中にクランクシャフトを回転させること(=エンジン始動など)を行ってはならない。さもないと、テンションがかかっていないカムチェーンがスプロケットから外れてバルブタイミングがずれ、エンジンにダメージを与える可能性がある。油圧テンショナを機能させるには、取り付け後最初のクランクシャフトの回転でカムチェーンガイドがプッシュロッドを押し、プッシュロッドを固定しているスナップリングが自動的に外れてプッシュロッドがスプリングによって押し出される必要がある。それを実現するには、サービスマニュアルに従って油圧テンショナのプッシュロッドを所定の位置に移動しスナップリングで固定しておかなければならない。デリバリーされたときの油圧テンショナのプッシュロッドは、上記所定の位置からさらに押し込まれた状態で固定されていたので、これをそのまま取り付けると永久にスナップリングが外れずテンションが発生しない可能性がある。カムチェーンテンショナガスケットとフランジボルトも新しいものに交換したが、フランジボルトの方は古いものが再利用できたと思われる。 油圧テンショナの交換時に、新旧油圧テンショナスプリングの自由長を計測してみた。長い方のスプリングは、新しいものが41.1mmであるのに対して古いものは41.2mmでほぼ同じ、短い方のスプリングは、新しいものが24.9mmであるのに対して古いものは23.7mと古いものは1.2mmほど短かった。またプッシュロッドを手で押し戻した時に指に感じるスプリングの反発力は、古いものは新しいものに比べて若干弱いと思われた。これが異音の原因かどうかはわからないが、何らかの関連はあるかもしれない。油圧テンショナ交換後の最初のエンジン始動における異音がする時間は1秒足らずといった感じで、交換前と比べて若干改善された。その後一週間エンジンを始動せずに放置した後の完全冷間始動時の異音がする時間は0.5秒程度とさらに改善された。コールドスタート時に油圧が発生するのにはある程度の時間が必要なので、これは異音というより、スプリングが油圧の助けが来るまで一人(2本だから二人か)で頑張ってカムチェーンガイドを押している音と思えばよいのだろう。 | ||||||||||||||
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オイル・フィルター・処理箱 | ドレンワッシャ | |||||||||||||
実施日: 2017/04/23 5月に参加予定の1400GTR Owner’s Club松原湖キャンプを前に、約9ヶ月ぶりにエンジンオイルを交換した。前回の交換からのインターバルはたったの1,546kmである。もはや自転車で9ヶ月間に走る距離のほうが多くなってしまった。Kendall GT-1 High Millage SAE 10W-40の在庫は前回の交換で使い切ってしまったので、今回は別銘柄のエンジンオイルを調達することにし、たまたまAmazonで見つけたCastrol Power1 4T 10W-40 MAを購入(4L/2,160円/送料無料)してみた。 交換時にチェックした油質は、Kendallと同じマルチグレード粘度(10W-40)にもかかわらず、あきらかにCastrolの方がサラサラしており、指に付けてみて糸を引くようなことはなかった。薬品っぽいニオイはKendallと比べると少しマイルドな感じがした。 交換後の試乗では、Kendallに比べてエンジン騒音に変化はなく、吹け上がりは若干軽め、ギアチェンジは若干渋めの印象となった。筆者は二輪用のエンジンオイルに求めるものはギアチェンジの滑らかさだけなので、これからギアチェンジの具合がどう変わってくるのか楽しみである。 | ||||||||||||||
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加工前のフェンダーブラケット | 黄銅製インサートナット | フェンダーブラケット(加工中) | ||||||||||||
フェンダーブラケット(加工後) | 加工後のフェンダーブラケット | フェンダー取付穴拡大加工 | ||||||||||||
加工したアルミカラー挿入 | ボルト締め付け状態(内側から) | 外観に変化なし | ||||||||||||
実施日: 2017/04/16 筆者はLEDドライビングランプをフロントフェンダー取り付けボルト(M6)に共締めして固定しているが、何度もLEDドライビングランプを付け外ししているうちに、雌ネジ側のネジ山が傷んできた。この雌ネジはフロントフェンダーを保持するアルミ製のフェンダーブラケットに切られている。樹脂製の軽いフェンダーを固定するだけであれば、ボルトの締め付けにそれほど高いトルクをかける必要はないが、それなりに重量のあるLEDドライビングランプをしっかり固定するとなると、それなりのトルクでボルトを締め付ける必要がある。アルミの雌ネジに繰り返し高い締め付けトルクをかけてきたので、ネジ山が傷んでしまったに違いない。またフェンダーブラケットとボルト(ヘッド)の間にはフロントフェンダー(厚み実測約4.3mm)がはさまれているので、いずれその部分の樹脂が割れてしまう恐れもある。そこで今回、傷んだネジ山を再生すると同時にボルトを締め付けてもフロントフェンダーにストレスがかからないような改造を行うことにした。 ネジ山を再生するにはヘリカル・コイル・インサート(商品名ヘリサート/リコイル)を利用することが多いが、今回は黄銅製の埋め込みナット(以下インサートナット)を利用し、フェンダーブラケットの厚み(5mm)より長い雌ネジを作ってみることにした。材料はインサートナット(東海工業SB-6002CD/M6/外径8mm/高さ9mm)2個である。まず車体から取り外した左右のフェンダーブラケットの雌ネジ部分にボール盤で直径8mmの穴を開け、その穴に車体に取り付けたときに内側になる側からインサートナットをハンマーで叩き込む。このときインサートナットにはM6のボルトをねじ込んで、そのボルトをハンマーで叩くことで、インサートナットを変形させないようにした。このインサートナットは本来樹脂に雌ネジを構築するためのものだが、この方法でアルミ製のフェンダーブラケットにしっかりと固定することができた。 次にフェンダーブラケットとボルト(ヘッド)の間に挟まれる、フロントフェンダーの樹脂部分を金属に置きかえる。アルミ製カラー(キタコアルミスペーサーカラー/内径6.2mm/外径11㎜/高さ5mm)を2個用意し、カラーの高さをフロントフェンダー樹脂部分の厚みと同じ4.3mmに削る。フロントフェンダーを固定するボルトが通る穴(M6サイズ)を直径11mmに広げ、その穴に加工したアルミ製カラーを入れる。こうすればフェンダーブラケットとボルト(ヘッド)の間には樹脂の代わりに加工したアルミ製カラーが挟まれるので、ボルトを締めてもフロントフェンダーにストレスがかからず、高い締め付けトルクをかけることができる。このようにした上でLEDドライビングランプを取り付けてみると、手ではランプステーを回せないほどしっかり固定することができた。 見た目には何も変化がない地味な改造である。 | ||||||||||||||
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V-Stream ウィンドシールド | ウィンドシールド品番 | 新旧比較(左がNew) | ||||||||||||
見慣れた外観 | スクラッチのないクリアな視界 | Tシャツ着用中(ヘソ出し風) | ||||||||||||
実施日: 2017/03/17 2008年5月に導入したV-Streamウィンドシールドは、9年近く使用し続けた結果、透明度がかなり低下した。透明度低下の主な原因はスクラッチ(すり傷)の増加である。米国National Cycle社製V-Streamウィンドシールドは、スクラッチに強いQuantumハードコートと呼ばれる表面加工が施されているというが、長い間使用すればスクラッチが増えてしまうことは避けられない。ツアラーバイクは大きくて頼もしいウィンドシールドが付いているからこそツアラーである。ツアラーをツアラーたらしめる大きなウィンドシールドがスクラッチにより曇っている姿というのはあまりいただけない。問題なのはルックスだけでなく、前方視界の悪化による安全性の低下である。実際ここ数年は、ウィンドシールド越しのクリアな視界が得られなくなったせいか、高速道路を走行する際にウィンドシールドを下げておくことが多かった。 ウィンドシールドのスクラッチを目立たなくするために、これまでいくつかのケミカルを使ってみた。例えば、昭和の偉大なケミカルである「ペンギンワックス ゴールドS」、平成に入り一世を風靡した「花咲かG WAX ミステリーシャイン」、さらには米軍戦闘機のキャノピーをクリアに保つために開発されたという「Plexus」(ドン・キホーテが安いです)などである。だがどのケミカルを使っても、短期的にスクラッチを目立たなくすることはできても、根本的にスクラッチをなくすことはできなかった。そこで車齢10年目に突入したのを機に、ウィンドシールドを新しいものに買い替えることにした。新しいウィンドシールドは特に他の選択肢を検討することもなく、ぼほ完璧な防風性能を誇るこれまでと同じV-Streamとした。 ウィンドシールドを交換するときに新旧を比較してみたところ、前述したようにスクラッチによる透明度の違いは歴然としていた。さらに古い方の色が黄色いことがわかった。古い方は取り付けた当時から少しブロンズがかっていたものの、このウィンドシールドはポリカーボネイト製であることから、紫外線による黄変が起きていたと考えられる。古い方は取り付け穴の位置が微妙にズレていて取り付け時にちょっとしたコツが必要だったが、新しい方の取り付け穴の位置は比較的正確であった。ウィンドシールドの形状やその剛性感に違いはない。新しいV-Streamウィンドシールド取り付けて運転席から前を見てみると、視界を遮るスクラッチがないクリアな視界が広がっていることに少し驚いた。新しいウィンドシールドにはスクラッチをできるだけつけないように、車体カバーをかけるときにはTシャツを着せることにした。 | ||||||||||||||
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サビた旧LEDランプステー | アルミ製新LEDランプステー | LEDランプ装着状態 | ||||||||||||
左側ステー | 右側ステー | 右側ステー(正面から) | ||||||||||||
実施日: 2017/03/12 2013年5月に導入したLEDドライビングランプの取り付けステーにサビが出てみっともないことになっていた。近いうちに交換しようとは考えていたものの、機能的に問題があるわけではないので延び々々になっていた。ある日このLEDドライビングランプを使っているひとりの1400GTRのオーナーが、ランプに付属しているコの字型ステーを使わないでバイクに取り付けているのを見て、同じようにすればとてもシンプルにランプをマウントできることに気が付いた。そこでそのアイデアをカタチにするステーを製作してみることにした。ホームセンターで幅20mm厚さ5mmのアルミ平角棒を調達し、それを長さ7cm程に切断して6㎜径の穴を二つ開けたステーを作成してランプを取り付けてみたところ、見栄えとてもがすっきりした。LEDドライグランプの取り付け位置は、古いステーの時より約10mm上方に移動させて、転倒時にランプが路面にヒットしにくいようにしておいた。 | ||||||||||||||
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ヤフオク商品説明(拝借画像) | ヤフオク商品説明(拝借画像) | ヤフオク商品説明(拝借画像) | ||||||||||||
中華製プロ目キット | H1 HID バーナー カラ焼き中 | 安定化電源 | ||||||||||||
段ボール箱とヒートガンで加熱 | 段ボール箱内部温度モニタリング | 殻割り状態 | ||||||||||||
リフレクターとの干渉部分 | リフレクターカット部分 | メッキパーツカット部分 | ||||||||||||
古いブチルゴム | 新しいブチルゴム | 新しいブチルゴム充填状態 | ||||||||||||
H4台座用金具(左は加工済) | COBイカリング照度調整 | COBイカリングドライバー | ||||||||||||
Hiビーム点灯 | Loビーム点灯 | 猛禽類似 | ||||||||||||
簡易光軸調整 | Loビーム+ドライビング | Hiビーム+ドライビング | ||||||||||||
実施日: 2017/03/06 昨年11月に行った4回目の車検(継続検査)の際、機械によるヘッドライト検査で無情にも不合格を示す×が出た。検査そのものは検査員による裁量で合格となったものの、ヘッドライト検査中に検査員からエンジン回転数を上げるよう指示があったので、ヘッドライトの光量が足りていなかったのであろう。このときのヘッドライト光源は、中華製H4 HIDでその色温度は公称6,000Kである。このHIDバーナーは2年前の3回目の車検時には、光軸・光量ともに機械判定で合格したものなので、その後の2年間で光量が下がってしまったと考えられる。光量が下がった原因はH4 HIDバーナー自体の劣化もあるだろうし、ヘッドライト内部が汚れてきたことが関係しているかもしれない。次回の車検時までに心ときめく新型ツアラーバイクが登場しない限り、再びこのバイクに跨って品川の東京運輸支局に車検を受けにいくことになるので、ヘッドライトの光量不足に対して、何らかの対策を行っておく必要がある。 ヘッドライトの光量不足を解消する手段として手っ取り早いのは、ヘッドライトAssyとH4 HIDバーナーを新しいものに交換してしまうことだが、ヘッドライトAssyの新品価格は税込み48,211円もしてオイソレとは手が出ない。そうかと言ってeBayなどで中古のヘッドライトAssyを入手するとしても、ヘッドライト内部の汚れやリフレクターの焼けは、商品の紹介画像から判断がつきにくい。それならむしろ今のヘッドライトを分解して内部の汚れを掃除すればよいだろう。そしてどうせ分解するのであれば、昨今一部の光り物愛好家の間で流行っているバイキセノンプロジェクターヘッドライト、通称”プロ目”をヘッドライト内部に組み込んでしまうというのはどうだろう。プロ目であれば、これまでのH4 HIDの使用により一部が白化してしまったリフレクターを配光に使わないことも好都合である。 1400GTRオーナーズクラブのM氏やB氏は、2013年の時点ですでにプロ目を1400GTRのヘッドライト内に組み込んでいた。当時そのことに筆者もかなりのインパクトを受け、プロ目の導入を考えてはみたものの、当時のプロ目キットはかなり高価であり、所得の大半を息子の教育費に吸い取られる筆者にはとても手の出せるものではなかった。しかしそれから3年の月日が流れ、プロ目キットの価格も次第に筆者の手の届く範囲まで下がってきた。現在では一般的なプロ目のキット価格(中華製2個入り=なんだか饅頭みたいですね)は一万円前後とこなれてきており、これなら筆者でも爪に火を灯せばなんとか手に入る。そこで前述B氏のブログを参考にして、同じようなサイズと思しきプロ目キットを探してみたところ、ヤフオクによさげなものが見つかったのでそれを調達することにした。 国内で普通に入手可能なプロ目キットは、バイキセノンプロジェクターボディの前面にメッキ加工された化粧カバーが付いていて、そこにCCFL(冷陰極管)イカリングが組み込まれているものが多い。今回ヤフオクで落札したプロ目キットにも同様にCCFLイカリングがダブル(片側2個)で組み込まれている。だがCCFLイカリングはイカリング本体やインバーターが振動や水分で故障し点灯しなくなることが比較的多いらしいので、出品者にお願いして、このCCFLイカリングをオプションのCOB(Chip On Board、要するにLED)イカリングに変更してもらうことにした。COBイカリングは比較的高価なので、この出品者のオプションを利用すれば、別途自分でCOBイカリングを調達してCCFLイカリングと交換するより安く済むし、外したCCFLイカリングがムダなることもない。 入手したプロ目キットの商品説明には化粧カバーの最大直径は118㎜とある。注文時にはヘッドライト内部に収まると軽く考えていたものの、実際に届いた製品を見てみると思いのほか大きく、ヘッドライト内部のパーツに干渉する可能性が大きいと思われ、そして実際に干渉した。後でわかったことだが、プロ目化粧カバーの最大直径は90mm〜95㎜程度以下でないと1400GTRのヘッドライト内部にポン付けはむつかしい。今回ヤフオクで仕入れたプロ目キットの即決価格は8,400円(送料別・バラスト別売)だったが、オプションのCOBイカリングへの変更(5,000円)と、さらに殻閉じの際に必要となるブチルゴム2m(690円)を同梱してもらうことにしたので、総支払額は送料の800円を加えて14,890円となった。 ヘッドライトの加工は、まずヘッドライトが入る大きさの段ボール箱を近所のスーパーオオゼキで調達するところから始めた。透明なヘッドライト前面カバーと黒い後部ケースを分離(=殻割り)するには、両者の嵌合部分を接着しているブチルゴムに熱を加えて柔らかくした状態で両者を引き剥がす必要がある。ブチルゴムに熱を加えるには、ヘッドライトを段ボール箱に入れてふたを閉め、段ボール箱に開けた丸い穴からヒートガンの熱風を段ボール箱内部に送り込む方法がよく使われる。その際、熱風が直接ヘッドライトに当たるとその部分の樹脂が溶けてしまうので注意が必要である。筆者は温度計を使い、段ボール箱内部の温度が摂氏70度程度を保つようにヒートガンの温度を調整した上で、加熱しては嵌合部分を少しずつ外すことを何度か繰り返し、約一時間半掛かって殻割りに成功した。 殻割りした二つのパーツの嵌合部分には、これまで両者を接着していたブチルゴムが付着している。このブチルゴムの取り扱いについては対立する2つの派閥がある。そのひとつは、付着したブチルゴムをそのままにしておき、パーツの接合(=殻閉じ、または殻戻し)時に再利用する派閥、もうひとつは、付着しているブチルゴムをできる限り取り去り、殻閉じ時には別途新しいブチルゴムや他の接着剤を供給する派閥である。筆者は今回殻閉じ用の新しいブチルゴムを入手していたので、後者の派閥に属することにした。付着しているブチルゴムは冷えて硬くなっているので、ヘッドライトの樹脂パーツを溶かさないよう細心の注意を払いながらヒートガンでブチルゴムに直接熱を加え、柔らかくなったところをマイナスドライバーでこそぎ取る。そのようして取り去ったブチルゴムは全部合わせるとゴルフボールの半分ほどの大きさとなった。 次にプロ目をヘッドライト後部ケース上のリフレクターに取り付けるが、プロ目の化粧カバーが大きくて、リフレクターの上部に干渉してしまった。プロ目を定められた位置に収めるには(イ)プロ目の化粧カバーをカットする(ロ)リフレクター側をカットする(ハ)小さいプロ目を買う(ニ)プロ目をあきらめるなどの方法がある。(ニ)の選択はないとして(ハ)を採用するには調達したプロ目が無駄になる。そこで選択肢は(イ)または(ロ)となるが、美容院での散髪中に長考した結果、思い切ってリフレクター側をカットすることにした。その理由は、化粧カバーをカットするとCOBの光り方がいびつになる可能性があったのと、カットが必要な場所はリフレクターの上部なので、ヘッドライトを下からのぞき込まない限りカット部分は見えないからである。リフレクターのカットは主にディスクグラインダーを使って行ったが、メッキ部分から出る粉塵の量がすさまじく、作業を行った自宅ガレージ内が粉塵で真っ白になったばかりか、隣家の駐車場に停めてあるクルマまで白くなってしまった。粉塵を吸い込み胸が痛くなりながらも干渉部分のカットをなんとか終えた。 干渉がなくなったところでプロ目をリフレクターに固定してみる。プロ目後部のネジ部分をリフレクターの前からシリコンゴムの緩衝材を挟んでリフレクター中心部の穴に差し込み、リフレクター裏側からプロ目付属のH4台座用金具とリング状のネジで固定する。左右のプロ目をリフレクターに固定し、安定化電源を使ってHIDバーナーを点灯してみると、配光がライダーから見てかなり左上がりになっている。これはそもそもリフレクター後部のH4バルブ台座がライダーから見て少し時計回りに捻られているからなのだが、このリフレクターはH4バルブ用に設計されているので、光源にH4バルブを使えば、バルブが時計回りに捻られて装着されても配光は水平になるのであろう。だがプロ目で配光を水平にするためには、プロ目を現在の位置から反時計回りに捻る必要がある。これを実現するには、リフレクター後部のH4バルブ台座を削るか、あるいはプロ目付属のH4台座用金具を削るかのどちらかを行う必要がある。今回は一番削る労力が少ないであろう、H4台座用金具の内側をヤスリで削り、プロ目を反時計回りに捻って配光を水平にした。 次にCOBイカリングの光量調整を行う。COBイカリングには定電流回路(COBドライバ)が電線の途中に組み込まれていて、COBイカリングに流す電流値を調整している。このCOBドライバが調整する電流値は、COBイカリングの最大許容電流に近いと思われ、12Vを印加するとCOBは爆光といっていいほど非常に明るく発光する。この状態でCOBイカリングを長時間点灯させると、COBイカリング自体の発熱に加えて、プロ目の光源であるHIDバーナーの熱が加わり、COBイカリングの寿命が著しく短くなる恐れがある。そこでCOBイカリングに流す電流値を下げるため、別途LED用定電流ドライバを追加することにした。入手したLED用定電流ドライバは、電流値を70mAから350mAの間で調整することができるスグレモノである。 この定電流ドライバを2個用意し、左右の前側COBイカリングをまとめてひとつの定電流ドライバにつなぎ、左右の後側COBイカリングをまとめてもうひとつの定電流ドライバにつなぐ。その後COBイカリングの明るさを目測で最大値の半分程度になるよう、定電流ドライバの電流値を調整する。2個の定電流ドライバは小さなプラスチックケースに収め、4個のCOBドライバとともにヘッドライト下面に両面テープで貼り付けておく。COBイカリングの電源はシティーライトからとったので、イグニッションをONにすればCOBイカリングは点灯し、イグニッションをOFFにするまで点灯し続ける。点灯時と消灯時にそれぞれゆっくり点灯しゆっくり消灯するようなディレイ回路を入れるとドラマチックな演出ができるのだが、今回の工作ではすさまじい粉塵のせいで、それを実現するだけの余裕が持てなかったのは残念である。 1400GTRのヘッドライト前面カバーの内側には、ヘッドライト内部の見栄えをよくするメッキパーツがネジ止めされているが、このメッキパーツがプロ目の化粧カバーに干渉することがわかった。この干渉をクリアするためには、リフレクターをカットしたようにこのメッキパーツの干渉部分をカットする必要がある。このとき注意が必要なのは、プロ目とリフレクターの位置関係は固定されているので、リフレクターのカット部分の面積は、干渉がクリアできる最小限の大きさでよいのに対して、プロ目とメッキパーツの位置関係は光軸を調整するときに変化するので、メッキパーツのカット部分の面積は、この変化に対応できる余裕のある大きさでなければならない。光軸調整の最中にメッキパーツとプロ目の化粧カバーが干渉すると、それ以上の調整ができなくなってしまう。このメッキパーツもリフレクターと同様に主にディスクグラインダーでカットしたが、リフレクターをカットしたときほどの粉塵は出なかった。 大きめの化粧カバーが付いたプロ目は見た目には迫力があってよいのだが、それを1400GTRのヘッドライト内に取り付けるにはそれなりの加工が必要になるので、できるだけ簡単にプロ目化を果たしたい場合は、プロ目のサイズ選びを慎重に行う必要がある。ヘッドライト前面カバーの内側のメッキパーツが外れている間に、無水アルコールを使ってヘッドライト前面カバー内側の汚れを拭き取る。作業後は汚れを拭き取った跡が少し残ってしまい決して満足のいく状態ではなかったが、しつこく何度も拭き取ると、何のコーティングもされていないヘッドライトレンズ内側にキズをつけてしまう可能性があるので適当なところで切り上げた。メッキパーツをヘッドライト前面カバー内側に戻せば次は殻閉じ作業である。 ヘッドライト後部ケースのヘッドライト前面カバーとの嵌合部分の溝に、調達しておいたブチルゴムを充填する。入手したブチルゴムの直径は溝に対してやや大きいので、溝の幅と同じ程度に引き伸ばして溝に入れていく。殻閉じ後に水分がヘッドライト内部に浸入しないよう、ブチルゴムは切れ目なく溝に入れていく必要がある。ブチルゴムを入れ終わったら、ヘッドライト前面カバーの最初のはめ込みを容易にするため、ヒートガンで直接溝の中のブチルゴムに熱を加える。10分程度まんべんなくブチルゴムに熱を加えた直後にヘッドライト前面カバーを後部ケースはめ込んでみると、嵌め代のほぼ半分程度まで一気にはめ込むことができた。その後は殻割りの際に使用したダンボールを使ってヘッドライト全体を熱しては少しずつはめ込む作業を行った結果、一時間ほどで殻閉じ作業を終えることができた。 プロ目がインストールされたヘッドライトを車体に組み込む。H4 HIDで使っていたリレーハーネス、35Wバラストやイグナイターはそのまま使うことができた。カウル類を戻し終わって簡単な光軸調整を行う。バイクにまたがりエンジンをかけてハイビームの状態で正面の壁にできるだけバイクを近づける。そのときヘッドライトに照らされる壁の一番明るい部分(輝点とする)をビニールテープ等でマークする。そして輝点を見ながらきるだけまっすぐ後ろにバイクを後退させると、光軸が適正でない場合、輝点がマークから離れ上下左右に移動する。バイクを後退させるにつれて輝点が上に移動するようであれば、光軸は水平より上を向いている。輝点が左に移動するようであれば光軸は正面より左を向いている。上を向いている場合は下向きに、左を向いている場合は右向きに光軸をアジャスターで調整する。最終的にバイクが後ろに下がったときに輝点が左右に移動しないで、ごくわずかに下に移動するように光軸を調整する。車検時の規定である10mもバイクを後ろに移動する必要はなく、3m程度の移動でも光軸がどちらを向いているかはすぐにわかる。 光軸調整を終えて試乗に出かけてみる。首都高4号線の永福上り入り口から都心に向かい、西新宿JCTから中央環状線(C2)山手トンネルに入り湾岸線方面に向かう。想像していたとおりLoビーム時のグレア光は皆無で、以前のH4 HIDでみられた、トンネルの側壁と天井が自車のヘッドライトで照らされたり、正面にある道路標識がグレア光を再帰反射して明るく光ったりすることはない。Loビームのカットラインはかなりシャープで、これなら先行車や対向車に眩しい思いをさせずに済むだろう。筆者がこれまで使ってきたH4 HIDがカットラインのはっきりしない「ぼわーっ」とした照らし方だったとすれば、このプロ目は照らされる矩形の範囲がはっきりしていて、その範囲を強力に照らすようなイメージで、Loビームに照らされる路面の明るさ感もH4 HIDと比べて高いように感じる。 Loビームでは道路左側の壁やフェンスにも四輪車のプロジェクターヘッドライトと同じようなきちんとしたカットラインが出ていて、歩行者も大人の目の高さであれば眩しいと感じることはないだろう。一方でグレア光によりもたらされていた被視認性が低下してしまう可能性はある。しかしグレア光に依存した被視認性というのもあまり感心できるものではない。これからはより一層まわりの車両が自車の存在に気付いているかどうかに注意を払う必要があるだろう。1400GTRのヘッドライトには自車左右の路面を車幅程度に照らす機能があるが、これは残念ながら失われてしまった。東京都内の試乗ではHiビームを試すことはあまりできなかったが、少し使ってみた分には特に暗いということはないように思えた。次回の車検ではH4 HIDで問題となった光量不足という状況にはならないことを祈りたい。 今回のプロ目導入は予想外の加工作業が必要だったにせよ、当初の目的であったH4 HIDの光量不足をおそらく解消できた上にプロジェクター特有の優れた配光特性を得ることができた。また猛禽類を連想させるような見た目のインパクトやダブルイカリングのチャラい感じも悪くない。あとはこの中華製プロ目にどれほどの耐久性があるかということになるだろう。もしプロ目に何らかの修理や修正が必要になると、ヘッドライトの殻割りが必要となるのはほぼ確実なので、プロ目に故障が起きないことを毎乗車前に神仏に祈らねばなるまい。 (ヘッドライトは重要保安部品です。バイクの改造は自己責任で) | ||||||||||||||
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ワンオフマフラー風 | アルミ製ステッカー | ステッカー貼付後 | ||||||||||||
実施日: 2017/01/23 2009年9月に装着したLeo Vince SBKスリップオンマフラー(以下マフラー)は、いくぶん消音効果が下がったような気がする以外、機能的にはここまで問題なく運用してきた。チタン製のマフラーボディとミッドパイプはホコリが乗ったまま濡れ雑巾で拭いてもキズが付きにくく、外観的にもあまりヤレた感じはない。ただしマフラー後部に貼り付いているブランドと製品名を示す標章が、経年劣化のためか装着数年後から徐々に剥がれてきた。一般的にマフラーのブランドや製品名を示す標章は、それなりの厚みの金属性のものがマフラーボディにリベット留めされていることが多いが、このマフラーはコストカットのためなのか、薄いアルミ製のステッカーとなっている。さすがは1400GTR用のマフラーとして最も安価な製品だけのことはある。 2015年の暮れも押し詰まった師走のある日、マフラーボディを雑巾で拭いているとき、剥がれかけていたステッカーの角に雑巾が引っ掛かり大きく剥がしてしまった。ステッカーは大きく曲がって折れ目が付いてしまい、アルミ製なのでキレイに元に戻すのは難しそうである。そこでこのステッカーを完全に剥がしてしまうことにした。ステッカーを剥がして糊の跡を溶剤でふき取ると、ワンオフマフラーのような雰囲気が出て、これはこれでよいのだが、安価なマフラーが更に安価に見えるような気がしないでもなかった。しかし老化したライダーは、しばらくするとステッカーを剥がしたこと自体を忘れてしまった。ところが今年に入って、このアルミ製ステッカーが単品で販売されている通販サイトを見つけ、取り寄せてマフラーボディに貼り付けておいた。やはりこの方が見栄えがいい。 | ||||||||||||||
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ユピテル YPL522 | 装着状態 | ライダー視点 | ||||||||||||
マウント方法(前から) | マウント方法(横から) | マウント方法(後ろから) | ||||||||||||
実施日: 2017/01/08 2011年7月に導入したユピテル社のカーナビYPL502Siは、比較的廉価なカーナビにもかかわらず、これまで不具合が発生したことは一度もなく、遠出をする際にはいつも的確な道案内を行ってくれていた。しかしながら導入から5年も経つと、地図に収録されていない新規開通道路やスマートICが増えてきて、最近では不便を感じることがあった。特に筆者的には、東京から西に向かうときに利用することが多い新東名高速道路が収録されていないので、そこを走行中にはカーナビが一般道を案内しようとして頻繁にリルートが発生してしまうことが煩わしい。また経年劣化によるものか、画面の輝度が低下したような感じもあり、昼間に画面が見づらくなってきたことも気になっていた。ただしこれはライダー側の経年劣化が原因かもしれない。 そこでカーナビを新しいものに買い替えることにした。YPL502Siを使ってみて、ユピテル社製のカーナビにはコストパフォーマンスの高さを感じたので、新しいカーナビもYPL502Siの後継機種であるYPL522にすることにした。後継機種であるため、車体側に設置してある電源供給用の5V USBコネクタ(mini USB 2.0 Type-B)や音声出力用のプラグ(3.5mmスレテオミニプラグ)もYPL502Siに使っていたものをそのまま利用することが可能だった。カーナビ本体を取り付けるマウントも、YPL502Siで使っていたRAMマウントPDA用横型ホルダがそのまま利用できた。ただし、カーナビ本体の厚みがYPL522の方が大きかったので、カーナビ本体を保持するツメを、これまで使っていた一番短いもの(17mm)から一段長いもの(27mm)に交換する必要があった。 新しいカーナビYPL522を取り付け、試乗に出かけてみた。気になっていた新東名高速道路がきちんと案内されるかどうかを確かめるため、東京(用賀)インターチェンジから東名高速道路に乗り御殿場ジャンクションを目指す。ヘルメットに内蔵したスピーカーから聞こえる音声案内は、YPL502Siのそれに比べると話し方が少々声優チックなのが気になった。当日の天気は曇りだったので画面は問題なく視認できた。ユピテル社のサイトによると、このカーナビの画面にはアンチグレア高輝度ディスプレイを採用しているとのことなので、晴れの日でもよく見えることを期待したい。カーナビの操作を行うタッチパネルは、スマホのような静電容量方式ではなく抵抗膜方式なので、グローブをはめた指や安価な100均のスタイラスペンで操作できる。 御殿場ジャンクションから新東名高速道路に入ると、YPL522がこの道のデータを収録していることを確認できた。しかしわざわざここまで実際に走ってこなくとも、家でカーナビの画面をスクロールして新東名高速道路が収録されていることを確認すればよかったことに気付いた。プチツーリングだと思って気を取り直し、新清水ジャンクションから清水ジャンクションを経由して東名高速道路上り線に入り、お昼ごはん前に無事帰宅した。最近はスマホのカーナビアプリの出来が良くなってきたことは知っているが、筆者的にはカーナビ専用機のシンプルな操作性や、ある種の機能(例えばアクセサリ電源のON/OFFにカーナビのON/OFFが連動するなど)が捨てがたい。これからしばらくはこのカーナビのお世話になりながらツーリングを楽しむことにしようと思う。 | ||||||||||||||