KAWASAKI 1400GTR 2008 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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LEDドライビングランプ | LEDドライビングランプ | LEDドライビングランプ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
LEDドライビングランプ前面 | LEDドライビングランプ後面 | 外付けLEDドライバ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
黄色LED消費電流(12V側) | 白色LED消費電流(12V側) | 金属製カバー取り外し | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
前面ベゼル取り外し | 樹脂製レンズと防水パッキン | 内部LED基板 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
外付けLEDドライバ内部 | フェライトコア取り付け | 外付けLEDドライバ設置 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
DC-DCコンバータモジュール | 自作USBチャージャー | 自作USBチャージャー | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
小型ヒートシンク | 自作USBチャージャー負荷試験 | 自作USBチャージャー温度測定 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
空気圧センサー電圧(交換前) | 空気圧センサー電圧(交換後) | 自作アルミアダプターとステー | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
全消灯 | 黄色ドライビングランプ点灯 | 白色ドライビングランプ点灯 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
黄色+ヘッドライトLo点灯 | 白色+ヘッドライトHi点灯 | LEDデイライトも点灯 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
実施日: 2022/11/20 一般的な自動車用LEDドライビングランプにはLEDを点灯させるためのLEDドライバ(定電流回路)がLEDドライビングランプ本体に内蔵されている。LEDドライバはLEDに一定の電流を流すために、バッテリー電圧の+12VをスイッチングレギュレータICで下げる。スイッチングレギュレータICは電圧を下げる(DC-DC変換)ため、スイッチング(電気的なON/OFFの繰り返し)を数100KHz~数10MHzのサイクルで行うが、これが電気的放射ノイズの発生源となる。今年10月に取り付けた中華製LEDドライビングランプはこの電気的放射ノイズがかなり大きかったようで、しかもその発生源がフロントホイールの近くにあるものだから、フロントホイール内部にある空気圧センサーの微弱電波がシート下にあるECUに届かなくなり、空気圧がインパネに全く表示されなくなったと考えられた。 それなら電気的放射ノイズの発生源であるLEDドライバがLEDドライビングランプ本体に内蔵されていない、つまりLEDドライバが外付けの車載用LEDドライビングランプがないか探してみたところ、蛇の道は蛇とはよく言ったもので、AliExpress上にそのような製品があり、性懲りもなく発注してみた。代金は送料込み8,593円で、発注後なんと7日目に中国から到着した。製品を箱から取り出してみると、半艶消し黒色に塗装されたアルミダイキャスト製のランプ本体はずっしり重く、ランプを覆っているカバーがヘビーデューティーな感じを醸し出している。前面の丸い樹脂製レンズの中央部分はかなり前に張り出していて自己主張が激しい。外付けのLEDドライバからは1mほどのケーブルが出ていて、これをLEDドライビングランプから出ているケーブルに防水コネクタで接続する。LEDドライバの反対側からは黄色(+)・赤色(+)・黒色(-)の電源線が出ている。 早速LEDドライビングランプの動作確認を行ってみた。LEDドライビングランプとLEDドライバを防水コネクタで接続し、LEDドライバの黒色の電源線に安定化電源のマイナス(-)をつなぐ。黄色の電源線に12Vを印加してみると、LEDドライビングランプが黄色に点灯した。次に赤色の電源線に12Vを印加してみると白色に点灯した。黄色と赤色の電源線の両方に12Vを印加してみたところ、白色にしか点灯しなかった。これはおそらく付属のLEDドライバがどちらか一方のLEDを点灯させるだけのキャパシティしかないので、意図的に白色LEDだけを点灯させていると考えられた。黄色・白色ともに投射される光は、前面レンズによりニッサンのロゴを横に引き伸ばしたような楕円形になる。面白いのは、黄色に比べて白色は光が高い位置に投射されるので、ロービーム(黄色)とハイビーム(白色)のような使い方もできる。消費電流は黄色LEDも白色LEDも12V側で約2.1A~2.2A(1台あたり)といったところで、消費電力は約25Wとなる。 次にLEDドライビングランプを分解して構造を調べてみることにした。ネジを緩めて外側の金属製カバーと前面ベゼル・樹脂製レンズを取り外す。樹脂製レンズの基底外周部分はゴム製のパッキンに覆われていて、これが前面ベゼルとランプ本体に挟み込まれることで防水性を発揮する構造である。この部分を手直しする必要はないと思われた。樹脂製レンズを取り外すと内部基板が現れる。LEDドライバが外付けなので、基板上には黄色と白色の2種類のLEDが載っているだけで、LEDドライバを構成するスイッチングレギュレータICやチョークコイル、コンデンサなどのパーツはなくすっきりしていた。分解したLEDドライビングランプを元に戻す際に、前面ベゼルを留めているネジが振動で緩まないようネジロック剤を塗布した上で締め付けておいた。次にLEDドライバの内部構造を調べるため、ネジ留めされているLEDドライバのフタを開けてみたところ、防水のためか内部には不透明な樹脂が充填されていて、構造や使用されているパーツを確認することはできなかった。 これまで使ってきたLEDドライビングランプには、ランプ本体に水平方向に開いたマウント用のボルト穴があり、フロントフェンダーに取り付けた自作アルミステーにM6ボルト1本でマウントできていた。このLEDドライビングランプはランプ本体にマウント用のボルト穴はなく、別途金属製の板を曲げたマウント用ステーが付属している。このステーをLEDドライビングランプの左右側面にネジ留めし、車体側へはM8ボルト1本を垂直方向に通して締め付け固定する。つまりこれまで使ってきたLEDドライビングランプと同じマウント方法が取れないので、新たにアルミブロック(40x30x15mm, A5052)にボール盤で垂直方向8Φ・水平方向6Φの穴を開けたアダプターを自作することにした。このアダプターをマウント用ステーにM8ボルトで固定し、フロントフェンダーに取り付けたこれまで使ってきた自作アルミステーにM6ボルトで固定した。アルミブロック分のバネ下重量は増えるものの、LEDドライビングランプ自体が相当重たいので目を瞑ることにした。 LEDドライビングランプはこれまでどおりフロントフェンダー横に取り付ける。外付けLEDドライバは電気的放射ノイズの発生源なので、LEDドライビングランプへケーブルが届く範囲で、できるだけフロントホイールとシート下のECUから離れた位置に設置したい。そこでアッパーカウルを外してコンビネーションメーター裏のスペースを探してみたものの、そこには既にHIDバラストが設置されていて、この小さいLEDドライバを置くスペースすら見つからなかった。そこで妥協案として、LEDドライバをアルミホイルで包み、燃料タンク右前のリヤミドルカウリング内のスペースに設置することにした。バッテリーから直接引いた電源を接点容量10Aのリレー(エーモン3234コンパクトリレー)2個(左右黄色LED用および左右白色LED用)を介してLEDドライバへ供給する。リレーはインパネ左下に設置したNKK M-2020WトグルスイッチでON/OFFする。NKK M-2020Wは単極3投という特殊なスイッチで、これを利用してLEDドライビングランプ(消灯・黄色LED点灯・白色LED点灯)とLEDドライビングランプインジケータ(黄色LEDまたは白色LED点灯時に点灯)の状態をコントロールする。 電気的放射ノイズはLEDドライバだけではなく、既に設置済みのUSBカーチャージャーからも発生している可能性がある。リヤミドルカウリング内に設置しているUSBカーチャージャーは、スマートホンとドライブレコーダーに5V電源を供給している。今回これを電気的放射ノイズがかなり小さいとされるスイッチングレギュレータIC、リニアテクノロジー社製LT8640を使ったものに置き換えることにした。このICが搭載されたコンバータモジュールを取り寄せ、基板にヒートシンクを貼り付けプラスチックケースに収めたUSBカーチャージャーを自作した。このコンバータモジュールは最大出力電流が5Aなので、スマートホンの充電電流(実測0.8A)とドライブレコーダーの消費電流(実測1.2A)を賄っても余裕がある。さらに念のため、フロントホイール内の空気圧センサーの電池も新品に交換しておくことにした。これまで空気圧センサー電池電圧の低下を示す"LOW BATTERY"の警告は出ていなかったものの、取り外した空気圧センサーの電池電圧は約2.98Vで、前回の電池交換時に測った約3.2V程度からは低下していた。新しく取り付けたタブ付きCR2032電池は3.18Vを示した。 LEDドライビングランプの光軸調整は、HIDプロジェクターヘッドライトのロービームと白色LEDを点灯させた状態で車体の前に10メートル程度離れて立ち、そのまま目の位置を下げていってヘッドライトとドライビングランプが眩しく見え始める高さをおおよそ合わせた。このセッティングで黄色LEDを点灯させたとき、明るく照らされる高さがHIDプロジェクターヘッドライトのロービームのカットラインよりかなり低くなるので、先行車・対向車・歩行者に眩しさを感じさせない。ライダーから見た黄色LEDによる対象物の照らされ方は、これまで見慣れないせいもあるのか、自車の存在感を周りの交通に感じさせて被視認性が向上するような印象を持った。懸案のフロントタイヤ空気圧表示だが、試運転の結果、残念ながら走行時間の2~3割程度は表示されない状態となった。しかし前回取り付けたLEDドライビングランプのように全く表示されないわけではないので、外付けのLEDドライバを採用するLEDドライビングランプを採用した効果はそれなりにあったのかもしれない。 <2022年11月26日追記> |
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継続検査費用 | 継続検査仕様(背景は検査棟) | 継続検査仕様(背景はA庁舎) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
実施日: 2022/11/9
東京運輸支局で7回目(15年)の継続検査を受けた。事前準備としてLEDドライビングランプを取り外し、LEDデイライトにカバーを被せた。ヘッドライトスイッチを機能しないようにし、バイキセノンプロジェクターヘッドライトのCOBイカリングもカプラーを外して点灯しないようにしておいた。車両購入時に付属していたメンテナンスノートに従って点検を行ったが、メンテナンスノートは遂に最後のページを使うことになった。もしも2年後にまた継続検査を受けるのであれば、新たにメンテナンスノートを調達するか、あるいはダウンロードできる二輪自動車定期点検用整備記録簿を使う必要がある。 継続検査当日は朝7時半に家を出て、8時15分ごろ早川自動車(テスター屋)に到着しヘッドライトの光軸を調整してもらう。家を出る前にアッパインナカウリングを取り外しておき、整備士のお兄さんがヘッドライト調整アジャスタに手が届きやすいようにしておいた。左右のヘッドライト共、右および上にズレていたので調整してもらった。前回の継続検査後にHIDバラストをサイズの大きなものに取り替えたのだが、それが右ヘッドライトの水平調整アジャスタにかぶってしまい、調整に手間を取らせてしまった。作業後、事務所で光軸調整代を支払い自賠責に加入した。 東京運輸支局に移動し、ナンバーセンター(建物C)の窓口で二輪継続検査の旨を告げ、持参した書類一式(自動車検査証[以下車検証]・ダウンロードして印刷・記入した継続検査申請書・自賠責証明書・納税証明書)を渡すと代金が告げられ、代金を支払うと印紙が渡された。以前は自動車重量税納付書・自動車検査票1に印紙を貼ってから渡してもらったのだが、それらの用紙はA庁舎2階でプリントアウトすることになったのだそうだ。印紙を持ってA庁舎2階に移動すると用紙印刷用端末が置いてあった。この端末で印刷する書類を選択し、車検証の二次元バーコードをハンドスキャナーでスキャンすると選択した書類が印刷される。筆者は当初使い方がわからず適当に操作していたところ、自動車検査表1が1枚余計に印刷されてしまったのでお土産に持って帰ることにした。印刷された用紙には、これまで手書きで記入していた車両登録番号や原動機形式、車台番号、受検者の氏名、提出年月日等が既に印刷されており、国土交通省もIT化に一歩踏み出したことが体感された。それらの用紙に購入した印紙を貼り、必要な書類一式をクリップボードに挟んでメンテナンスノートと共に受付に提出する。用紙印刷用端末から出てきた自動車重量税納付書の使用者の欄には何も印刷されていなかったがそのまま提出したところ、手書きで記入する必要がある旨を指摘された。返してもらった自動車重量税納付書に使用者の情報をボールペンで書き込んでおいた。 バイクに戻り二輪検査コースに向かう。コースには先客が3台いた。その3台の後ろに並んだ時点で検査開始時刻の午前9時にはなっていなかったが、検査員がヘッドライト上下切り替え、方向指示器、ホーン、ブレーキランプ、ハンドルロックの検査を行ってくれ、車台番号とエンジン番号が確認された。ハンドルバーエンドが純正品でないためか、ハンドル幅をメジャーで測られたものの、筆者の固体は車検証に100cm幅(パニアケース取り付け状態での幅)と記載してあるので特に問題は指摘されなかった。検査員にDボタン(平成11年排出ガス規制車)を押すことを指示され、排ガス検査に臨む。前回の失敗を教訓に、Dボタンを押してから画面の指示に従ってプローブをマフラーに差し込んだところ、排ガス検査は合格となった。次は前後ブレーキ・スピードメーター・ヘッドライト検査である。一台前の受験者はバイクショップ店員なのだろう、慣れた手つきでそれらの検査を受けている。それを眺めていたところ、検査員が筆者に近寄ってきて、「すべてご案内しますので、その場で待っていてください」という。筆者の身なりでバイクショップの店員ではない素人と判断されたのか、フルにサポートしてくれるという。きちんと税金を払っていると良いこともあるものだ。 一台前の受験者が検査終了後、検査員の指示でバイクを前進させ、前輪をテスターに乗せて前輪ブレーキ検査を行う。画面の指示に従って思い切り前後輪ブレーキを掛けたところ検査は合格した。検査員の指示でバイクを前進させ後輪をテスターに乗せてスピードメーター検査(40km/hでフットスイッチを離す)を行う。これも問題なく合格し、その位置で後輪ブレーキ検査である。画面の指示に従い前後輪ブレーキを掛けたところ検査は合格した。検査員の指示で所定の位置まで前進し、最後はヘッドライト検査である。事前にHIDバーナーを明るいものに交換した上で、大枚3,500円を叩いて光軸調整を行った甲斐があり、ヘッドライト検査は左右とも一回で合格した。排ガス検査以外の自動車検査票1への印字はすべて検査員が行ってくれたのでとても助かった。最後に検査棟内のブースで総合判定を受け、A庁舎2階に戻り新しい車検証と検査標章(ナンバーに貼るステッカー)をもらって帰宅した。自宅ガレージで新しい検査標章をライセンスプレートに貼り、7回目の継続検査は目出度く終了した。 |
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シート表皮のほつれ | AIR-FLOWシートカバー | AIR-FLOWシートカバー | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
シートカバー取り付け | シートカバーを被せたシート | シートカバーを被せたシート | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
実施日: 2022/10/23 2010年5月に表皮を貼り換えたシートだが12年を経過して縫い目の糸が部分的にほつれてきた。2012年5月に表皮を剥がして裏面から縫い目に浸水防止の補強を行っておいたので、縫い目からの浸水や縫い目がぱっくり割れることはないと思われたが、表皮の保護とボロ隠しのため手頃なシートカバーを被せてみることにした。タイムリーにFacebookに広告が出ていたAIR-FLOWシートカバーという製品が目に留まった。そこでその会社(米国)のECサイトで1400GTRに適合するXLサイズのシートカバーを$79.95(送料は無料)で発注したが、昨今の円安により円建てでは\12,112と結構な値段を支払った。 発注から10日余りで到着したシートカバーは、吸水しない硬めのしっかりした網目状の素材からできていて厚みは1cmほどもある。指で押すなど狭い範囲に荷重をかけると厚みは潰れるが、尻や腿などの広い範囲の荷重ではある程度厚みが残る。この空間に空気が通るのでエアフローなのだろう。取り付けはシートカバーをシートに被せてベルトを十字に掛けるだけである。フィッティングとしてはシート幅の一番広い部分の寸法が若干足りない感じがした。シートカバーを掛けたシートを車体に取り付ける際にロックがかなり掛かりにくくなり、強く押す必要があった。 バイクにまたがってみると、やはりシートカバーの厚みの分だけ若干足つきは悪くなる。だが筆者は身長のワリに足が長いので気になるほどではない。実際に走り出してみると、速度が50km/hを超えたあたりから、腿から尻のあたりが涼しいと感じるので、実際にエアフローがあることを実感できた。座り心地に特に違和感のようなものはなく、ワインディングロードを走ったわけではないが、ハイペースの走行でも体重移動などに問題が出ることはないだろう。表皮の保護とボロ隠しができた上にエアフローまで得られたので、結構な値段はしたが悪い買い物ではなかったかもしれない。 |
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LEDドライビングランプ | LEDドライビングランプ前面 | LEDドライビングランプ後面 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
LED素子の消費電流 | LEDイカリングの消費電流 | LED素子点灯中の温度 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
前面ベゼルと風防レンズ | シリコンゴム製パッキン | LEDイカリング保持パーツ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
LEDイカリング構造 | カマボコ型プリズム | 基板上のLED素子 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
電源コードのコーキング状態 | パスコン取り付け | 風防レンズフランジ部 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
風防レンズフランジ部のバリ | 風防レンズフランジ部研磨中 | 風防レンズフランジ部研磨後 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
イカリング保持パーツとボディーの隙間 | 隙間にコーキング剤充填 | 前面ベゼル水抜き穴開け加工 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
LEDドライビングランプ取付状態 | 右側LEDドライビングランプ | 左側LEDドライビングランプ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
LEDイカリング点灯 | LEDドライビングランプ点灯 | LEDドライビングランプ照射範囲 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
実施日: 2022/10/12 これまで4年近く使ってきたLEDドライビングランプは、遂に先月の雨中走行で水分が内部に浸入して不点灯となり廃棄したが、懲りずにまた新しいものを取り付けることにした。AliExpressで購入した新しいLEDドライビングランプは直径が約70mmのもので、これまで取り付けていたものより少し大きい。価格は送料込み2,344円(2個)と安価で、9/30に注文して到着は10/11だったので納期は11日だった。中国から来る荷物としては妥当なものだろう。 このLEDドライビングランプはユニークなカマボコ型のプリズムがLED素子の前に設置されている。このプリズムをとおしたLED素子の光はカットラインから上に光が漏れないので先行車・対向車に迷惑をかけにくい。またこのLEDドライビングランプにはLEDイカリングが内蔵されている。LEDイカリングの色は白・赤・青・オレンジから選択できたが、日本国内では前を向いている赤い灯火はヤバいので無難な白にしておいた。 到着したLEDドライビングランプの箱には、ランプ本体、ステー、ボルト、それに六角レンチが入っていた。とりあえずランプ本体の点灯確認を行う。ランプからは3本の電線が出ていて、赤はLED素子(+)、黄はLEDイカリング(+)、黒はGND(-)である。LED素子の電源とLEDイカリングのそれとは別になっているので、それぞれ独立して点灯・消灯することができる。安定化電源でLED素子とLEDイカリングに12Vを印加したところ問題なく点灯した。 消費電流を計測してみたところ、ランプ1台あたりLED素子は約1.2A、12Vを印加しているので消費電力は14.4Wとなった。実際かなり明るいが、放出される熱もかなりのもので、室温23℃でLED素子を30分程度点灯させ、その時のランプ後方の放熱フィン付近の温度を測ってみたところ、80℃を超えていた。LEDイカリングの消費電流は約95mAだったので消費電力は約1.1Wとなる。ランプ2台のLED素子とLEDイカリングをすべて点灯すると、消費電流は約2.6A、消費電力は約31Wとなる。 次にLEDドライビングランプを分解して構造を調べてみることにした。まず樹脂製前面ベゼル(以下前面ベゼル)をダイキャスト製ボディー(以下ボディー)から取り外す。これは木ネジ(!)2本で左右をボディーに固定してあり防水性には関係ない。次に透明な樹脂製風防レンズ(以下風防レンズ)をボディーから取り外す。これはM3ネジ2本で上下をボディーに固定してある。風防レンズのフランジ部分とボディーの間にはシリコンゴム製のパッキン(以下防水パッキン)が挟み込んであり、これが内部への浸水を防ぐ役割を担っていると思われた。 風防レンズと防水パッキンを取り外すと、LEDイカリングを保持しているパーツが取り外せる。LEDイカリングを分解してみると、リング状の基板上に27個のLEDが取り付けられていて、その上を乳白色の樹脂製カバーが覆っている構造だった。LEDイカリングを保持しているパーツを取り外すとLED素子が取り付けられている基板が現れ、カマボコ型のプリズム2個がネジ留めされていた。それを取り外すと基板上には4個のLED素子が取り付けられていた。 計測したランプ1台当たりのLED素子の消費電力は14.4Wだったので、損失を無視すると4個のLED素子1個あたり3.6Wの消費電力となる。実際には3W程度のハイパワーLED素子が使われているのだろう。ボディー後方に出ている電源コードはボディー内部でしっかりコーキングされていた。基板を露出したついでに、電源ノイズの低減を期待して、基板上のLED素子への電源入力端子とGND端子間に1000pFのパスコンを取り付けておいた。 同じ型のLEDドライビングランプはAmazon.co.jpでも販売されている。そのカスタマーレビューを見ると、雨中を30分走っただけで浸水したとか、風防レンズの内側が曇るとかのレビューがあり、この製品の防水性能に難があることが示唆される。雨が直接当たるランプは内部に水分が浸入し易い上に、筆者の場合はそれを振動の多いバイクの、しかもバネ下に取り付けることになる。そこでこのLEDドライビングランプの防水性を強化してみることにした。 取り外した風防レンズを平らな机の上に置いてみると、フランジ部分が一様に机に密着せず一部が浮いている。横から見るとフランジが波打っていることがわかった。このフランジには防水パッキンが接するので、できるだけ平らな方が良い。そこで熱したホットプレートにフランジ部分を数秒当てて柔らかくし、平らな机の面に押し付けることを繰り返して平らになるよう修正した。さらにフランジ部分を子細に眺めてみると、製造時についたと思われるバリや円形の窪みなどがあった。この状態では防水パッキンの密閉性が十分に発揮できないと思われたので、120番の耐水ペーパーでフランジ部分を研磨して凹凸がなくなるよう加工した。 LEDイカリングを保持しているパーツをボディーにセットすると両者の間に1mm程度の隙間ができる。防水パッキンはこの隙間の上に乗る形になるが、防水パッキン外縁の密閉性がわずかでも低下するとこの隙間から水分がボディー内に浸入する可能性がある。そこでの隙間にコーキング剤を充填しておくことにした。コーキング剤が付着して欲しくない部分をマスキングして浴室用のコーキング剤を隙間に充填した。さらに前面ベゼルは内側に水分が浸入する構造なので、下部に水分が溜まらないよう下側に水抜き穴を開ける加工を行った。 上の防水性強化策を実施した後、LEDドライビングランプを元どおり組み立てて点灯テストを行った。ところがしばらく点灯しておくと風防レンズの前面内側が曇っていることに気付いた。これはおそらく主にコーキング剤に含まれていた水分がLED素子の熱によって蒸発し、冷えている風防レンズの前面内側で結露したのだろう。これには前面ベゼルと風防レンズを取り外して一晩放置し、コーキングが乾くのを待った。翌日再度LEDドライビングランプを組み立て点灯テストを行ったところ、風防レンズの前面内側が曇ることはなかった。つまりこれ以降、風防レンズの前面内側が曇る場合は、外部からの水分が浸入したと考えることができる。 LEDドライビングランプの車両への取り付けは、製品付属のステーを使わず、既に車両側に取り付けてある自作のステーに直接M6ボルト・ナットでマウントすることにした。ボルトはこれまでより5mm長い45㎜長のものが必要になった。LED素子を点灯させる電源は、これまで使っていたフロントフェンダーの両側に取りまわしてあるものを使う。この電源はディレーリレーを介しており、ヘッドライト点灯後7~8秒遅れて通電する。LEDイカリングを点灯させる電源は新たにスモール灯電源から引くことにした。こうすればイグニッションONでLEDイカリングが点灯し、ヘッドライト点灯後7~8秒後にLED素子が点灯する。 LEDドライビングランプ取り付け後、暗くなってから光軸を調整した。カットラインから上には光が漏れないので、風防レンズ面を鉛直に固定しても前から見て全く眩しくない。しかしあまり光軸を高くし過ぎても照らされる部分が暗くなってしまうので、少し下向きにしてカットラインがヘッドライトロービームのカットラインより少し下になるよう調整した。辺りが暗くなってからLEDドライビングランプを点灯させてみたところ、これまで使ってきたどのドライビングランプより照射範囲が左右に広く、かつ明るい。2,344円の激安LEDドライビングランプではあるものの、なかなかの性能である。願わくは、数年は壊れずに使えるとよいのだが。 <2022年10月15日追記> 部屋でこのLEDドライビングランプを試験点灯中にAMラジオを近づけてみたところ、かなりの雑音が聞き取れたのでもしやとは思っていたが、その懸念が現実化してしまった。一度帰宅してLEDドライビングランプの電源コードにフェライトコアを取り付けてみたものの、状況に変化はなかった。念のためスイッチでLEDドライビングランプを消灯すると、すぐにフロントタイヤ空気圧がインパネに表示されたので、LEDドライビングランプが問題の原因であることは疑いの余地がない。 明るさや照射範囲は申し分なかったのだが、残念ながらこのLEDドライビングランプの使用をやめることにした。 |
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光度計測 | 交換前左側15,730カンデラ | 交換前右側10,210カンデラ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ハイビーム照射パターン | 交換後左側28,750カンデラ | 交換後右側21,200カンデラ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
実施日: 2022/10/10 継続検査対策として、プロジェクターヘッドライトのH1 HIDバーナーを光度の出るものに交換した。交換前に装着していたものは左側が15,730カンデラ、右側に至っては10,210カンデラしかなかった。交換後は左側が28,750カンデラ、右側は21,200カンデラとなり、合格基準の15,000カンデラ以上を満たした。 |
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交換前のリザーバータンク | ロングライフクーラント | 冷却水ドレンボルト | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
リザーバータンク冷却水排出中 | 冷却水排出中 | 冷却水流路洗浄 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
実施日: 2022/10/10 年末の継続検査に備えてエンジン冷却水を交換した。交換インターバルは3年11か月/11,872kmとなる。交換前のリザーバータンクの冷却水はほとんど減っておらず、2014年2月に修理した冷却水漏れは再発していないといえる。還暦を迎えて耄碌したのか、希釈済みのクーラント液を原液と間違えて調達してしまい、別に原液を調達するハメになった。冷却水流路の洗浄は前回と同じ手順で行った。クーラントの充填は50%希釈済みのもの(2ℓ)を全量投入し、次に原液を投入した。原液が250mlほど入ったところでラジエータキャップ口から溢れたので、1400GTRの全冷却水量は2.25ℓ前後(リザーバータンクを除く)と推定された。この状態で計算上55%(vol%)濃度のクーラントとなり、上限とされる60%を超えていない。 |
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使用したギアオイル | ファイナルギアケース | アウターカバー | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ギアオイル排出中 | 排出されたギアオイル | 応援団 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
実施日: 2022/10/9 ファイナルギアオイル(以下ギアオイル)を交換した。交換インターバルは約4年5か月/13,530kmとなる。今回はサービスマニュアルに指定されている12,000km毎の交換にほぼ合わせることができた。ギアオイル交換前に樹脂製ファイナルギアケースアウターカバーを外し、ギアオイル排出中にスーパークレポリメイトを吹き艶出しておいた。排出したギアオイルはまだ消泡剤が効いているようで、前回の交換時のように排出時に泡立たなかった。今回排出されるギアオイルを受けるカップに100均のチャック付きポリ袋を裏返しに被せ、作業終了後ポリ袋のチャックを閉めて古いギアオイルを封入した。こうすればカップは汚れないし廃油の入ったポリ袋はそのまま燃えるゴミとして捨てられる。 |
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使用したエンジンオイル | オイルフィルター | オイル処理ボックス | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
実施日: 2022/10/2 年に一度のエンジンオイル交換を行った。交換インターバルは約12か月/3,254kmである。AZ MEB-014を全部(4ℓ)入れて足りない分は、HONDA ULTRA G2を足しておいた。ドレンワッシャは前回新品に交換したので、それを裏返して再利用した。 自宅ガレージでエンジンオイル交換中にエンジンを掛けたところ、その音を聞きつけて拙宅の前で一時停止違反を取り締まっている若いお巡りさんがやって来られた。叱られるのかと思いきや、バイクの音がしたので興味が湧いて来てみたという。彼はカワサキのNinja 1000に乗っているとのことである。カワサキ車が好きか尋ねると、「バイクはやはり漢(おとこ)カワサキです」とおっしゃっていた。彼がそのNinja1000を買った店が、筆者の1400GTRと同じ練馬区のMSLゼファー(現カワサキプラザ東京練馬)ということで、何となく親近感を覚え、ひとしきりバイク談議に花が咲いた。 |
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実施日: 2022/9/30 ★クルコンLED交換 ★LEDドライビングランプ取り外し ★グリップヒーター |
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K&Nメンテナンスキット | ポリ袋内で洗浄中 | 乾燥後オイル塗布 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
実施日: 2022/9/29 今年末に車検(継続検査)を受ける予定なので、できるだけ適正な空燃比になることを期待してK&Nエアフィルターエレメント(以下エアフィルター)のメンテナンスを行った。前回この作業を行ったのは2020年11月なのでインターバルは約23か月、その間の走行距離は5,330kmである。2006年に購入し未だに使い切れないメンテナンスキットを使ってエアフィルターの洗浄・乾燥・オイル塗布を行った。 |
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燃料タンク裏側 | 燃料ポンプ | ガソリン蒸気発散防止 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
取り外した燃料ポンプ | 燃料ポンプ分解中 | 燃料フィルター取付位置 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
燃料フィルターの汚れ | 燃料フィルター取り外し | 燃料フィルターの汚れ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
中華製互換燃料フィルター | 新旧燃料フィルター比較 | 燃料ポンプ取付用Oリング | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
実施日: 2022/9/29 フューエルインジェクション(FI)バイクである1400GTRには燃料タンク内に電動燃料ポンプ(以下燃料ポンプ)が設置されていて、ガソリンをスロットルボディ(燃料噴射装置)に圧送する。燃料ポンプに内蔵されている燃料フィルターは、ガソリンをスロットルボディに送る前にガソリン中に浮遊する異物(砂やゴミ等)を濾過する。長期的にはこの燃料フィルターに異物が堆積することでガソリンの濾過時に抵抗が発生し、スロットルボディが必要とするガソリンの圧力(304kPa)や流量(67ml以上/3秒間)を満たせなくなることがある。それがある限度を超えると、エンジンが掛からない、或いはエンジンが掛かったとしてもスロットルを開いたときにエンジン回転数が上がらない症状が出る場合がある。 筆者が乗る2008年モデルの1400GTRをカバーするパーツリストには燃料ポンプAssy(49040-0820)の記述しかなく、燃料ポンプに内蔵されている燃料フィルターの交換は想定されていない。ところが2015年モデル以降のパーツリストには燃料ポンプAssyに加えて、燃料ポンプ内部の燃料フィルター・Oリング・ビス等のパーツも記述され、それらを入手することが可能となった。燃料ポンプAssyのパーツナンバーは2008年モデルと2015年モデルで共通なので、2015年モデルの燃料フィルターは2008年モデルにも取り付け可能であることになる。現状筆者の1400GTRのエンジン吹け上がりに問題はないが、将来発生するかもしれないフィルターの詰まりによる問題を予防するため、満15年の車検前に燃料フィルターの交換を行っておくことにした。 燃料フィルターキットは燃料フィルター・Oリング・ビス等がセットになったもので、パーツナンバーは99999-0521、価格は税込み4,000円ほどもする。筆者の感覚では、不織布と樹脂でできたフィルターの価格としてはリーズナブルとは言い難い。そこでAliExpressで互換性のある燃料フィルターを探してみたところ、燃料フィルター単体で1個500円程のものが見つかった。Oリングやビスは付属していないが、それらは現状付いているものを再利用できないこともないだろう。そこでその燃料フィルター単体を注文し待つこと2週間ほどで商品が届いた。早速開梱してその形状を純正品(の画像)と比較してみたところ、特に異なるような感じもなかった。そこでロングツーリング後のガソリンタンク内のガソリン量が少なくなったときを待って燃料フィルターを交換してみることにした。 燃料フィルターの交換はガソリンタンクを車体から外し、毛布を敷いた地面に裏返しに置き5本のボルトで取り付けてある燃料ポンプを取り外す。燃料ポンプを取り外したガソリンタンクの穴からガソリン蒸気が発散するのを防ぐため、養生テープで穴を塞いでおいた。取り外した燃料フィルターからは内部に溜まっているガソリンが漏れるのでウエスの上で作業する。燃料フィルターの分解は、上部のビス2個と電源コネクター2個を取り外した上で樹脂筐体を上にスライドさせて金属ベースと分離する。樹脂筐体がスライドしにくかったので、筆者は樹脂筐体下部をマイナスドライバーで少しコジってスライドさせた。目的の燃料フィルターは樹脂筐体の下部に取り付けられていた。 15年近く使い続けた燃料フィルターは真っ黒に変色して見るからに汚く、表面には砂やゴミ・毛などが付着していた。燃料フィルターは手では外れなかったのでラジオペンチで掴んで外したが、樹脂筐体の上部から棒状のもので突いて外した方が樹脂筐体にストレスがかからなかったかもしれない。燃料フィルターが取り付けられていた部分をウエスで拭き、新しい燃料フィルターを取り付ける。その後樹脂筐体を金属ベースにスライドさせて取り付けるが、樹脂筐体の穴に挿入される金属パイプ先端に取り付けられているOリングが膨潤していてかなり入りにくかった。やはりOリング付きの高価なキットを買った方が良かったかと少し後悔したが、穴とOリングにシリコンオイルを吹き何とか挿入することができた。 燃料ポンプを元どおり組み立て、燃料ポンプとガソリンタンクの間に入るOリング(670E5075)を新しいものに交換して燃料ポンプをガソリンタンクに取り付ける。燃料ポンプを取り付けるボルトはトルクレンチを使って指定トルク(9.8 N-m)で締め付けた。ガソリンタンクを車体に戻し、コネクター2個(燃料ポンプ・燃料計)と燃料パイプを取り付けてエンジンを掛けてみる。燃料ポンプや燃料パイプに空気が入ったせいか、イグニッションスイッチをONにした時の燃料ポンプの音がいつもと少し違ったが、セルモーターを回すと普通にエンジンが掛かった。後日試乗に出かけエンジンを高回転まで回してみたところ、息付きなどの症状は出なかったので、燃料フィルターの交換作業は上手くいったようだった。 |
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ヘッドライトユニット後側 | ヘッドライトダストカバー | ダストカバー取り外し | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ヘッドライト右側の汚れ | 何かが垂れたような汚れ | ヘッドライト左側の薄汚れ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
汚れた状態での光度 | 白濁したバーナー発光点 | 白濁したバーナー発光点 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
殻割り用段ボール | ヘッドライトユニット加熱中 | 加熱中の温度管理 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
前面レンズ洗浄中 | 反射鏡内部の汚れ(右) | プロジェクターガラスレンズ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
清掃後のヘッドライト | 清掃後のヘッドライト | 清掃後の光度 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
異常に短いH1バーナー | 55W 6000Kの光度 | 35W/55W 4600Kの光度 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
実施日: 2022/6/28 2017年3月にプロジェクターユニットを埋め込んだヘッドライトは、その後6年余りの使用で内部がかなり汚れてきた。光源が純正のH4バルブではないので、純正のゴム製ヘッドライトダストカバーの穴が完全にふさがれず、そこから汚れた空気や湿気がヘッドライト内部に侵入して汚れてしまうのだろう。透明ポリカーボネイト製ヘッドライト前面レンズの内側はほぼ全面がうっすらと汚れている上に右側には何かが垂れたような汚れがある。クルマの目であるヘッドライトが汚れているのは見ていて気持ちのよいものではないし、ヘッドライト光量の低下にも直結する。今年11月には15年目の継続検査を受ける必要もあるので、この際ヘッドライトを殻割りして内部を清掃しておくことにした。 車体からヘッドライトユニットを取り外して室内に持ち込み、ヘッドライト内部が汚れた現状のままでヘッドライト光度を測定してみたところ16,020カンデラの結果が得られた。継続検査の合格基準(15,000カンデラ以上)はなんとかクリアしているものの、このHIDバーナー(以下バーナー)を取り付けた当時(2020年11月)の測定値は28,040カンデラだったので、光度は40%以上低下している。バーナーを取り外してみると、取り付け時は透明だったキセノンガスが封入されている発光点が白く濁っていた。周囲のガラス管に白濁はなかった。光度が低下した主な原因は、経験上バーナーの劣化である可能性が高いと思われるが、ヘッドライト内部を清掃するとある程度光量が上がるかもしれない。 殻割りはヘッドライトユニットを段ボール箱に入れ、段ボール箱にあけた穴からヒートガンで内部に熱風を送り込み、ヘッドライト前面レンズと後方のボディーを接着しているブチルゴムを柔らかくして両者を引きはがす。前回殻割りしたときと同じように、段ボール箱内部の温度を約70℃に保ちながら1時間以上かかってなんとか殻割りに成功した。次にヘッドライト前面レンズとボディーの篏合部分に残っているブチルゴムをヒートガンで暖めて柔らかくしながらマイナスドライバーでこそげ取る。殻閉じ時にはプロジェクターユニットを埋め込んだ6年前の作業時に半分以上余った新しいブチルゴムを使うので問題はない。 殻割りしたヘッドライト前面レンズの内側をお湯と台所用洗剤で洗浄する。できるだけレンズ内側を傷つけないよう、スポンジではなく指の腹を使って洗う。薄い汚れはこれで落ちたが、右側にこびり付いている何かが垂れような汚れは、指のツメでひっかきながら落とさざるを得なかった。またレンズ両脇部分は、その内部にある、ヘッドライト下方の路面に光を投影するパーツの形のような跡がついていた。これは洗剤では落とすことができなかった。最後にヘッドライト前面レンズの内側をプレソルベントで脱脂しプレクサスで表面をコートしておいた。 次にプロジェクターユニットを分解し、光度に大きく影響する内部の反射鏡を調べたところ、白い汚れが薄く付着していた。これはプレソルベントで拭けば簡単に落ちた。プロジェクターユニット前面のガラスレンズにはほとんど汚れらしいものは付着していなかったが、念のためプレソルベントで拭きプレクサスでコートしておいた。ヘッドライトユニットボディー側に取り付けてある加飾メッキパーツはプレソルベントで軽く拭いた。ヘッドライトユニットボディー内側は外から見えないのでホコリを払う程度にしておいた。ヘッドライトユニットボディー側の溝に新しいブチルゴムを入れ約30分ほどかかって殻閉じを行った。 組み上がったヘッドライトユニットに上で16,020カンデラの測定値が出た古いバーナーを装着し光度を測定してみたところ、18,630カンデラの結果が得られた。やはりヘッドライト内部の清掃による光度アップの効果はあったといえる。しかし18,630カンデラでは今後バーナーの劣化がさらに進むと、今年11月の継続検査時に15,000カンデラ以上の合格値を下回ってしまう可能性も否定できない。そこでこの際、新しいH1バーナーを調達して交換しておくことにした。ところが近年ヘッドライトの光源にLEDを使うことが多くなったことでHIDの需要が減り、H1バーナーを購入できるサイトが以前と比べて激減し、かつ製品の品質も低下していることに気付かされることになった。 まずAmazonでH1バーナーを2種類(55W 4600Kと55W 6000K)調達してみた。4600Kの方をヘッドライトユニットに取り付けて光度を測定してみると、2本とも一番明るい光点部分で8,000カンデラ程度しかなく継続検査には使えないことがわかった。6000Kの方は片方のバーナーのガラス管長が異常に短く、発光点が通常のものより3mm程度座面に近い位置にあり、プロジェクターユニットの焦点が合わず光点すら出ない。もう片方は光点は出るが9,000カンデラ程度の光度しかなかった。さらに別のサイトで55W 6000Kのものを調達して光度を測定してみたところ、30,000カンデラ近く出ていて光点位置も正常だったが、左右の色温度がかなり違っていた。 さらに別のサイトで35W/55W兼用 4600Kのものを調達し光度を測定してみると、片方のバーナーのガラス管が座面に対して傾いて取り付けられていて、光点が標準位置よりかなり上側に出てしまう。これは座面にアルミホイルを小さく折りたたんだものを噛ませて傾きを補正することで、もう一方のまともなバーナーの光点の高さに揃えることができた。その状態で光量を測定したところ、両側とも32,000カンデラ近くの光量が出たので、これを継続検査用に保管しておくことにした。そして当面は上の30,000カンデラ出ているが左右の色温度が違うバーナーを使い、今年11月までに光量が著しく低下しなければ継続検査にもそれで臨むことにした。 4種類ものH1バーナーを調達してポン付けで満足できるものがひとつもないという結果は、単に筆者の運が悪いというより、H1バーナーの需要が減ったことによる品質低下と考えるべきであろう。つまりこの先もH1バーナーの品質低下が続く、あるいはそもそも調達ができないという状況になる可能性があると仮定すれば、現時点で何らかの手を打っておかないと、将来このプロジェクターヘッドライトで継続検査に合格することができなくなるかもしれない。筆者は上で継続検査用に保管したバーナーを必要に応じて検査時に使用し、普段はそれ以外のバーナー(光量が足りなくても光点が正しく出ているもの)を使うことにした。 <2022年7月3日追記> 筆者はこれまで新品のバーナーが点灯しないケースは経験がなく、このこともH1バーナーの品質が低下していることを裏付けているのかもしれない。ライトが点いていないとお巡りさんに呼び止められる恐れがあるので、このバーナーには(左右とも)暇を出すことにした。代わりにAmazonで調達した8,000カンデラしか出ない4600Kのバーナーを車両に取り付けてテストしてみたところ、左右とも点灯しないことは一度もなかった。そこで当面はこのバーナーを使い、継続検査前に車検用に保存したバーナーに付け替えることにした。 |
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ブレーキ(クラッチ)フルード | Fブレーキフルード交換中 | Fブレーキフルード交換中 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Rブレーキマスターシリンダー | Rブレーキマスターピストン | Rブレーキキャリパー | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Rブレーキピストンシール | Rブレーキピストンシール溝 | 右フットガード | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
右フットガード | ブレーキペダルピボット清掃 | クラッチリザーバータンク | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
クラッチマスターシリンダー | クラッチマスターピストン | 新旧クラッチマスターピストン | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
クラッチスレーブシリンダー | クラッチスレーブシリンダー | クラッチスレーブピストン | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
実施日: 2022/5/4
【フロントブレーキ】 公道で使用されるクルマやオートバイのブレーキ(クラッチ)フルード交換は一般に2年ごと(車検毎)が目安とされている。前回フロントブレーキのフルード交換を行ったのは2018年10月なのでインターバルは実に3年7ヶ月(走行距離10,720km)となる。この間ブロントブレーキが過熱するような走りをする機会は一度もなくべーパーロック等のトラブルも経験しなかった。フロントブレーキの効きやレバー操作に特に違和感はなかったが、今年暮れには7回目(15年)の継続検査もあるのでフルードを交換しておくことにした。 フロントブレーキはフルード交換を行うだけなので、油圧経路内にエアを入れなければマスターシリンダーのブリードニップルからのエア抜きを省略できる。リザーバータンク内の古いフルードを吸い取り、油圧ホース内のフルードは残したままリザーバータンクに新しいフルードを注ぎブレーキキャリパーのブリードニップルから古いフルードを抜く。排出した古いフルードの色は少し黄色掛かってはいたものの、吸湿や熱で著しく劣化したような見た目ではなかった。フルードを交換した後もブレーキの効きやレバータッチに特段の変化は感じられなかった。 【リアブレーキ】 前回リアブレーキのフルード交換を行ったのは2020年10月なのでインターバルは1年7ヶ月(走行距離3,221km)である。それ以前からリアブレーキペダルを強めに踏んだ時、足裏にギシギシというような感触があった。そこで今回は油圧経路内の摺動パーツを新品に交換しブレーキペダルピボットのグリスアップも行うことにした。まずはリザーバタンクのフタを開け古いフルードを吸い取り、次にリアブレーキキャリパーのブリードニップル(2ヶ所)から古いフルードを抜く。ブリードニップルはひとつずつ開け閉めして作業する必要がある。ABS装着車は油圧経路が長いので排出されるフルードの量は案外多い。排出されたフルードはフロントブレーキのそれに比べて明らかに黄色く変色していた。以降の作業はリアブレーキマスターシリンダーやブレーキべダルが取り付いている右フットガード(ヒールガード)を車体から取り外して行う。 前回リアブレーキマスターシリンダーピストンを交換したのは2013年7月なのでインターバルは8年10ヶ月(走行距離34,988km)となる。サービスマニュアルには、リアブレーキマスターシリンダーピストンの交換はリアブレーキマスターシリンダーを車体(油圧ホース)から取り外して作業すると書かれているが、一旦油圧ホースを外してしまうと、油圧ホース取り付けの際にオイルボルト(バンジョーボルト)のシーリングワッシャーを新しいものに交換する必要がある。貧乏性の筆者はシーリングワッシャーを節約するため、リアブレーキマスターシリンダーを油圧ホースに取り付けたまま作業することにした。リアブレーキのプッシュロッドを固定しているサークリップはリアブレーキマスターシリンダー内のかなり奥まった位置にある。リアブレーキマスターシリンダーを油圧ホースにつないだままなので、その向きを変えられず、サークリップを取り外すのに地面に寝転がる姿勢を強いられることになった。何とかサークリップを取り外して古いピストンを取り出し、新しいピストンにシリコングリスを塗ってリアブレーキマスターシリンダー内に入れ、再度地面に寝転がり新しいサークリップでプッシュロッドを固定した。 前回リアブレーキキャリパーのピストンシール(ダストシール・オイルシール)を交換したのは、2012年10月なのでインターバルは9年7ヶ月(走行距離42,820km)となる。ピストンシールの交換は、無理をすれば油圧ホースをリアブレーキキャリパーから取り外さずに作業できないこともないと思えたが、作業効率が著しく低下する可能性があったので、ここは潔くオイルボルトを緩めて油圧ホースを取り外すことにした。サービスマニュアルには、ピストンをリアブレーキキャリパーから取り外すにはエアコンプレッサーの圧縮空気を利用すると書かれているが、試しに手持ちのキャリパーピストンツールを使ってみたところ比較的簡単にピストンを取り外すことができた。古いピストンシールをシリンダーの溝から取り外し、代わりに新しいピストンシールを取り付ける。ダストシールとオイルシールはサイズが異なるので間違って取り付けてしまうことは普通ないだろう。ピストンを戻したリアブレーキキャリパーを車体に取り付け、油圧ホースを新しいシーリングワッシャー2枚と共にオイルボルトでリアブレーキキャリパーに取り付ける。 ブレーキペダルピボットのグリスアップは、まず現状を知るためブレーキペダルリターンスプリングを取り外して手でブレーキペダルを動かしてみたところ、かなりのフリクションがあり軽く動かない状態になっていた。ブレーキペダルをフットガードから取り外して劣化した古いグリスを拭き取り洗浄した後、新しいグリスを与えてブレーキペダルをフットガードに戻してみたところ動きに渋さはなくなった。フットガードにメンテナンスが完了したリアブレーキマスターシリンダーと、一時的に取り外しておいたリアブレーキスイッチを戻して車体に取り付け、最後に油圧経路にフルードを充填する。メンテナンス完了後は強めにブレーキペダルを踏んでも足裏にギシギシというような感触を感じることはなくなった。 【クラッチ】 前回クラッチフルードを交換したのは2020年10月なのでインターバルは1年7ヶ月(走行距離3,221km)、前回クラッチのマスタシリンダーピストンとスレーブシリンダーオイルシール交換を行ったのは2016年1月なのでインターバルは6年4ヶ月(走行距離34,988km)である。今回の作業前にクラッチの操作感に特に問題はなかった。かなり長いインターバルにもかかわらずクラッチレバー操作時に段付き感が出なかったのは、クラッチマスターシリンダーのダストカバーをめくってクラッチレバーを握りながらクラッチマスターシリンダー内部にシリコンオイルスプレーを噴射する裏技を編み出したことよるものに違いない。作業はまずリザーバータンクのフタを開け内部のフルードを吸い取った後、クラッチスレーブシリンダー(クラッチレリーズ)のブリードニップルから油圧経路のフルードを排出する。排出されたフルードはフロントブレーキのそれとリアブレーキのそれの中間的な色合いだった。 次にクラッチマスターシリンダーピストンの交換を行う。クラッチレバーを外し、クラッチマスターシリンダーダストカバーとプッシュロッドを引っ張って外し、内部のサークリップを外してピストンを取り出す。取り出したピストンのラバーシールはエッジが削れて丸くなっていた。クラッチは使用頻度が高くかつ動作ストロークも大きいので、マスターシリンダー内部にはマスターシリンダー内壁やピストンが削れたアルミ粉が堆積している。これを清掃して新しいピストンにシリコングリスを塗り、クラッチマスターシリンダー内に入れて新しいサークリップで固定する。ダストカバーとプッシュロッドを取り付け、清掃・給脂したクラッチレバーを取り付ける。 クラッチスレーブシリンダーは3個のボルトを緩めて取り外す。その際オイルホースを取り外す必要はなく、2008年モデルではロアカウルを取り外す必要もない。取り外したクラッチスレーブシリンダー内部からクラッチスレーブシリンダーピストンを取り出し、古いオイルシールを外して新しいものを取り付ける。ピストンにシリコングリスを塗ってクラッチスレーブシリンダーに戻し、それを車体に3個のボルトで取り付ける。最後に油圧経路にフルードを充填する。油圧経路内にエアが入ったので、クラッチマスターシリンダーのブリードニップルからエア抜きを行う必要がある。メンテナンス後はクラッチレバーの操作感が若干スムーズになったような気がした。 <2022年6月9日追記> |
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古いバッテリーの診断結果 | ターミナルに付着した粉 | バッテリーケース内の粉 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
古いバッテリーの電圧 | 古いバッテリーのCCA | 新しいバッテリー | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ラスロンGと注射器 | ラスロンG注入 | 電解液注入 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
新しいバッテリーの電圧 | 新しいバッテリーのCCA | 新しいバッテリーの診断結果 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
実施日: 2022/3/21 冷間始動時のセルモーターの回転がややもっさりしてきたのでバッテリーを交換することにした。このバッテリーは2015年6月に取り付けたもので、ここまで一度も上げたことはなく6年9ヵ月使用している。使用開始時にラスロンGを添加しておいたからか、これまでの二輪用シールドバッテリー最長使用期間記録である4年8ヵ月を大幅に更新した。バイクに乗らないときには常にOptimate4(旧型)でフロート充電を行ってきたことも長く使えた理由のひとつに違いない。Optimate4で行うこのバッテリーの診断結果は、新品時は5段階評価の1番上(緑LED)である”非常に良い”を示していたが、数年前からは上から2番目(黄LED+緑LED)の”良好”に低下していた。 バッテリーを車体から取り外してみると、マイナスターミナル側に薄黄色の粉が大量に付着しており、その一部はターミナル部から溢れて下に落ちていた。以前のバッテリー交換時にもこのような粉は付着していたが、ここまで多くはなかった。この粉は漏れた電解液が端子に付着して結晶化したものだそうだが、もしそうだとするとバッテリー内部の電解液は減っていることになる。それがどのような影響を及ぼすのか筆者にはわからないが、可能な限り長くバッテリーを使いながら車体へのダメージを最小化したい筆者としては、劇物(希硫酸)である電解液はバッテリーから漏れないでいてほしい。 車体から取り外す直前までOptimate4で充電されていたこのバッテリーの電圧とCCA値を計測したところ、それぞれ12.60Vと225であった。新品時に計測した値はそれぞれ12.85Vと409だったので、電圧はあまり違わないがCCA値はほぼ半減している。CCA(Cold Cranking Ampere)値とは、要するにどれだけセルモーターを力強く回せるかの指標であり、取り外した古いバッテリーの電圧はそれほど低下していないにもかかわらず、CCA値が低下しているのでセルモーターの回転がもっさりしたというわけである。ちなみに容量が二輪用より数倍ある四輪用のバッテリーでもCCA値が数倍というわけではない。筆者の感覚ではエンジン始動用バッテリーはCCA値が新品時の半分程度に低下したら交換するのがベストかと思われる。 新しいバッテリーは2年以上前にヤフオクで調達しておいた古河電池FTZ14-BSで、バッテリー本体と電解液が別になった即用式である。最近では二輪用シールドバッテリーも四輪用バッテリーと同じように、バッテリーに電解液が注入済みのものしか普通には入手できないようになってきている。だがバッテリーは電解液を注入した時点から劣化が始まるので、筆者的には可能な限りバッテリー本体と電解液が別になった即用式を入手することにしている。現時点でヤフオクは即用式シールドバッテリーが入手できる数少ないソースのひとつである。 古いバッテリーの使用開始時には6個の電槽にラスロンGを50ccずつ注入したが、今回新しいバッテリーには倍量の100ccずつを注入することにした。注射器を利用してラスロンGを各電槽に注入し、その後、電解液容器をバッテリーに挿し込んで電解液を注入する。そのままの状態で20分放置し電解液が完全にバッテリーに注入されたことを確認し容器を取り去る。バッテリーの電解液注入口にキャップを取り付け、バッテリーの電圧とCCA値を計測してみたところ、それぞれ12.67Vと398だった。FTZ14-BSのCCA値はバッテリーに230と記載されているものの、これまで筆者の機器による計測では新品時には400前後を示したので、この新品バッテリーは所定の性能を満たしていると思われた。 新しいバッテリーを車体に取り付けOptimate4で補充電を行った。新品だからか、いつもより長い時間充電が行われた後、バッテリーの診断が行われ、結果としては1番上(緑LED)の”非常に良い”を示した。このバッテリーも古いものと同じく7年近く使えるとよいのだが、仮にそうなれば次回バッテリー交換時の筆者の年齢は前期高齢者に達していることになる。もはやバッテリーの寿命が先か筆者のそれが先かというレースコンディションになっていることは想像に難くない。もし運良くレースに勝ったとしても、その時には300kgもあるこのバイクを操ることは難しくなっているだろう。 |
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